9 / 51
1章【我が家に天使がやって来た】
※天使の破壊力
しおりを挟む
伯父上の部屋を後にしてヴィヴィを連れて団長に会いに行く事にした。
彼女が出歩く時には専属護衛となり騎士団の仕事を休む事になるのでその挨拶を兼ねて。
「うわぁーめっちゃ可愛いやん!」
予想通り最初に食い付いて来たのは団長のエリオスだった。
「ごきげんよう。騎士団長さま、騎士団の皆さま」
天使の笑顔で挨拶をするヴィヴィ。
その場に居合わせた厳つい団員達が破顔し目じりを下げ顔を赤らめている。
ーーーやめろ、気持ちが悪い。お前たちのそんな顔は見たくないーーー
「こんにちは、ヴィヴィアンちゃん。アクセルいいなぁ~こんな可愛い子と一緒に暮らしてるんだ」
「えっ!!!一緒に住まれているんですか!?副団長」
驚く団員達。
「ええ、義妹で婚約者殿ですからね。それで専属護衛の件で挨拶に寄らせて頂きました」
「ふ~ん。やっぱり専属護衛騎士になっちゃうのね。アクセルがいないと騎士団の人気が下がっちゃうなー」
「何を言ってるんだか。ヴィヴィが屋敷にいる間は勿論騎士団の仕事も訓練にも参加出来ますよ」
「そう出来れば良いけど。専属護衛って対象者にべったりじゃん」
「それは彼女が学院に通うようになったらの話でまだ三年も先の話じゃないですか!」
「それでもさぁ……」
「団長、私がいないのがそんなに寂しいんですか?」
「ふふ、ちょっとだけね」
エリオス団長がウィンクしてきたので思わず身震いしてしまった。
「そうですよ、副団長目当てで見に来ていた令嬢が減って俺たちも寂しいですでから」
「なんだ、カールお前の寂しいところはソコなのか?」
「だって、副団長を見に来ていて振り向いてもらえず、他の団員と付き合ったなんて多々ある話ですよ?」
「ん-。それなら何故お前はまだ独り身なんだ?」
「そ。それは……」
墓穴を掘ったカールを無視してマルスがヴィヴィの隣に陣取った。
「ヴィヴィアンちゃんこれ食べるかな。うちの姉が焼いたクッキーなんだけど」
団員最年少で団長の小間使いであるマルスがポケットから包みを取り出し広げる。
中身は一口サイズのクッキーだ。
「ありがとうございます。いただきます♪」
ヴィヴィの言葉にマルスがクッキーを一つ摘んで差し出したのを俺は取りあげヴィヴィの口元へ運んだ。
それを何の躊躇もなくパクっと口に入れサクサクと音を立てて食べている。
咀嚼する音さえ可愛いくて思わず口元が緩み微笑んでしまう。
「へぇ~アクセルってそんな顔をするんだ」
エリオスの言葉にハッと我に返り返事をせずに無視する事にした。
「可愛いですねー。僕姉ばかりで妹が欲しかったんです。あーんしてあげても良いですか?」
「おい、ヴィヴィアンちゃんは8歳でもれっきとした公爵令嬢でアクセルの婚約者だぞ」
「あわわっ、失礼しました!」
慌てて下げたマルスの頭をエリオスがぺしっと叩くとヴィヴィが口に手を当て笑った。
「ワァオ!笑い顔が天使♡」
エリオスが両手を組みヴィヴィを見つめる。
団員たちも揃ってデレッとしている。
「笑わなくても天使ですよ」
「あらま♡」
ーーオネエか!!!ーー
エリオスに揶揄われているのは分かっているがつい本音が出てしまう。
王子二人のような年の近い男子は苦手なようだが、大人に囲まれた生活をしているので、騎士団のような男たちは大丈夫らしい。
ヴィヴィは団長たちと打ち解けたみたいだが、あまりここへは連れて来ない様にしようと思った。
帰り道寄り道をして城下を散策する。
迷子になるといけないからと手を差し出すと「はい」と素直に繋がれる。
たまに母上と買い物に来ているらしく、我が家に来た頃から比べると人の多さに怯える事も無くなったようだ。
「楽しかったか?」
「はい。ヴィヴィは今までアクセルお兄様やお義父とか大人の人としかお喋りしたことが無いのでカミラさまはちょっと苦手だと思っちゃったけど、騎士団の人達は楽しかったです」
「カミラは人懐っこいから少し強引なところもあるが気にするな」
