稀代の悪女は死してなお

朔雲みう (さくもみう)

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後編

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「めでたく、また首をはねられてしまったわ」


 稀代きたいの悪女はため息をつく。

 それを見た神も同じようにため息をついた。


「悪行を重ね殺されてしまうとは、これで一体何度目だと思っておるのか」

「あら、私は死んでなんかいなくてよ。私がいなくなってからも、私の名と悪行はいつまでも語られているのではなくて?」

「あれだけのことをしたのだ、当然であろう」


 ほほほほ、と、悪女は華やかに笑った。


「一度は改心して、聖女として名をとどろかせたこともあったではないか」

「……あれは本当につまらない人生だったわ」


 悪女は退屈そうに言う。


「善行を積んだ私を聖女と呼び、民はたしかに感謝してくれたわ。でも……」

 
 遠い過去を思い出しているのだろう、そこで少し間を置いた。

 
「平和に慣れた民は、すぐに私のことなどしまった。それどころか、私が一度ぼろを出しただけで手のひらを返したように、私を悪女とののしった。それまでの善行なんて、まるでなかったかのようにね」


 黙する神を見て、悪女は口の端を引き上げる。


「さて、次はどんな悪事を働いてみなを困らせてやろうかしら」

「そなたは懲りずに、またそんなことを……」

「あら、その方がみんな生き生きしていて、なのよ?」


 うっとりとする悪女を、神はただ静かに見据える。

 そなたを真っ当な統治者にしてやるぞと啖呵をきった手前、もう後には引けなかった。


「ねえ、早くしてくださらない?」


 神は大仰にため息を落とす。

 次こそはと思いながら、この悪女を世に送り出すのだった――


 ~おしまい~
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感想 2

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みんなの感想(2件)

姿三四郎アルファ
ネタバレ含む
解除
神々廻
2021.03.01 神々廻

今回も面白かったです!!

2021.03.01 朔雲みう (さくもみう)

今作も読んでいただき、ありがとうございます……!\(^o^)/

楽しんでいただけて、よかったです♪

解除

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