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第二章 組織
邪神と神のスキル
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「どう? もう、よくなった?」
「あ……うん」
プーアは地球の慣れない暑さと、考え事をしすぎたせいで軽い熱中症になってしまった。それを見たレンガイは、慌ててプーアを家の中に入れ、看病をしている。
「プーアちゃん……ごめん。僕がもっと気遣いをするべきだったね。ダメだ、僕は最悪な男だ」
「最悪だとは思うけど。体調なら回復してきたからいいわ。その代わり、聞きたいことがあるの。これは……この前みたいに、変に話をはぐらかさないでよ」
レンガイは頷いた。プーアは話し始める。
「聞きたいことはただ1つだけ。――邪神とは、なにか」
レンガイは待ってましたと言わんばかりに笑った。頼られるのが嬉しいからだ。
「邪神として生きていく為には、しっかり知ってないとダメだからね、プーアちゃん。邪神は、まあ名前通りだよ。『人間に災いをもたらす神』だ。言い換えると悪魔だね。反対に神は人間に幸いをもたらすだろう? 人間に幸いをもたらすモノを大量に殺したことになっているプーアちゃんは、人間たちにとってマイナスな存在だと認められたから、邪神になってしまったんだ」
プーアはムッとした。自分が、そんな忌々しい存在に成り下がっている事実に腹が立った。
「本当なら、世界を大量に滅ぼしまくっているゴンザだって邪神だよ。……いや、アイツだけじゃない。今の神様議会は腐っている。権力争いにしか興味がない上の連中、それに従うしかない下級の神……これには僕だって含まれているけど……みんな邪神さ」
レンガイは悔恨の情をあらわにした。自分の罪を悔やむように、表情を歪ませていた。少し間をおいて、プーアは呟いた。
「……だからあの組織は嫌いなのよね。アタシのお父様の時代はしっかりしてたと思うんだけど」
「そうだね……まあその時の僕らは子供だったから、何もわからなかったけど。元々、あの議会が作られたのにはしっかり理由があったんだよ。それは――」
プーアは遮るようにして言った。
「もうアタシは邪神になったんだし、あそこに行くことはもうない。話を戻すわ。神には仕事があるじゃない。邪神は? 邪神は何をすればいいのかしら」
レンガイは声を出して笑った。
「変な話だなあ、プーアちゃん。まあ、無理もないよね……本来、邪神は悪事を働くうちに知らず知らずのうちになってるものだし。邪神はすることは何もないよ。あるとすれば人を殺したり災害を大量に引き起こしたりかなあ、ははは。まあ、かわいいプーアちゃんがそんなことをするはずはないか」
「世界を滅ぼしたことなら1回あるけどね。つい、カッとなって」
「……そうだ、神の仕事には、1つ大切なことがあるんだけど知ってるかい?」
何?とプーアは聞いた。レンガイはずいぶんとためて、言った。
「邪神殺しさ」
「へえ。じゃあアンタ、早くアタシのこと殺しなさいよ」
「で、できるわけがないだろう! 愛するお嫁さんを殺すなんて、そんなことができるのはサイコ野郎だけだよ。……でも、これは本当のことなんだ。本来の邪神は、放っておくと人間に災いをもたらしてしまうから。邪神を亡きものにして平和を維持するのは立派な神の仕事だ。だから――」
「あら、守ってくれるんじゃないの?」
「ま、守る?」
プーアは面白がっているのだろう。レンガイはそれをニヤニヤ顔から感じることができた。レンガイは嫌な汗をかいた。
「も、もちろん! で、でも、現実的な話だ。僕のスキルでは、ゴンザとか屈強なヤツらには勝てない」
「スキル?」
初めて聞くような顔をされたので、レンガイは驚いた。スキルの存在は、神なら普通は知っているものだからだ。