「はい」
気が付くと日が傾くころになり段々と空が茜色に染まっていく。
「疲れただろう、帰ろうか」
「はい、アクセル様」
天使の笑顔も夕日染まっている。
繋ぐ手に少しだけ力を込め馬車迄の道をヴィヴィの歩調に合わせゆっくりと歩いて行った。
____________________________________
※お読み下さりありがとうございます。
本日は夜にもう一話更新する予定でおりますのでよろしくお願い致します。
彼女が出歩く時には専属護衛となり騎士団の仕事を休む事になるのでその挨拶を兼ねて。
「うわぁーめっちゃ可愛いやん!」
予想通り最初に食い付いて来たのは団長のエリオスだった。
「ごきげんよう。騎士団長さま、騎士団の皆さま」
天使の笑顔で挨拶をするヴィヴィ。
その場に居合わせた厳つい団員達が破顔し目じりを下げ顔を赤らめている。
ーーーやめろ、気持ちが悪い。お前たちのそんな顔は見たくないーーー
「こんにちは、ヴィヴィアンちゃん。アクセルいいなぁ~こんな可愛い子と一緒に暮らしてるんだ」
「えっ!!!一緒に住まれているんですか!?副団長」
驚く団員達。
「ええ、義妹で婚約者殿ですからね。それで専属護衛の件で挨拶に寄らせて頂きました」
「ふ~ん。やっぱり専属護衛騎士になっちゃうのね。アクセルがいないと騎士団の人気が下がっちゃうなー」
「何を言ってるんだか。ヴィヴィが屋敷にいる間は勿論騎士団の仕事も訓練にも参加出来ますよ」
「そう出来れば良いけど。専属護衛って対象者にべったりじゃん」
「それは彼女が学院に通うようになったらの話でまだ三年も先の話じゃないですか!」
「それでもさぁ……」
「団長、私がいないのがそんなに寂しいんですか?」
「ふふ、ちょっとだけね」
エリオス団長がウィンクしてきたので思わず身震いしてしまった。
「そうですよ、副団長目当てで見に来ていた令嬢が減って俺たちも寂しいですでから」
「なんだ、カールお前の寂しいところはソコなのか?」
「だって、副団長を見に来ていて振り向いてもらえず、他の団員と付き合ったなんて多々ある話ですよ?」
「ん-。それなら何故お前はまだ独り身なんだ?」
「そ。それは……」
墓穴を掘ったカールを無視してマルスがヴィヴィの隣に陣取った。
「ヴィヴィアンちゃんこれ食べるかな。うちの姉が焼いたクッキーなんだけど」
団員最年少で団長の小間使いであるマルスがポケットから包みを取り出し広げる。
中身は一口サイズのクッキーだ。
「ありがとうございます。いただきます♪」
ヴィヴィの言葉にマルスがクッキーを一つ摘んで差し出したのを俺は取りあげヴィヴィの口元へ運んだ。
それを何の躊躇もなくパクっと口に入れサクサクと音を立てて食べている。
咀嚼する音さえ可愛いくて思わず口元が緩み微笑んでしまう。
「へぇ~アクセルってそんな顔をするんだ」
エリオスの言葉にハッと我に返り返事をせずに無視する事にした。
「可愛いですねー。僕姉ばかりで妹が欲しかったんです。あーんしてあげても良いですか?」
「おい、ヴィヴィアンちゃんは8歳でもれっきとした公爵令嬢でアクセルの婚約者だぞ」
「あわわっ、失礼しました!」
慌てて下げたマルスの頭をエリオスがぺしっと叩くとヴィヴィが口に手を当て笑った。
「ワァオ!笑い顔が天使♡」
エリオスが両手を組みヴィヴィを見つめる。
団員たちも揃ってデレッとしている。
「笑わなくても天使ですよ」
「あらま♡」
ーーオネエか!!!ーー
エリオスに揶揄われているのは分かっているがつい本音が出てしまう。
王子二人のような年の近い男子は苦手なようだが、大人に囲まれた生活をしているので、騎士団のような男たちは大丈夫らしい。
ヴィヴィは団長たちと打ち解けたみたいだが、あまりここへは連れて来ない様にしようと思った。
帰り道寄り道をして城下を散策する。
迷子になるといけないからと手を差し出すと「はい」と素直に繋がれる。
