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本編
21】変化の兆し(中) 微※
しおりを挟む夕食事、クンティンがふらふらしている。
「どうした?」
「ちょっと結界装置の改良を。最終調整までしてしまったんで、ちょっと疲れたかな?」
えへへ…。と照れた感じで笑てる。可愛い…。
サムエルは、帰らないのだったな…。知らせが来ていた。使いの者が、明日も遅くなるもとの言伝と魔晶石を持って来ていた。クンティンが嬉しそうにそれを見ていたな。質の良いものだったようだ。
「寝酒に一杯付き合わぬか? この前の話の続きも聞きたい」
ゆっくり楽しめそうだ。
今日こそ、あの奥を開こうではないか。時間はたっぷりある。
「いいですねッ」
ニコニコ可愛く笑う顔が、夜のとろりと蕩ける顔に被る。腰が疼く。
ああ、クンティンも疼くようになればいいのに…。
何故か、素面ではねだってくる気配がない…。そろそろ俺に身体を捧げたくなるはずなんだが…。
身体が熱くなってきて、訳が分からずとも俺を欲しくなるのだが…。
不思議だ。さすが勇者の一行のひとりという事か。
だが、奥まで俺を味わえば、きっと俺が欲しくなって、熱く疼く身体で俺に縋り付いてくるはずだ。俺のものにしてくれと懇願してくるだろう。
考えるだけで激ってくる。
「さっき回復ポーション飲んだんでそろそろ効いてくると思います。お酒、楽しみだなぁ」
「とっておきのミードを用意しよう」
「美味しい~、これはこってりとしてますね」
「それは、ここの備蓄の中で一番熟成されたミードだからね。事前にテイストしたが、いい具合に仕上がってた」
クンティンと本を挟んで酒を酌み交わす。邪魔者もいない。あとはリューリを撒いて部屋にクンティンを連れ込めばいいだけ。いつもの事だ。楽勝さッ。
さり気なくクンティンに触れて魔力を流すが、酔ってはいるが、いつもより緩やかだ。
ポーションの影響か…。まあ良い、彼との会話も楽しいからな。
「そりぇで、師匠ぎゃぁ…ありゃ?」
急に呂律がおかしくなった。さっきの急激な譲渡の影響か?
「師匠殿がどうしたのだ?」
面白いので先を促す。
「しょれで、ありゃ? えゔぁん…」
涙目で口を押さえて、俺に助けを求めるように見遣ってくる。
可愛いのぉ~。
「酔ったようだな。送って行こう」
「しょうしゅりゅ(そうする)」
完全に舌がおかしくなってしまったようだ。
本人はよく分かってなくて困惑している。
ポーションと魔力譲渡の複合だとこうなるのか?
熟成したミードの効果か?
確かに杯が進んだようだな。おや、空になっておる。
魔力が揺らいでいる。何かが発動してるようだが…。
手を貸してやる。
立ち上がるとフラつき俺の腕にもたれ掛かってきた。
可愛い。愛おしくて…。ふと、胸の辺りに何かが湧いてくる…。なんだ…? おっ、そんな事よりクンティンッ!
さぁ~、楽しもうぞッ!
「楽ししょぉ~」
支えながら廊下を歩いてると、クンティンが俺にしなだれ掛かって、上目遣いにそんな事を言ってくる。
俺の気持ちが分かるのか?
じゃあ…。
「クンティンと色々愉しみたいのだ」
本心を言ってやる。バレてるのならいいだろう。まだ意識がしっかりしてるところで快楽を刻んでやろう。大人しく送ってやる訳あるかッ。
「うふふ…、気分いいかりゃ、オレのひみちゅ、教えて、あげりゅ」
上機嫌のクンティンが頬を染めながら、うっとりと俺を見遣ってくる。
ドキドキしてきた。
「ん? ひみつ?」
なんだこれは?
「うふふ…エヴァン、しゅき。だいしゅき、だよ」
「好きか。嬉しいな」
なんだ、それか。皆同じ事を言う。
「キスがしくなるぐりゃい、だいしゅき~」
いきなり首に腕が回って、唇が柔らかい物に当たった。
クンティンの唇。
唇が柔らかく押し付けられて、緩く唇が開き、更に押し付けられて来る。ちろりと控えめに舌先で舐めてきた。
そっと離れて行きそうになった。
このまま離れたら、何処かに行ってしまいそうな気がした…。思わず、後頭部を鷲掴むと身体を拘束して、深く口付けた。
廊下という場所も忘れて、舌を唇の隙間から捻じ込み、口内を舐める。歯列を歯肉をなぞり、上顎に触れれば、身体がビクビクと震える。クンティンの手が俺を掴み、するりと背に回ってくる。
背の手は、迷うような、嬉しような、不安定な動きで、撫でていた。
キツく舌を吸い上げる。
背の服をキュッと握り、身体を俺に預けてきた。
好き…か。クンティンの秘密。告白か?
「先に進んでもいいか?」
チュポッと唇を離して、とろりとしたクンティンに尋ねる。ムードも大切だからな。まだ意識がしっかりしているなら利用してやろう…。
コクンと頷いた。
鍵を掛けたいつもの部屋なのに、何かが違って面白い。胸が変な感じだが無視だ。
クンティンが堕ちたからか?
まあ、無視しておくのが良いだろう。目の前の事を愉しむだけだ。
クンティンの服を脱がしにかかると、クンティンも俺の服を脱がそうと頑張ってる。
酔って上手く指が動かないようで、顰めっ面になってきてるが、それも可愛い。
そんな健気に一生懸命なクンティンをベッドに押し倒し、清浄魔法をかけながら、脱がせていくと。みるみる赤く蕩けて悶える。そうなっても、頑張って指を動かしてるが、出来なくなって、俺のシャツを掴むだけになった。
「エヴァン、奥が、お尻が、おかしい…」
単語が少し鮮明になった。新鮮な気分だ。
このままの状態で抱きたい。
俺をしっかり認識させて、誰がお前を支配してるか分からせ、蹂躙尽くしてやる。俺の全てを注いでやろう。
味合わせろ、クンティン…。
「すぐに与えてやるから、いい子にしてろ…」
俺の言葉に柔らかく微笑んで頷く。
「好きに……使って…」
言ってから、寂しそうな影が差したが、気にせず、首筋に食らいつき、鼻先を髪に突っ込みクンティンの匂いを嗅いだ。
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