どうか、幸せになれますように

はやしかわともえ

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多次元世界①

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それから僕達はひっそりと付き合いだした。
その年の文化祭のミスコンでした、僕の女装が周りに妙にヒットしてしまい、新聞部のカレンダーに起用されるなんてこともあったっけ。
その撮影がどうしても嫌で、僕は千尋と逃げ出したんだ。

そしたら突然、僕達は何も知らない世界に行ってしまったんだ。
現代に帰れるのかどうかも分からない世界で、僕達は戸惑いながらも全力で闘った。

千尋は別次元でも優秀だった。
千尋はやっぱりすごいなぁ。

僕は不思議な力をここで入手していたのかな。多分そんな気がするんだよね。

初めて行った別次元での冒険は、僕達の絆をより強くしてくれたんだ。

気が付いたら僕達は校内の廊下に佇んでいて、普通にカレンダーの撮影が待っていた。

きっと別次元にいると、こちらでは時間が経たないのかもしれない、不思議だなあ。
結局、千尋まで女装に付き合わせることになっちゃったよ。
千尋は撮影楽しそうだったな。
カレンダーの売れ行きはまずまずだったらしくて、僕達はホッとしたんだよね。

いよいよ期末テストが終わって夏休みが始まった。
千尋はサッカー部の大会があったり、僕と某有名テーマパークでデートをしてくれた。
いっぱい遊んで楽しかったなぁ。

宿題も沢山出たから千尋やゆづくんと集まって進めたっけ。
新しいゲームソフトが発売されたりもして、僕はそのゲームにのめり込んだりもした。
ゲームの腕前がめきめきあがって、ある意味チートになったのもこの頃だ。
前までめちゃくちゃ下手だったから嬉しかったんだ。

秋にはゆづくん一家と千尋と一緒に星空を見にキャンプに行ったりした。
荷物を背負って、山道を登るのはかなりきつかった思い出がある。

そこで、僕達はUFOらしきなにかを見つけてしまったんだ。
本当に不思議な世界なんだよね、この世は。
みんな、当たり前に暮らしているけれど、この地球は宇宙空間にぽっかり浮かんだ惑星の一つなんだよ。
宇宙空間には空気もないし、危険なブラックホールだってある。
そんな不思議な世界に僕達は生きている。

ゆづくんが前に興奮気味にこう話してくれた。
確かにそう言われれば、この世界があるのは過去の人がすごく頑張ってくれたお陰なんだ。
改めて人間の凄さを実感する。

そう思うと、歴史好きとしてはなんだかドキドキしてしまうよね。
人間は、どこからきて、これからどこへ向かうのか。多分正しい答えなんてないんだろうな。

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