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幕間・晶のSNS
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「深見!さぁ、いいねを押してくれ!」
晶にそう迫られて僕は自分のスマートフォンを取り出した。晶のSNSはいわゆる親しい友達内だけ見られる限りなく狭い空間だ。
「晶、いいねを強要しないの。それに、せっかく可愛い写真が撮れたんだからちゃんと見させて?」
「すまない。ゆっくり見てほしい」
晶は最近、アクセサリー作りにハマっている。身に着けるなら自分の気に入ったものを使いたいという理由がきっかけのようだ。作ったアクセサリーを身に着けて自撮りをするのが楽しいらしい。晶は元々が可愛らしい子だ。写真からでもその可愛さがよく分かる。
「深見?どうだい?」
恐る恐るといった様子で晶が尋ねてくる。
「うん、可愛いよ。いいねもしたし、コメントも残したから後で読んで?」
「ありがとう!深見!」
晶が急にご機嫌になった。
「普通のえすえぬえすはお母様から止められていてね」
晶の両親は厳しいけど、それは晶を思ってのことだ。
「いいんじゃない?しなくても。今やってるやつで知り合いとはほとんど繋がってるんでしょ?」
「まぁその通りなんだけどね。そうだね、きっと僕はバズってみたいんだとおもうよ」
「あー、誰しも一度は憧れるやつか」
「でもえすえぬえすには、炎上というものがあるんだろう?僕は一応会社を持っているからね、迂闊なことは出来ないよ」
炎上はろくなことにならないからなぁ。
「深見はえすえぬえすをやっているのかい?」
「一応見る専でやってる。僕は基本的にいいねしか押さないから」
「深見らしいね」
「捨て垢で晶が作ったアクセサリーの写真投稿してみる?」
「え?」
晶、固まってるな。
「その代わり載せる写真は3枚だけ。2日経ったら垢は捨てる。どう?」
「そんなことが可能なのかい?」
「うん、出来るよ。待って、捨て垢つくるから」
「え!本気なのかい?」
晶があわあわしだした。アカウントを作るのはそんなに難しい話じゃない。僕は適当なアカウント名をつけた。ユーザー名はraikaにする。逆から読んだらakira、だからね。
「晶、お気に入りのアクセサリーあるんでしょう?着けておいで」
「分かった」
晶がお気に入りのアクセサリーたちを身に着けてくる。指輪に腕輪、ネックレスもある。全て晶が材料を購入して自作したものだ。
「か、顔も映るのかい?」
「ううん。映らないよ。アクセサリー紹介なんだし、アクセサリーが主役」
「そうか、僕は引き立て役というわけだね」
「晶、撮るよ」
僕はそれぞれのアクセサリーをスマートフォンでパチパチ写真を撮った。
ちょっと画面を明るく調整して、と。早速投稿してみよう。
僕は写真をSNSにタグを付けて投稿した。そうしたら次々に反応があった。
「晶、見て。反応が来たよ。アクセサリー可愛いって」
「すごいね!僕が作ったアクセサリーが褒められるなんて嬉しいよ」
「気持ちいいよねー、自己承認欲求が満たされると」
「脳のホルモンの仕業だね」
たった2日間だけのアカウントだったけど、晶は満足したようだった。
*
「深見!大変だよ!知り合いにアクセサリーを作って欲しいと頼まれたんだ」
「え、すごいじゃない。もしかして捨て垢の呟き、みていたのかな?」
「友人たちにはあのアカウントのことを伝えていたからね」
晶のアクセサリーの投稿にはいくつか知らない人からリプライも来ていた。可愛いとか、どこに売っているかというものだった。
僕はひたすらお礼を打ち込んだ。
「早速、アクセサリーの案を張り切って考えてみるよ!」
晶、楽しそうだな。