たまに母上と買い物に来ているらしく、我が家に来た頃から比べると人の多さに怯える事も無くなったようだ。
「楽しかったか?」
「はい。ヴィヴィは今までアクセルお兄様やお義父とか大人の人としかお喋りしたことが無いのでカミラさまはちょっと苦手だと思っちゃったけど、騎士団の人達は楽しかったです」
「カミラは人懐っこいから少し強引なところもあるが気にするな」
「はい」
気が付くと日が傾くころになり段々と空が茜色に染まっていく。
「疲れただろう、帰ろうか」
「はい、アクセル様」
天使の笑顔も夕日染まっている。
繋ぐ手に少しだけ力を込め馬車迄の道をヴィヴィの歩調に合わせゆっくりと歩いて行った。
____________________________________
※お読み下さりありがとうございます。
本日は夜にもう一話更新する予定でおりますのでよろしくお願い致します。
2
あなたにおすすめの小説
むにゃむにゃしてたら私にだけ冷たい幼馴染と結婚してました~お飾り妻のはずですが溺愛しすぎじゃないですか⁉~
景華
恋愛
「シリウス・カルバン……むにゃむにゃ……私と結婚、してぇ……むにゃむにゃ」
「……は?」
そんな寝言のせいで、すれ違っていた二人が結婚することに!?
精霊が作りし国ローザニア王国。
セレンシア・ピエラ伯爵令嬢には、国家機密扱いとなるほどの秘密があった。
【寝言の強制実行】。
彼女の寝言で発せられた言葉は絶対だ。
精霊の加護を持つ王太子ですらパシリに使ってしまうほどの強制力。
そしてそんな【寝言の強制実行】のせいで結婚してしまった相手は、彼女の幼馴染で公爵令息にして副騎士団長のシリウス・カルバン。
セレンシアを元々愛してしまったがゆえに彼女の前でだけクールに装ってしまうようになっていたシリウスは、この結婚を機に自分の本当の思いを素直に出していくことを決意し自分の思うがままに溺愛しはじめるが、セレンシアはそれを寝言のせいでおかしくなっているのだと勘違いをしたまま。
それどころか、自分の寝言のせいで結婚してしまっては申し訳ないからと、3年間白い結婚をして離縁しようとまで言い出す始末。
自分の思いを信じてもらえないシリウスは、彼女の【寝言の強制実行】の力を消し去るため、どこかにいるであろう魔法使いを探し出す──!!
大人になるにつれて離れてしまった心と身体の距離が少しずつ縮まって、絡まった糸が解けていく。
すれ違っていた二人の両片思い勘違い恋愛ファンタジー!!
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました
ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。
けれどその幸せは唐突に終わる。
両親が死んでから何もかもが変わってしまった。
叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。
今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。
どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥??
もう嫌ーー
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる
春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。
夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。
形のない愛は信じない。
でも、出来立ての肉は信じてしまう。
肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。
これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる