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第一章 神からの失墜
ゴンザと愛のストーカー
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「遅えと思って来てみるとよお。なんか楽しそうじゃねえか。どうした、早くしろ」
プーアの寝室にいつの間にか入って来ていたようだ。入り口を塞ぐようにして、ゴンザが立っていた。
「ゴンザ……」
ゴンザはまた憎たらしく笑った。そして、彼は言い放った。
「お前にはできねえようだな、レンガイ。まあいい、ここでお前らを殺してやらあ」
ゴンザは指をボキボキと鳴らす。その目には、殺意が込められていた。それを感じ取ったレンガイは腰を抜かしそうになった。
「ちょっと待ちなさいよ。レンガイのアホは死のうがどうでもいいわ。でも、ここでアタシ達を殺したら、アナタも神殺しとして議会を追放されるんじゃないかしら」
プーアは何気なくゴンザに問いかけた。ゴンザは少し考える素振りをみせて
「そんなもん、揉み消すに決まってんだろ。プーア、お前とは昔からの付き合いだから、俺がどんなヤツかは知ってるだろうよ」
「そうね。アナタは口で言っても聞かないバカ野郎だったわね。でも、不可解な点があるのよ。一匹狼だったアナタが、どうしてお偉いさんの飼い犬になってるのかしら」
レンガイはゴンザを恐る恐る見た。ゴンザはプーアの発言が頭に来たらしく、怒りをあらわにしている。拳を強く握り、今すぐにでも殴りかかりそうだった。事態の大変さを理解していないのだろうか、饒舌にゴンザを煽るプーアを今すぐに止めなくては、そう思い、レンガイはプーアに声を掛けようとした。だが、その前にレンガイはプーアのクセが目に入ってきた。
「プーアちゃん……もう、何も言っちゃダメだ……」
プーアは貧乏ゆすりを、いや、それを通り越してかなり小刻みに震えていた。プーアは恐怖を感じている。ゴンザに対する恐怖に耐えようと懸命に闘っているプーアの姿を見て、レンガイは深い闇に突き落とされたような感覚を覚えた。
「ハッ、お嬢様も勇者様も戦意喪失か。それにしても大変だなあ、プーア。どんな気持ちなんだ? 身に覚えのない罪を被せられ、邪神に成り下がり、今まさに命を絶つ。それもお前の大ッ嫌いなヘタレ野郎と一緒にな」
「いい加減に……しろ!!」
レンガイは近くにあったイスを蹴った。そして、ゴンザを強く睨みつける。プーアは、ベッドの上でうずくまっていた。
「ははは、睨むんじゃねえよ。ビビってるのは伝わるぞ。かっこわりいなあ、おい」
「ああ、僕はビビリさ。で、でも、それが何だって言うんだよ。僕は……どうでもいいことで悩んでいたみたいだ。僕はちっぽけな神だ。それでも神として、多くの世界を管理するようになるとどうしてかな不必要なプライドやらが湧き出て来る。上からの命令に従わないことでそれを全て奪われるのが怖かったんだ。で、でも、僕は……僕の本当に必要なものはそんなものじゃないってことが、今分かったんだよ」
ゴンザは思わず吹き出してしまった。
「面白えやつだなあ、おい。それがプーアだって言うんだろ? そんなクセえセリフ……まあお前にはお似合いだな。だから何だって話だが……じゃあ、その小娘をお前は守れるのか」
レンガイはプーアに手を差し伸べ、ベッドからおろした。レンガイの隣に立つプーアの手を強く握る。
「別に、ここを脱出するだけならお前なんて倒さなくてもいいんだよ」
「ああ?」
「君は言った。『お前の気持ち悪い性格のことだ。プーアの家の構造も何もかも把握してんだろ?』と。それは正解だ。俺は間取りからセキュリティの突破方法、果てには収納スペースと収納されているものの種類まで全て把握している。だけど、それだけじゃない」
レンガイの言葉に家主は「キモ……」と呟いたが、レンガイは気にせずに続ける。
「僕はプーアちゃんの危機に24時間いつでも対応できるよう、勝手ながらプーアちゃんの家の至る所に時空転移装置を作っていたんだ」
「「は……?」」
それはゴンザとプーアの2人のクエスチョンマークだった。それとはお構いなしに、時空転移装置はプーアとレンガイの下で爆音を立てながら作動し始めていた。
「一応行き先だけは伝えておこうかな。神である僕が管理している世界……地球。あ、ゴンザにとっては馴染みがないだろうし、聞いたこともない世界だろうね。おそらく、滅ぼしに行くにしても結構時間がかかるんじゃないかなあ。さて、じゃあ僕らはそこで結婚式でも挙げることにしよう」
調子を取り戻してきたレンガイは最後に付け加えた。
「愛の勝利だ」
