12 / 15
三話
きらきら
しおりを挟む
「へぇ、じゃあその子、困ってるんじゃないのか?」
日曜日の昼間、僕は千尋と一緒に、小林さんの経営するカフェに来ていた。
もうすっかり暑いけど、テラスで飲む冷たいカフェラテがほんのり苦くて美味しい。
(僕はブラックなんて飲めない)
ここでは、すごく美味しいサンドイッチを食べさせてくれるそうだ。どんなのなんだろう?
今時流行るくらいなんだから、SNS映えするに違いない。
楽しみだなぁ。今日はいい天気だし、千尋もいる。
でも、今はもっと気になることがある。ゆえるくんが言っていた、なくなった資料集についてだ。
千尋も心配してくれているようで顔を曇らせている。こんな顔させちゃいけないよね。
「困ってると思う。僕もなんとかしてあげたいけれど」
「そうだよな。でも本がないと超能力も使えないもんな」
「そうなんだよね」
そう、今回はその、肝心の本がない。
一体どうしたものか、と考えていると、なにかキラキラしたものが飛んでいる。
あれ、なに?
「千尋」
「どうした?」
千尋には見えていないんだ。僕は立ち上がった。
「僕、ちょっとトイレ行ってくるね!」
「え?加那?」
僕はそのきらきらした何かを走って追い掛けた。
結構なスピードでそのきらきらは飛んでいく。
途中、大きな交差点がなくて助かった。
「あれは」
僕の職場の中学校だ。
ここまでだいぶ走らされたわけだ。
ぜいぜい息をしながら僕は中学校に近づいた。門が開いている。
部活は今日はないはずだ。
じゃあなんで?
また背筋が冷たくなる。
僕にここに来てほしかったなにかがいる。
それは、あれじゃないのか。
きらきらを追い掛けると漫研の部室に辿り着く。
やっぱり。
僕は呼吸を整えた。
日曜日の昼間、僕は千尋と一緒に、小林さんの経営するカフェに来ていた。
もうすっかり暑いけど、テラスで飲む冷たいカフェラテがほんのり苦くて美味しい。
(僕はブラックなんて飲めない)
ここでは、すごく美味しいサンドイッチを食べさせてくれるそうだ。どんなのなんだろう?
今時流行るくらいなんだから、SNS映えするに違いない。
楽しみだなぁ。今日はいい天気だし、千尋もいる。
でも、今はもっと気になることがある。ゆえるくんが言っていた、なくなった資料集についてだ。
千尋も心配してくれているようで顔を曇らせている。こんな顔させちゃいけないよね。
「困ってると思う。僕もなんとかしてあげたいけれど」
「そうだよな。でも本がないと超能力も使えないもんな」
「そうなんだよね」
そう、今回はその、肝心の本がない。
一体どうしたものか、と考えていると、なにかキラキラしたものが飛んでいる。
あれ、なに?
「千尋」
「どうした?」
千尋には見えていないんだ。僕は立ち上がった。
「僕、ちょっとトイレ行ってくるね!」
「え?加那?」
僕はそのきらきらした何かを走って追い掛けた。
結構なスピードでそのきらきらは飛んでいく。
途中、大きな交差点がなくて助かった。
「あれは」
僕の職場の中学校だ。
ここまでだいぶ走らされたわけだ。
ぜいぜい息をしながら僕は中学校に近づいた。門が開いている。
部活は今日はないはずだ。
じゃあなんで?
また背筋が冷たくなる。
僕にここに来てほしかったなにかがいる。
それは、あれじゃないのか。
きらきらを追い掛けると漫研の部室に辿り着く。
やっぱり。
僕は呼吸を整えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる