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真司×千晶
千晶・萌え断に挑戦する
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俺の実家から規格に漏れた、桃やらぶどうやらが沢山送られてきて、甘いものが大好きな千晶は、当然喜んだ。そんなある日。
千晶がずーっと台所で何かを作っている。
時折、鼻歌が聞こえるから千晶にとって楽しい作業であることは間違いない。気になって俺の膝の上に座り込んだナキを抱き上げて、猫ベッドに乗せた俺は台所に向かった。
「千晶ー、何作って…」
「真司さん、出来ました!」
千晶がニコニコしながら言う。クリームが耳のない真っ白な食パンにぎしっと挟まっていた。なんだこれは?ケーキではないし。
「今から切りますね!上手くできるかな」
千晶が包丁でそれを切り出す。よく切れる包丁だ。それはあっさりと半分に切れた。
「わ、できた!」
中から現れたのは中に詰まったぶどうの断面だった。ようやく正体が分かったな。にしても、なかなか迫力のある断面図だ。クリームもたっぷり挟まっているし、ぶどうもたっぷりだから尚更だ。これが萌え断ってやつなのか。
「フルーツサンドか」
「はい。俺、ずっと自分で作ってみたかったんです。店で買うのもご褒美感があっていいんですけど、自分で作れば好きなだけクリームが入れられるし」
「千晶は生クリーム好きだもんな」
「はい、大好きです」
千晶はこれでもか、というくらい、自作のフルーツサンドの写真を撮っていた。これからじっくり考察の記事を書くのだろう。読むのが楽しみだ。
「真司さん、早速食べてみましょうよ!」
「あぁ、そうするか」
サンドイッチにかぶりつくと甘すぎないクリームが美味い。千晶はどんどんスイーツ作りが上手くなっていくな。ぶどうも言わずもがな美味かった。父さんの自慢げな表情が頭に思い浮かぶ。農家は自然との戦いだ。俺も学生時代はよく手伝いをさせられたな。跡を継げとは言われてないけれど、どうするんだろう。また話があるかもしれない。その時千晶は…。いや、今考えても仕方のないことだ。
「わ、お砂糖これくらいで良かった。ぶどう甘いなぁ」
千晶がまた一口。もう止まらないって感じだな。もきゅもきゅ食べている。
「美味いぞ、千晶」
「よかったです。でもまだこれから桃のフルーツサンドを作ろうと思っていて」
まだ生クリームもパンも余っているようだ。桃のフルーツサンドも美味そうだな。
「挟むだけなら俺も手伝える」
「わ、じゃあ作りましょうか!そうだ、かなさん食べてくれるかな?聞いてみよう」
千晶がスマートフォンをたたたと弄りだす。かなさんのことだ、きっと喜んでくれる。
すぐにかなさんから返信が来て、これから家に来てくれる事になった。千尋さんももちろん一緒だ。夕飯に皆で食べるようにピザを買って来てくれるらしい。この四人で集まると必ず、何かを食べるイベントになる。みんなで食べると楽しいから嬉しいな。
俺もフルーツサンドの写真を出来る限り慎重に撮って、母さんに果物のお礼と共に送ったのだった。
また千晶と一緒に実家に行きたいな。もちろん、千晶おすすめのお菓子を買って。
おわり
千晶がずーっと台所で何かを作っている。
時折、鼻歌が聞こえるから千晶にとって楽しい作業であることは間違いない。気になって俺の膝の上に座り込んだナキを抱き上げて、猫ベッドに乗せた俺は台所に向かった。
「千晶ー、何作って…」
「真司さん、出来ました!」
千晶がニコニコしながら言う。クリームが耳のない真っ白な食パンにぎしっと挟まっていた。なんだこれは?ケーキではないし。
「今から切りますね!上手くできるかな」
千晶が包丁でそれを切り出す。よく切れる包丁だ。それはあっさりと半分に切れた。
「わ、できた!」
中から現れたのは中に詰まったぶどうの断面だった。ようやく正体が分かったな。にしても、なかなか迫力のある断面図だ。クリームもたっぷり挟まっているし、ぶどうもたっぷりだから尚更だ。これが萌え断ってやつなのか。
「フルーツサンドか」
「はい。俺、ずっと自分で作ってみたかったんです。店で買うのもご褒美感があっていいんですけど、自分で作れば好きなだけクリームが入れられるし」
「千晶は生クリーム好きだもんな」
「はい、大好きです」
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「あぁ、そうするか」
サンドイッチにかぶりつくと甘すぎないクリームが美味い。千晶はどんどんスイーツ作りが上手くなっていくな。ぶどうも言わずもがな美味かった。父さんの自慢げな表情が頭に思い浮かぶ。農家は自然との戦いだ。俺も学生時代はよく手伝いをさせられたな。跡を継げとは言われてないけれど、どうするんだろう。また話があるかもしれない。その時千晶は…。いや、今考えても仕方のないことだ。
「わ、お砂糖これくらいで良かった。ぶどう甘いなぁ」
千晶がまた一口。もう止まらないって感じだな。もきゅもきゅ食べている。
「美味いぞ、千晶」
「よかったです。でもまだこれから桃のフルーツサンドを作ろうと思っていて」
まだ生クリームもパンも余っているようだ。桃のフルーツサンドも美味そうだな。
「挟むだけなら俺も手伝える」
「わ、じゃあ作りましょうか!そうだ、かなさん食べてくれるかな?聞いてみよう」
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すぐにかなさんから返信が来て、これから家に来てくれる事になった。千尋さんももちろん一緒だ。夕飯に皆で食べるようにピザを買って来てくれるらしい。この四人で集まると必ず、何かを食べるイベントになる。みんなで食べると楽しいから嬉しいな。
俺もフルーツサンドの写真を出来る限り慎重に撮って、母さんに果物のお礼と共に送ったのだった。
また千晶と一緒に実家に行きたいな。もちろん、千晶おすすめのお菓子を買って。
おわり
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