そう言い残し――2人の姿は跡形もなく消えた。
「アタシの気持ち、考えてるのかしら……?」
その疑問は、愛の戦士には届いていなかった。
プーアの寝室にいつの間にか入って来ていたようだ。入り口を塞ぐようにして、ゴンザが立っていた。
「ゴンザ……」
ゴンザはまた憎たらしく笑った。そして、彼は言い放った。
「お前にはできねえようだな、レンガイ。まあいい、ここでお前らを殺してやらあ」
ゴンザは指をボキボキと鳴らす。その目には、殺意が込められていた。それを感じ取ったレンガイは腰を抜かしそうになった。
「ちょっと待ちなさいよ。レンガイのアホは死のうがどうでもいいわ。でも、ここでアタシ達を殺したら、アナタも神殺しとして議会を追放されるんじゃないかしら」
プーアは何気なくゴンザに問いかけた。ゴンザは少し考える素振りをみせて
「そんなもん、揉み消すに決まってんだろ。プーア、お前とは昔からの付き合いだから、俺がどんなヤツかは知ってるだろうよ」
「そうね。アナタは口で言っても聞かないバカ野郎だったわね。でも、不可解な点があるのよ。一匹狼だったアナタが、どうしてお偉いさんの飼い犬になってるのかしら」
レンガイはゴンザを恐る恐る見た。ゴンザはプーアの発言が頭に来たらしく、怒りをあらわにしている。拳を強く握り、今すぐにでも殴りかかりそうだった。事態の大変さを理解していないのだろうか、饒舌にゴンザを煽るプーアを今すぐに止めなくては、そう思い、レンガイはプーアに声を掛けようとした。だが、その前にレンガイはプーアのクセが目に入ってきた。
「プーアちゃん……もう、何も言っちゃダメだ……」
プーアは貧乏ゆすりを、いや、それを通り越してかなり小刻みに震えていた。プーアは恐怖を感じている。ゴンザに対する恐怖に耐えようと懸命に闘っているプーアの姿を見て、レンガイは深い闇に突き落とされたような感覚を覚えた。
「ハッ、お嬢様も勇者様も戦意喪失か。それにしても大変だなあ、プーア。どんな気持ちなんだ? 身に覚えのない罪を被せられ、邪神に成り下がり、今まさに命を絶つ。それもお前の大ッ嫌いなヘタレ野郎と一緒にな」
「いい加減に……しろ!!」
レンガイは近くにあったイスを蹴った。そして、ゴンザを強く睨みつける。プーアは、ベッドの上でうずくまっていた。
「ははは、睨むんじゃねえよ。ビビってるのは伝わるぞ。かっこわりいなあ、おい」
「ああ、僕はビビリさ。で、でも、それが何だって言うんだよ。僕は……どうでもいいことで悩んでいたみたいだ。僕はちっぽけな神だ。それでも神として、多くの世界を管理するようになるとどうしてかな不必要なプライドやらが湧き出て来る。上からの命令に従わないことでそれを全て奪われるのが怖かったんだ。で、でも、僕は……僕の本当に必要なものはそんなものじゃないってことが、今分かったんだよ」
ゴンザは思わず吹き出してしまった。
「面白えやつだなあ、おい。それがプーアだって言うんだろ? そんなクセえセリフ……まあお前にはお似合いだな。だから何だって話だが……じゃあ、その小娘をお前は守れるのか」
レンガイはプーアに手を差し伸べ、ベッドからおろした。レンガイの隣に立つプーアの手を強く握る。
「別に、ここを脱出するだけならお前なんて倒さなくてもいいんだよ」
「ああ?」
「君は言った。『お前の気持ち悪い性格のことだ。プーアの家の構造も何もかも把握してんだろ?』と。それは正解だ。俺は間取りからセキュリティの突破方法、果てには収納スペースと収納されているものの種類まで全て把握している。だけど、それだけじゃない」
レンガイの言葉に家主は「キモ……」と呟いたが、レンガイは気にせずに続ける。
「僕はプーアちゃんの危機に24時間いつでも対応できるよう、勝手ながらプーアちゃんの家の至る所に時空転移装置を作っていたんだ」
「「は……?」」
それはゴンザとプーアの2人のクエスチョンマークだった。それとはお構いなしに、時空転移装置はプーアとレンガイの下で爆音を立てながら作動し始めていた。
「一応行き先だけは伝えておこうかな。神である僕が管理している世界……地球。あ、ゴンザにとっては馴染みがないだろうし、聞いたこともない世界だろうね。おそらく、滅ぼしに行くにしても結構時間がかかるんじゃないかなあ。さて、じゃあ僕らはそこで結婚式でも挙げることにしよう」
調子を取り戻してきたレンガイは最後に付け加えた。
「愛の勝利だ」
そう言い残し――2人の姿は跡形もなく消えた。
「アタシの気持ち、考えてるのかしら……?」
その疑問は、愛の戦士には届いていなかった。
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