7 / 51
1章【我が家に天使がやって来た】
※どう見られているのか②
しおりを挟む
翌日、王城に上がると俺を見る周りの目が以前と違っている事に気付く。
騎士団の執務室に向かう途中が誰かがいきなり後ろから飛びついて来た。
「アクセルく~ん」
「エリオス団長痛いです。放してください」
エリオスは俺の上司で騎士団長でもあるが仏頂面の俺をいつも笑わせようとしてくるお調子者でもある。
「聞いたよー。昨日中庭で可愛いレディと逢瀬を楽しんでいたとか」
「逢瀬とはなんですか!話をしていただけですよ」
「そんなこと言って~大事そうに抱きかかえて歩いていたとの報告も上がってるんだからね。今まで女っ気がないのは男がいるからだったとういう説から幼児趣味ではないかなんて言われちゃってるよ~」
「はぁ。。。」やはりそう来るか。
呆れて物も言えないが思い出してみると、天使といた俺はきっと表情筋が緩んでいて彼らから見たら別物に思えたのかも知れない。そう思うと我ながら可笑しくなって口元が緩んでしまう。
「何~もしかして思い出し笑い?」
「何でもないです!あの子は義妹であり私の婚約者です」
「えっ、えっ、そうなの?君婚約したの?っていうかその何歳よ?」
「ええ。三日前に。ヴィヴィは8歳で私の一回り下ですよ。近い内に婚約発表します。モントレー公爵家の養女となりましたから私が専属護衛になると思いますので宜しくお願いします」
「えー、マジ!じゃ、騎士団は?」
「籍はそのままだそうですが、副団長代理を誰か立ててくれませんか?」
「やだー、そんなの面倒臭いじゃん」
「仕方ないですよ王命ですから」
エリオスはガックリと肩を落とし執務室に入っていく。
こんな調子だが仕事となると人が変わり鬼の団長となる。剣と馬の腕前は当然の事ながら、人望も厚く俺は尊敬している。
一方エリオスは必死で頭の中を整理していた。
ーーーあの、堅物美丈夫のアクセルが婚約?しかも昨日見たと聞いたのはまだ幼さが残る少女。
まさかの8歳で義妹でもあり婚約者だと!一体どういう事だ?ーーー
そしてその四日後、俺の婚約が公表されまた貴族たちの好奇心をそそる事になる。
王弟であるウェルズ大公と妻であるモントレー女公爵が養女にした令嬢と嫡子との婚約。
しかも令嬢はまだ8歳でアクセルとの年の差は12。
貴族の間ではその年の差はそう珍しくないが、行き遅れの令嬢が後妻に入るなどと云う場合が多い。後は国同士の政略結婚で幼い王女と婚約を結ぶとかだ。
そんな訳で暇な貴族たちの社交での格好の餌食となったのは言うまでもない。
婚約を公表し仕事でまた王都を離れる父を置いて、モントレー公爵家の屋敷へとヴィヴィと母上を連れて帰った。
馬車を降りるとトーマスを筆頭に使用人たちが玄関前に総出で並び小さな婚約者を迎えた。
「奥様、アクセル様お帰りなさいませ」
「トーマス、いつも屋敷を留守にしてばかりでごめんなさいね」
「とんでもございません奥様」
「今日から可愛い子が一人増えるのでよろしくね」
「はい。ヴィヴィアンお嬢様ようこそお出で下さいました。私は執事のトーマスと申します。ご婚約おめでとうございます。どうぞ末永くよろしくお願い致します」
「トーマスそんなに畏まるとヴィヴィが気後れしてしまうわよ」
「そ、そうでございますか」
執事頭のトーマスは汗をハンカチで拭い乍ら目尻を下げた。
「ヴィヴィアンお嬢様、私めの事は爺とお呼びくださいませ」
とヴィヴィに微笑みかける。
「じい……?」
ヴィヴィが首を傾げる。
ーーーおいおい、トーマス何時からお前は爺になったんだ?ーーー
ヴィヴィは俺の顔を見ている。
「好きに呼んだらいいよ」
と頭を撫でてあげると暫く考えトーマスの手をとって答えた。
「はい、じゃ。。。トマ爺ね、ヴィヴィアンです。どうぞよろしくおねがいします」
恥ずかしそうに微笑みぺこりと頭を下げた天使の笑顔にあのトーマスも心臓を射抜かれたようだ。
「トマ爺でございますか。ええ、ええ。それで結構です。宜しくお願い致します」
「おほほ、トマ爺。良いわ、ヴィヴィアンちゃんその呼び名(笑)」
母がトーマスの背中をバンバン叩いて笑い出したのでその場にいた全員が吹き出したのは言うまでもない。