「神なら使えるはずなんだけど……まだ成長してないのかな」
「せ、成長? 身長のことかしら。バカにしてるの?」
プーアは貧乏ゆすりを始めた。レンガイはため息をつく。
「あ、いや。まあそのうち使えるようになるよ。神には2つスキルがあるんだ。それらは一人ひとり違う能力だけどね。スキルのうちの1つは、本来ならば生まれた時から使えるはず。2つ目のスキルは、何かを満たさないといけないらしいけど……使える神を実際に見たことがないな」
「へえ。じゃあ、アンタのその1つめのスキルが、あまりにも役立たずなのね?」
レンガイはギクリとした。
「僕のことは……まあいいんだ。ゴンザを例に挙げよう。アイツは、性格通りというか、『破壊』のスキルを持っている。もう文字通りだよね、パワーと威圧感、その他諸々が倍増するスキルさ」
あの異常なほどの恐怖はそのせいだったのか。プーアは納得した。
「なるほどね。あのバカみたいなヤツにはピッタリね。で、アンタは?」
「言わなきゃだめ? うーん。僕のスキルは『透視』。あらゆるものが透けて見える素晴らしい能力さ。……戦闘向きではないけどね」
プーアは嫌な予感がした。変態ストーカーのレンガイには確かにピッタリな能力だとは思ったが、組み合わせが最悪な気もした。そして、その予感は的中してしまった。
「へえ、謙遜する必要はない便利で立派な能力だと思うわ。で、具体的な使用例は?」
自分の能力を褒められた気がしたレンガイは思わず口が滑ってしまった。
「ははは! そうだね。そういえば、どうして僕が異様に君の家の構造とかに詳しかったと思う? それは僕の君への愛情の結晶でもあるんだけど、この『透視』のスキルも一役買ってるんだよね! このスキルのおかげで何もかも知ることができたよ! え? もっと教えてほしい? あはは、んーとね、いろいろやってるんだけど、1番役に立つのは『覗き』の時だよね!! もう、この能力が超便利! ほぼノーリスクでハイリターン! うーん、素晴らしい! …………プーアちゃん? おーい、また熱中症? おーい…………」
「あ……うん」
プーアは地球の慣れない暑さと、考え事をしすぎたせいで軽い熱中症になってしまった。それを見たレンガイは、慌ててプーアを家の中に入れ、看病をしている。
「プーアちゃん……ごめん。僕がもっと気遣いをするべきだったね。ダメだ、僕は最悪な男だ」
「最悪だとは思うけど。体調なら回復してきたからいいわ。その代わり、聞きたいことがあるの。これは……この前みたいに、変に話をはぐらかさないでよ」
レンガイは頷いた。プーアは話し始める。
「聞きたいことはただ1つだけ。――邪神とは、なにか」
レンガイは待ってましたと言わんばかりに笑った。頼られるのが嬉しいからだ。
「邪神として生きていく為には、しっかり知ってないとダメだからね、プーアちゃん。邪神は、まあ名前通りだよ。『人間に災いをもたらす神』だ。言い換えると悪魔だね。反対に神は人間に幸いをもたらすだろう? 人間に幸いをもたらすモノを大量に殺したことになっているプーアちゃんは、人間たちにとってマイナスな存在だと認められたから、邪神になってしまったんだ」
プーアはムッとした。自分が、そんな忌々しい存在に成り下がっている事実に腹が立った。
「本当なら、世界を大量に滅ぼしまくっているゴンザだって邪神だよ。……いや、アイツだけじゃない。今の神様議会は腐っている。権力争いにしか興味がない上の連中、それに従うしかない下級の神……これには僕だって含まれているけど……みんな邪神さ」
レンガイは悔恨の情をあらわにした。自分の罪を悔やむように、表情を歪ませていた。少し間をおいて、プーアは呟いた。
「……だからあの組織は嫌いなのよね。アタシのお父様の時代はしっかりしてたと思うんだけど」
「そうだね……まあその時の僕らは子供だったから、何もわからなかったけど。元々、あの議会が作られたのにはしっかり理由があったんだよ。それは――」
