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【夜の治験 中級編】 メイドは見た。ご主人様のアレを
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ロガートを止めたのはグリジットだった。
でもファルナは、安堵の息を吐くよりも前に、突然知らない人が現れたかのような顔をしてしまった。
それほどまでに、グリジットは別人のように恐ろしい表情を浮かべていた。
「自分より弱いものに何をしているんだ。恥を知れ」
グリジットはファルナの視線を無視して大股で近づくと、ロガートの腕を掴む。そして力任せにファルナから手を引き剝がした。
当然ながら、横槍を入れられたロガートは苛立ちを露わにする。
「なんなんだよ、お前っ。俺たちは話し合っているだけだ。邪魔をするな」
「はっ、いつからこの国は嫌がっている女性の腕を無理矢理掴んで、一方的な言葉を浴びせることを話し合いを言うようになったんだ?たった数年でふざけた世の中になったもんだ」
まるで自分が国を治めていたかのようなグリジットの口ぶりに、ロガートは眉間に皺を寄せた。
対してグリジットは長い前髪をかき上げ、汚物を見るような視線を向けるだけ。
ちなみにファルナは、現在グリジットの背に庇われている状態なので、二人の表情を伺い見ることはできない。
「……まったく、こんなことなら暴悪行為を取り締まる厳しい法でも作っておけばよかった」
グリジットは心底うんざりした表情を作って、ため息交じりに白衣のポケットに手を入れた。そしてすぐにそこから手を抜くと、ロガートの目の前に手のひらを突き出した。
当然ながらグリジットの意味不明な行動に、ロガートは訝しそうな表情になる。
「は?あんた何を言って───……あ、……あれ?僕は……何を」
グリジットに対して今にも嚙みつかんばかりの態度を取っていたロガートは、突如として視線をさ迷わす。
「さあ、知らん。だが、その恰好を見るに、どうやら狩りの途中のようだが?」
「……狩り?……え……ああ、そうだ。俺は狩りを……」
うわ言のように呟くロガートに、グリジットは冷たい目を向ける。
「狩りでも何でも構わないが、ここは私有地だ。通報されたくなければ、さっさと出て行け」
そう言った相手は医者で、言われた側は伯爵家の嫡男。
身分からしたらロガートの方が上なのだが、なぜか名も知らぬ医者に威圧されてしまった。
そして、今すぐにでもここを去らないといけないという訳のわからない使命感に駆られたロガートは、こくこくと無言で頷くと慌てて背を向け走り出した。
(……え?な、なにが起こったの??)
ずっとグリジットの背後にいたファルナは、ロガートが急に態度を変えたことに目を白黒させる。
そして首を傾げなら、みるみるうちに小さくなっていく元婚約者の後ろ姿を目で追っていたら───
「ファルナ、怪我は無いか?」
耳になじんだ優しい声音でグリジットに問いかけられ、ファルナは壊れた玩具のように何度も小さくうなずいた。
「あ、はい。大丈夫で」
「行くぞ」
最後の【す】まで言い終えないまま、グリジットはファルナの手を取って歩き出してしまった。
見上げた彼の横顔は、とても不機嫌そうだった。
でもファルナは、安堵の息を吐くよりも前に、突然知らない人が現れたかのような顔をしてしまった。
それほどまでに、グリジットは別人のように恐ろしい表情を浮かべていた。
「自分より弱いものに何をしているんだ。恥を知れ」
グリジットはファルナの視線を無視して大股で近づくと、ロガートの腕を掴む。そして力任せにファルナから手を引き剝がした。
当然ながら、横槍を入れられたロガートは苛立ちを露わにする。
「なんなんだよ、お前っ。俺たちは話し合っているだけだ。邪魔をするな」
「はっ、いつからこの国は嫌がっている女性の腕を無理矢理掴んで、一方的な言葉を浴びせることを話し合いを言うようになったんだ?たった数年でふざけた世の中になったもんだ」
まるで自分が国を治めていたかのようなグリジットの口ぶりに、ロガートは眉間に皺を寄せた。
対してグリジットは長い前髪をかき上げ、汚物を見るような視線を向けるだけ。
ちなみにファルナは、現在グリジットの背に庇われている状態なので、二人の表情を伺い見ることはできない。
「……まったく、こんなことなら暴悪行為を取り締まる厳しい法でも作っておけばよかった」
グリジットは心底うんざりした表情を作って、ため息交じりに白衣のポケットに手を入れた。そしてすぐにそこから手を抜くと、ロガートの目の前に手のひらを突き出した。
当然ながらグリジットの意味不明な行動に、ロガートは訝しそうな表情になる。
「は?あんた何を言って───……あ、……あれ?僕は……何を」
グリジットに対して今にも嚙みつかんばかりの態度を取っていたロガートは、突如として視線をさ迷わす。
「さあ、知らん。だが、その恰好を見るに、どうやら狩りの途中のようだが?」
「……狩り?……え……ああ、そうだ。俺は狩りを……」
うわ言のように呟くロガートに、グリジットは冷たい目を向ける。
「狩りでも何でも構わないが、ここは私有地だ。通報されたくなければ、さっさと出て行け」
そう言った相手は医者で、言われた側は伯爵家の嫡男。
身分からしたらロガートの方が上なのだが、なぜか名も知らぬ医者に威圧されてしまった。
そして、今すぐにでもここを去らないといけないという訳のわからない使命感に駆られたロガートは、こくこくと無言で頷くと慌てて背を向け走り出した。
(……え?な、なにが起こったの??)
ずっとグリジットの背後にいたファルナは、ロガートが急に態度を変えたことに目を白黒させる。
そして首を傾げなら、みるみるうちに小さくなっていく元婚約者の後ろ姿を目で追っていたら───
「ファルナ、怪我は無いか?」
耳になじんだ優しい声音でグリジットに問いかけられ、ファルナは壊れた玩具のように何度も小さくうなずいた。
「あ、はい。大丈夫で」
「行くぞ」
最後の【す】まで言い終えないまま、グリジットはファルナの手を取って歩き出してしまった。
見上げた彼の横顔は、とても不機嫌そうだった。
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