僕と君を絆ぐもの

はやしかわともえ

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三話

きらきら

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「へぇ、じゃあその子、困ってるんじゃないのか?」

日曜日の昼間、僕は千尋と一緒に、小林さんの経営するカフェに来ていた。
もうすっかり暑いけど、テラスで飲む冷たいカフェラテがほんのり苦くて美味しい。
(僕はブラックなんて飲めない)
ここでは、すごく美味しいサンドイッチを食べさせてくれるそうだ。どんなのなんだろう?
今時流行るくらいなんだから、SNS映えするに違いない。

楽しみだなぁ。今日はいい天気だし、千尋もいる。

でも、今はもっと気になることがある。ゆえるくんが言っていた、なくなった資料集についてだ。
千尋も心配してくれているようで顔を曇らせている。こんな顔させちゃいけないよね。

「困ってると思う。僕もなんとかしてあげたいけれど」

「そうだよな。でも本がないと超能力も使えないもんな」

「そうなんだよね」

そう、今回はその、肝心の本がない。
一体どうしたものか、と考えていると、なにかキラキラしたものが飛んでいる。
あれ、なに?

「千尋」

「どうした?」

千尋には見えていないんだ。僕は立ち上がった。

「僕、ちょっとトイレ行ってくるね!」

「え?加那?」

僕はそのきらきらした何かを走って追い掛けた。
結構なスピードでそのきらきらは飛んでいく。
途中、大きな交差点がなくて助かった。

「あれは」

僕の職場の中学校だ。
ここまでだいぶ走らされたわけだ。
ぜいぜい息をしながら僕は中学校に近づいた。門が開いている。
部活は今日はないはずだ。
じゃあなんで?

また背筋が冷たくなる。
僕にここに来てほしかったなにかがいる。
それは、あれじゃないのか。

きらきらを追い掛けると漫研の部室に辿り着く。
やっぱり。

僕は呼吸を整えた。
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