プーアは遮るようにして言った。
「もうアタシは邪神になったんだし、あそこに行くことはもうない。話を戻すわ。神には仕事があるじゃない。邪神は? 邪神は何をすればいいのかしら」
レンガイは声を出して笑った。
「変な話だなあ、プーアちゃん。まあ、無理もないよね……本来、邪神は悪事を働くうちに知らず知らずのうちになってるものだし。邪神はすることは何もないよ。あるとすれば人を殺したり災害を大量に引き起こしたりかなあ、ははは。まあ、かわいいプーアちゃんがそんなことをするはずはないか」
「世界を滅ぼしたことなら1回あるけどね。つい、カッとなって」
「……そうだ、神の仕事には、1つ大切なことがあるんだけど知ってるかい?」
何?とプーアは聞いた。レンガイはずいぶんとためて、言った。
「邪神殺しさ」
「へえ。じゃあアンタ、早くアタシのこと殺しなさいよ」
「で、できるわけがないだろう! 愛するお嫁さんを殺すなんて、そんなことができるのはサイコ野郎だけだよ。……でも、これは本当のことなんだ。本来の邪神は、放っておくと人間に災いをもたらしてしまうから。邪神を亡きものにして平和を維持するのは立派な神の仕事だ。だから――」
「あら、守ってくれるんじゃないの?」
「ま、守る?」
プーアは面白がっているのだろう。レンガイはそれをニヤニヤ顔から感じることができた。レンガイは嫌な汗をかいた。
「も、もちろん! で、でも、現実的な話だ。僕のスキルでは、ゴンザとか屈強なヤツらには勝てない」
「スキル?」
初めて聞くような顔をされたので、レンガイは驚いた。スキルの存在は、神なら普通は知っているものだからだ。
「神なら使えるはずなんだけど……まだ成長してないのかな」
「せ、成長? 身長のことかしら。バカにしてるの?」
プーアは貧乏ゆすりを始めた。レンガイはため息をつく。
「あ、いや。まあそのうち使えるようになるよ。神には2つスキルがあるんだ。それらは一人ひとり違う能力だけどね。スキルのうちの1つは、本来ならば生まれた時から使えるはず。2つ目のスキルは、何かを満たさないといけないらしいけど……使える神を実際に見たことがないな」
「へえ。じゃあ、アンタのその1つめのスキルが、あまりにも役立たずなのね?」
レンガイはギクリとした。
「僕のことは……まあいいんだ。ゴンザを例に挙げよう。アイツは、性格通りというか、『破壊』のスキルを持っている。もう文字通りだよね、パワーと威圧感、その他諸々が倍増するスキルさ」
あの異常なほどの恐怖はそのせいだったのか。プーアは納得した。
「なるほどね。あのバカみたいなヤツにはピッタリね。で、アンタは?」
「言わなきゃだめ? うーん。僕のスキルは『透視』。あらゆるものが透けて見える素晴らしい能力さ。……戦闘向きではないけどね」
プーアは嫌な予感がした。変態ストーカーのレンガイには確かにピッタリな能力だとは思ったが、組み合わせが最悪な気もした。そして、その予感は的中してしまった。
「へえ、謙遜する必要はない便利で立派な能力だと思うわ。で、具体的な使用例は?」
自分の能力を褒められた気がしたレンガイは思わず口が滑ってしまった。
「ははは! そうだね。そういえば、どうして僕が異様に君の家の構造とかに詳しかったと思う? それは僕の君への愛情の結晶でもあるんだけど、この『透視』のスキルも一役買ってるんだよね! このスキルのおかげで何もかも知ることができたよ! え? もっと教えてほしい? あはは、んーとね、いろいろやってるんだけど、1番役に立つのは『覗き』の時だよね!! もう、この能力が超便利! ほぼノーリスクでハイリターン! うーん、素晴らしい! …………プーアちゃん? おーい、また熱中症? おーい…………」
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