「深見、僕のえすえぬえす体験に付き合ってくれてありがとう」
晶に抱き着かれる。今日も晶は可愛いな。
おわり
晶にそう迫られて僕は自分のスマートフォンを取り出した。晶のSNSはいわゆる親しい友達内だけ見られる限りなく狭い空間だ。
「晶、いいねを強要しないの。それに、せっかく可愛い写真が撮れたんだからちゃんと見させて?」
「すまない。ゆっくり見てほしい」
晶は最近、アクセサリー作りにハマっている。身に着けるなら自分の気に入ったものを使いたいという理由がきっかけのようだ。作ったアクセサリーを身に着けて自撮りをするのが楽しいらしい。晶は元々が可愛らしい子だ。写真からでもその可愛さがよく分かる。
「深見?どうだい?」
恐る恐るといった様子で晶が尋ねてくる。
「うん、可愛いよ。いいねもしたし、コメントも残したから後で読んで?」
「ありがとう!深見!」
晶が急にご機嫌になった。
「普通のえすえぬえすはお母様から止められていてね」
晶の両親は厳しいけど、それは晶を思ってのことだ。
「いいんじゃない?しなくても。今やってるやつで知り合いとはほとんど繋がってるんでしょ?」
「まぁその通りなんだけどね。そうだね、きっと僕はバズってみたいんだとおもうよ」
「あー、誰しも一度は憧れるやつか」
「でもえすえぬえすには、炎上というものがあるんだろう?僕は一応会社を持っているからね、迂闊なことは出来ないよ」
炎上はろくなことにならないからなぁ。
「深見はえすえぬえすをやっているのかい?」
「一応見る専でやってる。僕は基本的にいいねしか押さないから」
「深見らしいね」
「捨て垢で晶が作ったアクセサリーの写真投稿してみる?」
「え?」
晶、固まってるな。
「その代わり載せる写真は3枚だけ。2日経ったら垢は捨てる。どう?」
「そんなことが可能なのかい?」
「うん、出来るよ。待って、捨て垢つくるから」
「え!本気なのかい?」
晶があわあわしだした。アカウントを作るのはそんなに難しい話じゃない。僕は適当なアカウント名をつけた。ユーザー名はraikaにする。逆から読んだらakira、だからね。
「晶、お気に入りのアクセサリーあるんでしょう?着けておいで」
「分かった」
晶がお気に入りのアクセサリーたちを身に着けてくる。指輪に腕輪、ネックレスもある。全て晶が材料を購入して自作したものだ。
「か、顔も映るのかい?」
「ううん。映らないよ。アクセサリー紹介なんだし、アクセサリーが主役」
「そうか、僕は引き立て役というわけだね」
「晶、撮るよ」
僕はそれぞれのアクセサリーをスマートフォンでパチパチ写真を撮った。
ちょっと画面を明るく調整して、と。早速投稿してみよう。
僕は写真をSNSにタグを付けて投稿した。そうしたら次々に反応があった。
「晶、見て。反応が来たよ。アクセサリー可愛いって」
「すごいね!僕が作ったアクセサリーが褒められるなんて嬉しいよ」
「気持ちいいよねー、自己承認欲求が満たされると」
「脳のホルモンの仕業だね」
たった2日間だけのアカウントだったけど、晶は満足したようだった。
*
「深見!大変だよ!知り合いにアクセサリーを作って欲しいと頼まれたんだ」
「え、すごいじゃない。もしかして捨て垢の呟き、みていたのかな?」
「友人たちにはあのアカウントのことを伝えていたからね」
晶のアクセサリーの投稿にはいくつか知らない人からリプライも来ていた。可愛いとか、どこに売っているかというものだった。
僕はひたすらお礼を打ち込んだ。
「早速、アクセサリーの案を張り切って考えてみるよ!」
晶、楽しそうだな。
「深見、僕のえすえぬえす体験に付き合ってくれてありがとう」
晶に抱き着かれる。今日も晶は可愛いな。
おわり
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