「お話には聞いておりましたが本当に可愛らしいお嬢様ですね。お坊っ、、、いえアクセル様の仰る通り天使の様で御座います。わたくしはヴィヴィアンお嬢様のお世話をさせて頂きますマギーと申します。ささ、ご挨拶はまた後程、皆様居間の方にお茶とお菓子の用意をして御座いますのでどうぞ」
朝、屋敷を出るまで俺の事を坊ちゃま呼ばわりしてきたが、どうやらトーマスとマギーは二人で話し合いアクセル様と呼ぶと決めたらしい。
うん、正解だぞマギー。
「なぁ、マギーは婆と呼ばせないのか?」
揶揄うように言うと
「マギーとお呼びいただきます!」
と鬼のような形相で言われてしまった。はは、当然だな。
騎士団の執務室に向かう途中が誰かがいきなり後ろから飛びついて来た。
「アクセルく~ん」
「エリオス団長痛いです。放してください」
エリオスは俺の上司で騎士団長でもあるが仏頂面の俺をいつも笑わせようとしてくるお調子者でもある。
「聞いたよー。昨日中庭で可愛いレディと逢瀬を楽しんでいたとか」
「逢瀬とはなんですか!話をしていただけですよ」
「そんなこと言って~大事そうに抱きかかえて歩いていたとの報告も上がってるんだからね。今まで女っ気がないのは男がいるからだったとういう説から幼児趣味ではないかなんて言われちゃってるよ~」
「はぁ。。。」やはりそう来るか。
呆れて物も言えないが思い出してみると、天使といた俺はきっと表情筋が緩んでいて彼らから見たら別物に思えたのかも知れない。そう思うと我ながら可笑しくなって口元が緩んでしまう。
「何~もしかして思い出し笑い?」
「何でもないです!あの子は義妹であり私の婚約者です」
「えっ、えっ、そうなの?君婚約したの?っていうかその何歳よ?」
「ええ。三日前に。ヴィヴィは8歳で私の一回り下ですよ。近い内に婚約発表します。モントレー公爵家の養女となりましたから私が専属護衛になると思いますので宜しくお願いします」
「えー、マジ!じゃ、騎士団は?」
「籍はそのままだそうですが、副団長代理を誰か立ててくれませんか?」
「やだー、そんなの面倒臭いじゃん」
「仕方ないですよ王命ですから」
エリオスはガックリと肩を落とし執務室に入っていく。
こんな調子だが仕事となると人が変わり鬼の団長となる。剣と馬の腕前は当然の事ながら、人望も厚く俺は尊敬している。
一方エリオスは必死で頭の中を整理していた。
ーーーあの、堅物美丈夫のアクセルが婚約?しかも昨日見たと聞いたのはまだ幼さが残る少女。
まさかの8歳で義妹でもあり婚約者だと!一体どういう事だ?ーーー
そしてその四日後、俺の婚約が公表されまた貴族たちの好奇心をそそる事になる。
王弟であるウェルズ大公と妻であるモントレー女公爵が養女にした令嬢と嫡子との婚約。
しかも令嬢はまだ8歳でアクセルとの年の差は12。
貴族の間ではその年の差はそう珍しくないが、行き遅れの令嬢が後妻に入るなどと云う場合が多い。後は国同士の政略結婚で幼い王女と婚約を結ぶとかだ。
そんな訳で暇な貴族たちの社交での格好の餌食となったのは言うまでもない。
婚約を公表し仕事でまた王都を離れる父を置いて、モントレー公爵家の屋敷へとヴィヴィと母上を連れて帰った。
馬車を降りるとトーマスを筆頭に使用人たちが玄関前に総出で並び小さな婚約者を迎えた。
「奥様、アクセル様お帰りなさいませ」
「トーマス、いつも屋敷を留守にしてばかりでごめんなさいね」
「とんでもございません奥様」
「今日から可愛い子が一人増えるのでよろしくね」
「はい。ヴィヴィアンお嬢様ようこそお出で下さいました。私は執事のトーマスと申します。ご婚約おめでとうございます。どうぞ末永くよろしくお願い致します」
「トーマスそんなに畏まるとヴィヴィが気後れしてしまうわよ」
「そ、そうでございますか」
執事頭のトーマスは汗をハンカチで拭い乍ら目尻を下げた。
「ヴィヴィアンお嬢様、私めの事は爺とお呼びくださいませ」
とヴィヴィに微笑みかける。
「じい……?」
ヴィヴィが首を傾げる。
ーーーおいおい、トーマス何時からお前は爺になったんだ?ーーー
ヴィヴィは俺の顔を見ている。
「好きに呼んだらいいよ」
と頭を撫でてあげると暫く考えトーマスの手をとって答えた。
「はい、じゃ。。。トマ爺ね、ヴィヴィアンです。どうぞよろしくおねがいします」
