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【夜の治験 中級編】 メイドは見た。ご主人様のアレを
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サク、サク、と歩くたびに音が鳴る。時々、モキュっという音もするけれどその違いはわからない。
─── サク、サク……モキュ……サク、サク。
一面銀世界になった森の中は、しんと静まり返っていて、ファルナの足音だけがやけに大きく響いている。
ファルナがグリジットのメイドになって、2ヶ月が過ぎようとしていた。
そして2ヶ月も時間が経てば、女性だけが持つ、月のものも当然ながらやってくる。
両親が亡くなり、推定親せき達に財産を根こそぎ奪われ、ひょんなことからお医者様のメイドになったファルナの元にも当然ながらそれはやって来た。
しかし災難続きのファルナは、すっかり周期が乱れていたせいでお迎えした月のものは大変重かった。
グリジットは医者だ。いかがわしい薬を開発しているとはいえ、顔色を見ればファルナの具合が悪いことにすぐ気づく。
そして問いただせば言いにくそうに、でも恥ずかしがって的を得ない説明をするファルナを目にすれば全てを聞かなくてもそりゃあピンとくる。
その結果、ファルナは月のものが終わるまで、全てのお仕事が免除になった。
(うん、それは有難かったんだけど……ね)
サクサク雪を踏みながら、森の中を歩くファルナは月のものを迎えている最中のことを思い出して苦笑する。
給与天引きされることなくお仕事を休ませてもらっただけでも感謝感激だというのに、グリジットは手料理まで自分に与えてくれ、身体を暖めるお茶や、痛みを和らげる高価な薬膳茶まで飲ませてくれた。
大盤振る舞いとはまさにことのこと。言葉を選ばなければ、超が付くほどの過保護。
そんなふうに優しすぎるグリジットに、若干引いてしまう部分はあるが、くすぐったいくらい嬉しかったことも素直な気持ち。
ただ、その優しさは夜のお薬を開発するお手伝いをしているという信頼関係からくるもの。それ以外の感情は一切含まれていないことは、ファルナはグリジットに聞かなくてもわかっている。そして、言葉として聞きたくはない。
(……良いんだもん、別に)
両親が死んで、屋敷を放り出されて、空腹で寂しくて辛い自分に、グリジットは居心地の良い場所と人の温もりを与えてくれた。それだけで十分だ。
この世に絶対も永遠もない事を身を持って知っているファルナは、多くのものを望んだりはしない。今あるものをだけを、失わないようにすることが一番だと考えている。
そんなふうに謙虚な考えでいるファルナは、月のものはとっくに終わっている。
しかしグリジットに「終わりましたので、夜のお手伝いはいつでもできます」とは面と向かって言いにくい。
だから、きっかけを探そうと森に出てみた。
しかし、ここでとある人と望まぬ邂逅をしてしまう。
─── サク、サク……モキュ……サク、サク。
一面銀世界になった森の中は、しんと静まり返っていて、ファルナの足音だけがやけに大きく響いている。
ファルナがグリジットのメイドになって、2ヶ月が過ぎようとしていた。
そして2ヶ月も時間が経てば、女性だけが持つ、月のものも当然ながらやってくる。
両親が亡くなり、推定親せき達に財産を根こそぎ奪われ、ひょんなことからお医者様のメイドになったファルナの元にも当然ながらそれはやって来た。
しかし災難続きのファルナは、すっかり周期が乱れていたせいでお迎えした月のものは大変重かった。
グリジットは医者だ。いかがわしい薬を開発しているとはいえ、顔色を見ればファルナの具合が悪いことにすぐ気づく。
そして問いただせば言いにくそうに、でも恥ずかしがって的を得ない説明をするファルナを目にすれば全てを聞かなくてもそりゃあピンとくる。
その結果、ファルナは月のものが終わるまで、全てのお仕事が免除になった。
(うん、それは有難かったんだけど……ね)
サクサク雪を踏みながら、森の中を歩くファルナは月のものを迎えている最中のことを思い出して苦笑する。
給与天引きされることなくお仕事を休ませてもらっただけでも感謝感激だというのに、グリジットは手料理まで自分に与えてくれ、身体を暖めるお茶や、痛みを和らげる高価な薬膳茶まで飲ませてくれた。
大盤振る舞いとはまさにことのこと。言葉を選ばなければ、超が付くほどの過保護。
そんなふうに優しすぎるグリジットに、若干引いてしまう部分はあるが、くすぐったいくらい嬉しかったことも素直な気持ち。
ただ、その優しさは夜のお薬を開発するお手伝いをしているという信頼関係からくるもの。それ以外の感情は一切含まれていないことは、ファルナはグリジットに聞かなくてもわかっている。そして、言葉として聞きたくはない。
(……良いんだもん、別に)
両親が死んで、屋敷を放り出されて、空腹で寂しくて辛い自分に、グリジットは居心地の良い場所と人の温もりを与えてくれた。それだけで十分だ。
この世に絶対も永遠もない事を身を持って知っているファルナは、多くのものを望んだりはしない。今あるものをだけを、失わないようにすることが一番だと考えている。
そんなふうに謙虚な考えでいるファルナは、月のものはとっくに終わっている。
しかしグリジットに「終わりましたので、夜のお手伝いはいつでもできます」とは面と向かって言いにくい。
だから、きっかけを探そうと森に出てみた。
しかし、ここでとある人と望まぬ邂逅をしてしまう。
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