最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ

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おまけ

薄味が嫌いな旦那様

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それは魔王城でのお昼時の話だ。食事は毎日、執事であるパルカスさんが主として作ってくれている。今日は俺もお手伝いをした。献立は、カリッと焼いた少し固めのパンに、トマトがたっぷりのったコブサラダ、メインは大きなロールキャベツだった。ロールキャベツなんて、作るのにとにかく手間がかかるのに、パルカスさんは手早く鮮やかに作ってしまった。さすが敏腕執事さん。俺がしたのはほとんど味見だけだった。すごく美味しくてこれから食べるのが楽しみだ。完成した料理たちを黒色の足だけの使い魔さんたちがテーブルへ運んでくれる。この光景もすっかり見慣れたなぁ。ヒトってなんでも慣れるもんだな。

「皆様、お食事の仕度が出来ましたよ」

「あぁ」

お昼だけど、シャオはさっき起きたばかりだ。昨日仕事が立て込んで、夜眠るのが遅かったらしい。
今朝、俺が起きても全く気付いていなかったから、珍しいなと思っていた。シャオがあくびをしながら席に着く。エーくんたちもてくてくやって来て、椅子に座った。

「いたぁきます」

エーくんたちが手を合わせて食べ始める。それをシャオが楽しそうに見つめていた。小さな弟たちが本当に可愛くて仕方ないんだろうな。シャオのこうゆうところが、いつも好きだなって思う。優しいヒトなんだなって思うんだ。

「シャオ、俺たちも食べよ。午後もお仕事するんでしょ?」

「あぁ」

シャオにはまだ少し仕事が残っている。最近、シャオのお仕事を手伝ったりしているから、進捗を俺も知っていた。まあ俺が出来ることはわずかばかりの雑用なのだけど。それでもシャオの役には立てているようだから少しホッとする。
シャオがロールキャベツを上手にナイフで切り分けてフォークで口に運ぶ。やっぱりこういうところを見ると王族なんだなあって感心する。俺も真似をしてみたけど上手くできないから悔しい。

「んまいな」

こきゅっとシャオがロールキャベツを飲み込んで呟いた。

「美味しいね。このロールキャベツ」

「はー」

シャオが急に大きくため息をつくから、俺は驚いてしまった。

「シャオ?急にどうしたの?」

「いや、この間睡蓮に飯を作ってもらったら、減塩が大事だとか言われて、ものすごく薄い味のスープを食わされた。あれには参った」

「ああ。今、健康志向で流行っているよね。そんなに薄味だったの?」

「だしの味がかすかにしかしないんだ。俺はなにかの修行をしているのかと思った」

「ははは」

「笑い事じゃねえ。ましろは減塩なんて絶対にするなよ?俺はその後めちゃくちゃジャンキーなハンバーガーを食べた。つまりプラマイゼロだ。どうだ、ジャンキー万歳だ」

「もーシャオってば、なんで威張ってるの?睡蓮さんにそのこと知られたら怒られるよ」

「ましろ、頼む。黙っててくれ」

「はいはい」

俺はおかしくて笑ってしまった。可愛いな。シャオにじっと睨まれて慌てて目を反らす。
シャオが再び食事を始める。やっぱりこの人が好きだなあって俺は思うんだ。

おわり
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