恥ずかしそうに微笑みぺこりと頭を下げた天使の笑顔にあのトーマスも心臓を射抜かれたようだ。
「トマ爺でございますか。ええ、ええ。それで結構です。宜しくお願い致します」
「おほほ、トマ爺。良いわ、ヴィヴィアンちゃんその呼び名(笑)」
母がトーマスの背中をバンバン叩いて笑い出したのでその場にいた全員が吹き出したのは言うまでもない。
「お話には聞いておりましたが本当に可愛らしいお嬢様ですね。お坊っ、、、いえアクセル様の仰る通り天使の様で御座います。わたくしはヴィヴィアンお嬢様のお世話をさせて頂きますマギーと申します。ささ、ご挨拶はまた後程、皆様居間の方にお茶とお菓子の用意をして御座いますのでどうぞ」
朝、屋敷を出るまで俺の事を坊ちゃま呼ばわりしてきたが、どうやらトーマスとマギーは二人で話し合いアクセル様と呼ぶと決めたらしい。
うん、正解だぞマギー。
「なぁ、マギーは婆と呼ばせないのか?」
揶揄うように言うと
「マギーとお呼びいただきます!」
と鬼のような形相で言われてしまった。はは、当然だな。
2
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました
ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。
けれどその幸せは唐突に終わる。
両親が死んでから何もかもが変わってしまった。
叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。
今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。
どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥??
もう嫌ーー
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
むにゃむにゃしてたら私にだけ冷たい幼馴染と結婚してました~お飾り妻のはずですが溺愛しすぎじゃないですか⁉~
景華
恋愛
「シリウス・カルバン……むにゃむにゃ……私と結婚、してぇ……むにゃむにゃ」
「……は?」
そんな寝言のせいで、すれ違っていた二人が結婚することに!?
精霊が作りし国ローザニア王国。
セレンシア・ピエラ伯爵令嬢には、国家機密扱いとなるほどの秘密があった。
【寝言の強制実行】。
彼女の寝言で発せられた言葉は絶対だ。
精霊の加護を持つ王太子ですらパシリに使ってしまうほどの強制力。
そしてそんな【寝言の強制実行】のせいで結婚してしまった相手は、彼女の幼馴染で公爵令息にして副騎士団長のシリウス・カルバン。
セレンシアを元々愛してしまったがゆえに彼女の前でだけクールに装ってしまうようになっていたシリウスは、この結婚を機に自分の本当の思いを素直に出していくことを決意し自分の思うがままに溺愛しはじめるが、セレンシアはそれを寝言のせいでおかしくなっているのだと勘違いをしたまま。
それどころか、自分の寝言のせいで結婚してしまっては申し訳ないからと、3年間白い結婚をして離縁しようとまで言い出す始末。
自分の思いを信じてもらえないシリウスは、彼女の【寝言の強制実行】の力を消し去るため、どこかにいるであろう魔法使いを探し出す──!!
大人になるにつれて離れてしまった心と身体の距離が少しずつ縮まって、絡まった糸が解けていく。
すれ違っていた二人の両片思い勘違い恋愛ファンタジー!!
行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる
春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。
夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。
形のない愛は信じない。
でも、出来立ての肉は信じてしまう。
肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。
これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる