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°˖✧閑話✧˖°(そのうちこそっと見直し修正します)
元の世界での正しい謝罪の方法を教えて差し上げます③
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さて失礼千万な台詞を背中に受けたカレンは、聞かなかったことにして自室に戻ろうと思った。……そう、一度は思ったのだ。相手にしたら負けだと。
でもあまりの発言に、気付けば振り返っていた。
そこでまず最初に視界に入ったのはヘラヘラと笑う騎士の姿。すぐにこれが発言者だとわかった。
次いで、相方の失態のフォローを放棄して、片手で顔を覆うこれまた騎士の姿。
そして最後に、この失言を諫めることをしない役立たずな聖皇帝。
カレンはそれらを順番に見つめ、結局、最初に緩んだ口元を更に緩ませる、馬鹿騎士に向かって口を開く。
「あのさぁ、今、何て言った?」
このぞっとする程低いカレンの声音で、ヴァーリはようやっと自分が失態を犯したことに気付いた。
そして、馬鹿正直に答えるのも言い訳をこくのも、命を差し出すのと同等だということを直感で感じたヴァーリは賢くも口を噤んだ。
けれど、時すでに遅し。
現在、ヴァーリの命は、カレンの手中にある。
先ほど説明した通り、ここはアルビスの執務室。もう少し補足すると、以前、ルシフォーネから去勢を進められた場所でもある。
そんなある意味いわくつきの場所でもあるけれど、執務室である事は変わりがない。
なのでアルビスとシダナは、ヴァーリがどれだけカレンに謝罪の言葉を紡いでいても黙々と淡々と、粛々と書類を捌いている。
「陛下、春祭りの予算案をまとめましたので、ご確認を」
「わかった。あと、今日の議会でセリオスが提案した特別減税の対象領地をすぐ抜き出してくれ」
「かしこまりました。では、それと同時に納税が芳しくない領地も合わせて報告いたします」
「ああ、急ぎ頼む」
「了解です。本日夕刻には報告致します」
ちなみにこのアルビスとシダナの会話は、全てアイコンタクトで行われている。カレンの邪魔にならない為に。
本当なら、宮殿の廊下でヴァーリに死ねと命じるはずだったカレンを、この執務室に移動させたのは他でもないアルビスなのだ。
無論、激しい耳鳴りよりも不快なアルビスのこの提案にカレンは最初は頷かなかった。けれど「執務室でなら、何をしても良い」というアルビスの言葉により、嫌々ながらもここにいるのである。
だからこの部屋の持ち主であり、この帝国の法であり秩序であるはずのアルビスは必死に自分の存在を消して、政務に励んでいたりする。
ただ時折、ヴァーリから縋るような眼差しを受けてはいるけれど、もちろん気付かないふりをしている。
シダナも徹底して、無視をしている。その華麗な無視っぷりは、良心など少しも痛んでいないようだ。
シダナはヴァーリより頭が良い。カレンに食えないヤツと言わしめるほど、ずる賢い一面を持つ。
だから一度でも、カレンとヴァーリの間に入ってしまえば、とばっちりを喰らうのは間違いないことを知っている。そんな愚かな行為を、この男が好んでするはずもない。
シダナはヴァーリと同様に、アルビスの側近兼護衛である。
そして事務処理が苦手なヴァーリに代わって、アルビスの右腕として政務の補佐をしている。とても忙しい身なのだ。
彼の机の上には、ちょっとの振動でも雪崩が起きてしまう程の書類の山。これは今日のシダナのノルマでもある。
アルビスの机も同じように、書類の山脈ができている。これも同じく今日のノルマ。
だからせっせと書類を捌く二人は、また懲りずに救いの手を求めてくる脳筋騎士の視線を感じた途端、手にしていたそれをそっと持ち上げて拒絶の意を示したのだった。
でもあまりの発言に、気付けば振り返っていた。
そこでまず最初に視界に入ったのはヘラヘラと笑う騎士の姿。すぐにこれが発言者だとわかった。
次いで、相方の失態のフォローを放棄して、片手で顔を覆うこれまた騎士の姿。
そして最後に、この失言を諫めることをしない役立たずな聖皇帝。
カレンはそれらを順番に見つめ、結局、最初に緩んだ口元を更に緩ませる、馬鹿騎士に向かって口を開く。
「あのさぁ、今、何て言った?」
このぞっとする程低いカレンの声音で、ヴァーリはようやっと自分が失態を犯したことに気付いた。
そして、馬鹿正直に答えるのも言い訳をこくのも、命を差し出すのと同等だということを直感で感じたヴァーリは賢くも口を噤んだ。
けれど、時すでに遅し。
現在、ヴァーリの命は、カレンの手中にある。
先ほど説明した通り、ここはアルビスの執務室。もう少し補足すると、以前、ルシフォーネから去勢を進められた場所でもある。
そんなある意味いわくつきの場所でもあるけれど、執務室である事は変わりがない。
なのでアルビスとシダナは、ヴァーリがどれだけカレンに謝罪の言葉を紡いでいても黙々と淡々と、粛々と書類を捌いている。
「陛下、春祭りの予算案をまとめましたので、ご確認を」
「わかった。あと、今日の議会でセリオスが提案した特別減税の対象領地をすぐ抜き出してくれ」
「かしこまりました。では、それと同時に納税が芳しくない領地も合わせて報告いたします」
「ああ、急ぎ頼む」
「了解です。本日夕刻には報告致します」
ちなみにこのアルビスとシダナの会話は、全てアイコンタクトで行われている。カレンの邪魔にならない為に。
本当なら、宮殿の廊下でヴァーリに死ねと命じるはずだったカレンを、この執務室に移動させたのは他でもないアルビスなのだ。
無論、激しい耳鳴りよりも不快なアルビスのこの提案にカレンは最初は頷かなかった。けれど「執務室でなら、何をしても良い」というアルビスの言葉により、嫌々ながらもここにいるのである。
だからこの部屋の持ち主であり、この帝国の法であり秩序であるはずのアルビスは必死に自分の存在を消して、政務に励んでいたりする。
ただ時折、ヴァーリから縋るような眼差しを受けてはいるけれど、もちろん気付かないふりをしている。
シダナも徹底して、無視をしている。その華麗な無視っぷりは、良心など少しも痛んでいないようだ。
シダナはヴァーリより頭が良い。カレンに食えないヤツと言わしめるほど、ずる賢い一面を持つ。
だから一度でも、カレンとヴァーリの間に入ってしまえば、とばっちりを喰らうのは間違いないことを知っている。そんな愚かな行為を、この男が好んでするはずもない。
シダナはヴァーリと同様に、アルビスの側近兼護衛である。
そして事務処理が苦手なヴァーリに代わって、アルビスの右腕として政務の補佐をしている。とても忙しい身なのだ。
彼の机の上には、ちょっとの振動でも雪崩が起きてしまう程の書類の山。これは今日のシダナのノルマでもある。
アルビスの机も同じように、書類の山脈ができている。これも同じく今日のノルマ。
だからせっせと書類を捌く二人は、また懲りずに救いの手を求めてくる脳筋騎士の視線を感じた途端、手にしていたそれをそっと持ち上げて拒絶の意を示したのだった。
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