子猫はご主人様の膝の上で眠りたい

はやしかわともえ

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開始!!

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ケーキバイキングに来たのは千晶、真司を含めて五人だった。
もちろんその中には、林田もいる。

駅前にある時計台の前に待ち合わせて、一行は店に移動している。
4月半ばにもなれば風も暖かい。今日は特別気持ちが良かった。

「良い天気ねー」

「本当ですね。あ、今日はおすすめのケーキがあるんです。皆さんには是非食べて欲しくて」

「斉藤くん、気合い入ってるわね」

「どんなケーキなんですか?」

他の女性職員が千晶に尋ねる。

「苺のタルトと…あと」

真司はそっと千晶達の様子を見守っていた。

(千晶、よかった)

前までの千晶だったら考えられない。
自分から話しかけることもなかっただろう。だが今は違う。

「斉藤くん、すごいわね」

「元々千晶はこうゆうやつなんですよ」

「山下くんが彼に気が付いてあげられたからよ」

「そんな…」

林田は首を振る。

「山下くん、本当にありがとうね」

彼女にそう言われて、真司は頷いた。

ケーキバイキングの会場に着くといつも通り、女性陣らによるケーキの写真撮影から始まる。
千晶も当然それに加わっている。

「真司さん、今日は赤色が綺麗ですよ!見てください」


スマートフォンの画面を見せながら千晶が言う。
確かに千晶の言うとおり、赤色のケーキが目立つ。

「今日はベリー系のケーキが主役みたいですね!食べるのが楽しみです!」

目をキラキラさせて千晶が言う。毎回のことだが、千晶はケーキバイキングに来ると生き生きしている。

今日の千晶はドリアを頼んでいた。
真司はたらこのパスタを頼む。

「じゃあ俺、ケーキ持ってきますね!」

「あぁ」

千晶は両手に皿を持って現れた。皿にはたっぷりケーキが盛られている。
千晶の困ったような様子に真司は不審に思う。

「どうした?千晶」

「真司さん、予定が狂いました」

ますます何が起きたかわからない。
千晶がテーブルに皿を置いて席に着く。
そしてこう言った。

「チョコレートフォンデュが出来るみたいなんです」

「それは甘いもの好きな千晶としては食べないわけにはいかないよな?」

笑いながら真司が答えると千晶も笑った。

「ベルギー産のチョコレートをふんだんに使っているみたいなんです。
次に取ってきますね!」

頼んでいた料理が運ばれてきて、二人は食べ始めた。

千晶が持ってきてくれたケーキの一つはベリーソースがたっぷりかかったレアチーズケーキだ。真司はそれを一口食べる。

「ん…甘酸っぱくて美味いな」

「こっちのチョコレートケーキも美味しいです。やっぱり甘い物最強ですよね」

他のメンバーも思い思いに楽しんでいるようである。

(この調子なら夕方の部も楽しめそうだな)

真司はケーキを口に運びながらそっと思うのだった。
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