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最終章/二人でいる事
第53話 バージンロード
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母の夢を見てから2か月が過ぎた。
鬱陶しい梅雨が明けてHグランド藤堂Tokyo内のチャペル。
香織は純白のウェディングドレスを身に纏い伯父の義明とバージンロードを歩いている。
1歩1歩祭壇で待つ貴史に近づいて行く。そして父親代わりである義明から貴史へと繋がれる。
香織は貴史から差し出された手を取ると二人は微笑み合った。
娘と思う姪の香織を貴史に託し自分の席に着いた松ちゃんは涙を堪えきれず、二人が誓いの言葉を交わしている間 中間中男泣きをしていたのでした。
参列者には貴史の父の会社を継いだ叔父夫婦、母方の祖母。
香織の方は松山家の家族。
そしてSARAの愛すべき人々が。
最後列に目立たぬように藤堂会長、社長、日奈と遠野が二人の誓いのキスを見守り祝福した。
チャペルから出て来た二人をライスシャワーと花びらで参列者が迎えた。
「綺麗だよ、香織。結婚してくれてありがとう」
貴史の言葉に頬を染め言葉に出来ず目を伏せるといきなり抱き上げられて口づけられた。
周りの声に囃し立てられお姫様抱っこのままもう一度唇を合わせる。
出会いから6年後に入籍をして半年後に式を挙げた。
幸せに満ち溢れた二人の姿がそこにありました。
ブーケトスを受け取ったのは由美子でした。
そんな由美子の隣で照れ臭そうに笑う高村の姿が印象的で、誰かが指笛を鳴らすと由美子も高村の顔を見上げて微笑んだのでした。
ホテルの最上階のレストランでの披露宴には貴史の上司と部下たちも招待されています。
キャンドルサービスで各テーブルをまわる二人に声がかけられる。
「花嫁さん本当にお綺麗ですね」
「絵になりますね、お二人は」
「お幸せに」
「ぶちょーお幸せに―」
「貴ちゃん、香織ちゃんのこと頼むよー」
「かおちゃん素敵♪」
「香、いつでも戻って来て良いんだからな」
「こらっ、ダメでしょ!」
披露宴でも泣き通しの松ちゃんは春子ママにハンカチを渡されながら叱られている。
出席者に祝福を受ける二人の陰で担当した森山も満足そうに見守っていたのでした。
祝ってくれたすべての人に感謝をし見送るとその夜はそのままホテルに宿泊します。
勿論部屋はスイートルーム。
「貴史さん」
「どうした、香織?」
貴史は彼女を引き寄せ膝の上に座らせる。
「さっき、言えなかったんだけど」
「ん?」
香織は貴史の首に両腕を回してはにかみながら言った。
「あたしを選んでくれてありがとう・・・愛してます」
貴史は一瞬固まり、力強く抱きしめてきた。
「香(かお)愛してる。どんなことがあっても守るからずっと一緒にいて欲しい」
見つめ合う貴史の瞳には光るもので揺れていました。
「はい」
「良い返事だね」と微笑むと口づけを交わしそのまま可愛い妻を抱き上げベッドへと運ぶのでした。
◆◆◆◆
そしてお盆休み、二人は貴史が学生時代に留学をしたイギリス、そしてヨーロッパの国々を巡るハネムーンへと旅立っていきました。
10日間のハネムーン中、唯一香織の心配事は店のお花たち。その花たちの世話はJK達が予備校等の合間に担当してくれることになりました。
「かおちゃんたち今どこの国だろうね」
真理、未来、ちひろの3人は水遣りを終え真夏の青空を見上げながら想いを馳せていたのでした。
◆◆◆◆◆◆◆遥◆
最後までお読み頂きありがとうございました。
二人のウェディングで一応ハッピーエンドとなりますが、ラブラブな二人とSARAの常連たちのその後も引き続き書けたらと思っていますので、お目に留まりましたら宜しくお願い致します。
鬱陶しい梅雨が明けてHグランド藤堂Tokyo内のチャペル。
香織は純白のウェディングドレスを身に纏い伯父の義明とバージンロードを歩いている。
1歩1歩祭壇で待つ貴史に近づいて行く。そして父親代わりである義明から貴史へと繋がれる。
香織は貴史から差し出された手を取ると二人は微笑み合った。
娘と思う姪の香織を貴史に託し自分の席に着いた松ちゃんは涙を堪えきれず、二人が誓いの言葉を交わしている間 中間中男泣きをしていたのでした。
参列者には貴史の父の会社を継いだ叔父夫婦、母方の祖母。
香織の方は松山家の家族。
そしてSARAの愛すべき人々が。
最後列に目立たぬように藤堂会長、社長、日奈と遠野が二人の誓いのキスを見守り祝福した。
チャペルから出て来た二人をライスシャワーと花びらで参列者が迎えた。
「綺麗だよ、香織。結婚してくれてありがとう」
貴史の言葉に頬を染め言葉に出来ず目を伏せるといきなり抱き上げられて口づけられた。
周りの声に囃し立てられお姫様抱っこのままもう一度唇を合わせる。
出会いから6年後に入籍をして半年後に式を挙げた。
幸せに満ち溢れた二人の姿がそこにありました。
ブーケトスを受け取ったのは由美子でした。
そんな由美子の隣で照れ臭そうに笑う高村の姿が印象的で、誰かが指笛を鳴らすと由美子も高村の顔を見上げて微笑んだのでした。
ホテルの最上階のレストランでの披露宴には貴史の上司と部下たちも招待されています。
キャンドルサービスで各テーブルをまわる二人に声がかけられる。
「花嫁さん本当にお綺麗ですね」
「絵になりますね、お二人は」
「お幸せに」
「ぶちょーお幸せに―」
「貴ちゃん、香織ちゃんのこと頼むよー」
「かおちゃん素敵♪」
「香、いつでも戻って来て良いんだからな」
「こらっ、ダメでしょ!」
披露宴でも泣き通しの松ちゃんは春子ママにハンカチを渡されながら叱られている。
出席者に祝福を受ける二人の陰で担当した森山も満足そうに見守っていたのでした。
祝ってくれたすべての人に感謝をし見送るとその夜はそのままホテルに宿泊します。
勿論部屋はスイートルーム。
「貴史さん」
「どうした、香織?」
貴史は彼女を引き寄せ膝の上に座らせる。
「さっき、言えなかったんだけど」
「ん?」
香織は貴史の首に両腕を回してはにかみながら言った。
「あたしを選んでくれてありがとう・・・愛してます」
貴史は一瞬固まり、力強く抱きしめてきた。
「香(かお)愛してる。どんなことがあっても守るからずっと一緒にいて欲しい」
見つめ合う貴史の瞳には光るもので揺れていました。
「はい」
「良い返事だね」と微笑むと口づけを交わしそのまま可愛い妻を抱き上げベッドへと運ぶのでした。
◆◆◆◆
そしてお盆休み、二人は貴史が学生時代に留学をしたイギリス、そしてヨーロッパの国々を巡るハネムーンへと旅立っていきました。
10日間のハネムーン中、唯一香織の心配事は店のお花たち。その花たちの世話はJK達が予備校等の合間に担当してくれることになりました。
「かおちゃんたち今どこの国だろうね」
真理、未来、ちひろの3人は水遣りを終え真夏の青空を見上げながら想いを馳せていたのでした。
◆◆◆◆◆◆◆遥◆
最後までお読み頂きありがとうございました。
二人のウェディングで一応ハッピーエンドとなりますが、ラブラブな二人とSARAの常連たちのその後も引き続き書けたらと思っていますので、お目に留まりましたら宜しくお願い致します。
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