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第三章 能力の覚醒
ヒュウガの覚醒 ①
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強い動機? そんなもん、オイラは持っているはず。ヒュウガは思う。
オイラは、お母ちゃんを、お父ちゃんを、それと、お姉ちゃんを守りたい。その気持ちは本物だし、エノキダケの四将軍をやっていた頃から思っている。なのに、後天的スキルっていうのは一向に覚醒しそうにない。
「オイラって、覚悟が足りないのかな」
ヒュウガは、無意識的にボソッと言葉を洩らした。
「はあー。結局わかんねえな。なんだよ、どうやれば覚醒するんだよ、オイラのスキル」
プーアによる『シドウチク』作戦会議が開かれた数日後の昼下がり、ヒュウガは隠れ家の屋根の上で、空を眺めていた。今日は日本の夏にしては穏やかな気温で、爽やかな日だと、ヒュウガは感じる。
「……クソっ。オイラはいくら考えてもムダみたいだなあ。いつだっけか、レンガイの兄ちゃんが言ってたっけなあ。頭が回るタイプじゃないって」
今のように、考えがまとまらない時にヒュウガは、とにかく修行などをして体を動かしていた。だが、攻撃力がプーアと同等で固定されてしまった今は、それは無意味なものになっていた。仕方なく、ヒュウガは再び考えを巡らせる。特に答えが出ることもないまま、ヒュウガはいつの間にか寝てしまったようだ。
「――ヒュウガ、ヒュウガー」
「冷てえ!」
ヒュウガは、頬に当てられた冷気によって飛び起きた。ヒュウガが目を開けて、目の前を見ると、そこには500ミリリットルのペットボトルを両手に持つプーアが座っていた。
「お前……よくその身体能力で屋根の上まで上がってきたなあ」
「変な感心をしないでよ。またちっこいとか言うつもり? ……まあ、はい。コレ」
プーアは手に持っていたペットボトルを1本、ヒュウガに差し出した。ヒュウガはサンキューと言いながら、それを受け取り、瞬間的に液体を口にぶち込んだ。プーアもゆっくりと飲み始める。
「はー。なんて言うんだっけ、サイダー? これ、ホントにうまいなあ。レンガイの兄ちゃんの地球って世界にもなかなか良いところがあるな」
「そう? ただ単にジメジメして暑いだけのこの世界に良いところなんてないでしょ」
プーアは不満を口にしたものの、訂正するかのように付け加えた。
「まあ、こんなのんびりとした自然の中で風を感じながら爽やかな飲み物を飲むのは、なかなか風情があると思うけど」
「良いところあるんじゃん。それ、レンガイの兄ちゃんに言ってあげろよ。兄ちゃん、お前に気があるぜ。あんだけ守ってもらってるんだから、たまには褒めてやれって。多分、飛んで喜ぶから」
ヒュウガの言葉が気に触ったのか、プーアは明らかに不快だという顔をした。
「それはそうなんだけど……まあ、気が向いたらね。守ってもらってるって言ったら、アナタだってヒナノさんにずいぶん守られてきたんじゃないの?」
それは当然だ。ヒュウガは思う。いつだって、お姉ちゃんは自分の隣に居てくれた。自分の心配をしてくれた。神アンナプルナに親を誘拐された時だって、どんな時でも……だからこそ、オイラは強くなりたい。今まで守ってくれたぶんを、倍以上に恩返ししてやりたい。だが、その決意は未だに果たされていない。
「……オイラたちは、守ってもらってばっかだなあ」
「そうかもしれない」
強く、それでいて爽やかな風が吹いてきた。ヒュウガは、微妙に残っていたサイダーをゴクゴクと飲む。
ピリッと、喉の奥が染みる感じがした。
オイラは、お母ちゃんを、お父ちゃんを、それと、お姉ちゃんを守りたい。その気持ちは本物だし、エノキダケの四将軍をやっていた頃から思っている。なのに、後天的スキルっていうのは一向に覚醒しそうにない。
「オイラって、覚悟が足りないのかな」
ヒュウガは、無意識的にボソッと言葉を洩らした。
「はあー。結局わかんねえな。なんだよ、どうやれば覚醒するんだよ、オイラのスキル」
プーアによる『シドウチク』作戦会議が開かれた数日後の昼下がり、ヒュウガは隠れ家の屋根の上で、空を眺めていた。今日は日本の夏にしては穏やかな気温で、爽やかな日だと、ヒュウガは感じる。
「……クソっ。オイラはいくら考えてもムダみたいだなあ。いつだっけか、レンガイの兄ちゃんが言ってたっけなあ。頭が回るタイプじゃないって」
今のように、考えがまとまらない時にヒュウガは、とにかく修行などをして体を動かしていた。だが、攻撃力がプーアと同等で固定されてしまった今は、それは無意味なものになっていた。仕方なく、ヒュウガは再び考えを巡らせる。特に答えが出ることもないまま、ヒュウガはいつの間にか寝てしまったようだ。
「――ヒュウガ、ヒュウガー」
「冷てえ!」
ヒュウガは、頬に当てられた冷気によって飛び起きた。ヒュウガが目を開けて、目の前を見ると、そこには500ミリリットルのペットボトルを両手に持つプーアが座っていた。
「お前……よくその身体能力で屋根の上まで上がってきたなあ」
「変な感心をしないでよ。またちっこいとか言うつもり? ……まあ、はい。コレ」
プーアは手に持っていたペットボトルを1本、ヒュウガに差し出した。ヒュウガはサンキューと言いながら、それを受け取り、瞬間的に液体を口にぶち込んだ。プーアもゆっくりと飲み始める。
「はー。なんて言うんだっけ、サイダー? これ、ホントにうまいなあ。レンガイの兄ちゃんの地球って世界にもなかなか良いところがあるな」
「そう? ただ単にジメジメして暑いだけのこの世界に良いところなんてないでしょ」
プーアは不満を口にしたものの、訂正するかのように付け加えた。
「まあ、こんなのんびりとした自然の中で風を感じながら爽やかな飲み物を飲むのは、なかなか風情があると思うけど」
「良いところあるんじゃん。それ、レンガイの兄ちゃんに言ってあげろよ。兄ちゃん、お前に気があるぜ。あんだけ守ってもらってるんだから、たまには褒めてやれって。多分、飛んで喜ぶから」
ヒュウガの言葉が気に触ったのか、プーアは明らかに不快だという顔をした。
「それはそうなんだけど……まあ、気が向いたらね。守ってもらってるって言ったら、アナタだってヒナノさんにずいぶん守られてきたんじゃないの?」
それは当然だ。ヒュウガは思う。いつだって、お姉ちゃんは自分の隣に居てくれた。自分の心配をしてくれた。神アンナプルナに親を誘拐された時だって、どんな時でも……だからこそ、オイラは強くなりたい。今まで守ってくれたぶんを、倍以上に恩返ししてやりたい。だが、その決意は未だに果たされていない。
「……オイラたちは、守ってもらってばっかだなあ」
「そうかもしれない」
強く、それでいて爽やかな風が吹いてきた。ヒュウガは、微妙に残っていたサイダーをゴクゴクと飲む。
ピリッと、喉の奥が染みる感じがした。
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