俺様系女装男子は幼馴染に可愛いって言われたい!

はやしかわともえ

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7・ひとりで

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慧が気が付くと、自室にいた。ハッとなって起き上がるとパジャマを着ている。保が着せてくれたのだろうと気が付くまで、少しかかった。
慌ててスマートフォンを取り出し、保にメッセージを送る。すると、電話が掛かってきた。飛びつくように出る。

「保?ごめん、俺寝ちゃって」

「どこか痛いとことかない?俺もごめん」

お互いに何度も謝り合って現在の状況を慧はようやく知った。時計を見れば、まだ夜の九時過ぎである。慧はそれで少しホッとした。

「お風呂に入ってよく体を洗ってね」

保に何度もそう言われて、慧は頷いた。

「分かった。これから夕飯食べるから」

「うん、また明日」

「あぁ、明日な」

通話が切れて慧は今更ドキドキしてきてしまった。保とあんなことを、しかも外でしてしまった。恥ずかしいよりいたたまれない気持ちが強い。

(でも、俺で興奮してくれるんだ)

慧はとにかくそれが嬉しかった。可愛いとは相変わらず言ってもらえないが、保と愛し合うという行為をしたのは間違いない。

「うわぁ、俺、保のことめちゃくちゃ好きになってる」

今までもこの気持ちは確かにあったが、ずっとなんだろう?と分からずモヤモヤしていた。これが「好き」という気持ちなのだと、やっと霧が晴れたような爽快感がある。だから保の周りの女子に自分はモヤモヤしていたのだ。保に恋人が出来たらどうしようと焦っていた。

「そうか、なるほどな」

慧はピンク色のベッドの上で胡座をかいた。可愛いものは人一倍好きだが、慧は間違いなく男である。しかも俺様で誰よりも気が強い。

「もっと可愛くなろう。保の隣にいても恥ずかしくないようにな」

とりあえず空腹に堪えかねて、慧は階下に向かった。母親が居間でテレビを見ている。やってきた慧に気が付いたようだ。

「あ、慧。起きたの?モデルの仕事、大変なら休めばいいのに。保くんもなんだか疲れた顔してたし、何かあったの?」

ぎくうと慧は一気に背中に冷や汗をかいた。なんと言えば自然なのだろうと慧は必死に脳みそをフル回転させる。まさか二人でえっちなことをしたとは口が裂けても言えるはずがない。

「えと、今日結構大掛かりな作業があってさ。保はもうすぐ試験だし、勉強に疲れたんじゃないかな?」

「あらあら。二人共まだ若いのに。とりあえずカレーあるから温めて食べて」

「はーい」

慧は慌てて台所に向かい、ホカホカのカレーライスを自室に運んだ。もちろんお茶も忘れていない。

「いただきます」

今日は食欲に負けた慧である。山盛りのカレーライスをぺろりと平らげた。

「うわぁ、食いすぎた。でも美味え」

今日は色々なことがあり過ぎて、正直まだ混乱している。

「よし、こうしてモヤモヤしても時間の無駄だな。テスト勉強するか」

慧はピンク色のトートバッグからテキストを取り出し眺め始めた。だが、先程までの痺れるような快感を今更思い出してしまう。保の手の感触を思い出して慧は体が熱くなってくるのを感じた。気にしないようにと何度も頭を振ってみたが、無駄だった。自慰など普段はほぼしない慧である。困った挙げ句、そっとパジャマのズボン越しに敏感になっている部分に触れてみる。

「っ…ん…」

もうこうなったら耐えられなかった。立膝になりズボンをそっと下ろす。ふと保の顔を思い出した。きゅ、と立ち上がりかけた性器を緩く握る。涙が一筋こぼれた。ふ、と息をつきながら擦り上げる。

「ぁ…たも…つ…ン…ふっ」

白濁が手に飛び散る。慧はその場に崩れ落ちた。呼吸が荒い。ふーふー、と息を吐いているとだんだん落ち着いてくる。

「風呂…入らなくちゃ」

達した反動で重たくなった体をなんとか持ち上げて、精液をティッシュで拭き取った。パジャマも着直す。
頭はボーッとしていたが、妙にすっきりしている。保の熱い表情を思い出して、慧は頭をぶんぶん振った。幼馴染をオカズにするのは罪悪感がある。だが、慧は人より心臓が強い。こう考え直した。

(いや、オナニー、たまにならいいかもな。ストレス解消になるって何かに書いてあった気がするし)

あの保ですら自慰をしているのだから大丈夫だと慧は訳の分からない理論を頭の中で組み上げた。湯船に浸かっていると体がじんわりと温まって来る。慧は半身浴を日ごろから行っている。もちろん健康のためにだ。それに代謝がよくなるとテレビで聞いたこともある。

「保、今頃勉強してるんだろうな」

ふと保と話したい気持ちに駆られたが、今話すとまた性的欲求が爆発しそうだ。

(俺、今日変じゃね?めっちゃえっちなことばっかりしているな)

風呂から出たら勉強しないと、と慧は切り替えることにした。
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