【完結】魔王ってなにさ【続編開始。。。】

アキノナツ

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本編

23】未来に向かって(下)

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「そんな顔するな。幸せなんだろ?」
 立ち上がってたサムエルがオレの頭をグリグリ撫でてくる。
 安心できる手。この手になん度も救われてた。撫でてくれるだけで、ここに居ていいんだと思えたものだ。

「うん。オレの居場所を見つけられたと思う」

「そうか…」

 部屋を出て行った。

 オレはこの後すぐに、サムエルが持ち帰った魔晶石の細工に取り掛かったので知らなかったのだが、夕食時、遅れて行ったオレの目に飛び込んできたのは、ぼろぼろの二人が飲んだくれて意気投合してる姿だった。

 脳筋傾向のサムエルが彼に何かしたのは分かったが、彼もそれを受けたんだ…。
 オレは薬を取りに、一旦部屋を出た。



 えーと、クンティンが幸せなら仲間として祝福してやろうと思ってたんだがな。俺は朝から何を見せられてるんだ?

 目の前でイチャイチャしながら、朝食を食べてる二人。
 一方的にエヴァンがクンティンにちょっかいを出してる感じだけどな。

 クンティンの席が俺の隣りから、エヴァンの隣りに変わってるのは、まぁ、百歩譲って良しとしよう。だが、これは、何が「あーん」だ?!

 エヴァンの野郎、クンティンが好きなヤツのお願いを断れない性格なのを知りやがったな。『してして』ってお願いされたら、『する』だろう。

 クンティン、こっち見んな。分かってるよ。見てない。今の内にしろッ。

 パンにバターを塗ってる手元を凝視する。

 多分真っ赤なクンティンが、エヴァンに「あーん」してるはず。
 もう終わったかなとパクッとパンを食べながら、顔を上げたら、指食われてた…。すまん。

 クンティン…真っ赤だな。そんな顔、俺初めて見たよ。涙目で俺を見られてもなぁ…。俺も困ってる。

「お前ら…、イチャつくなら、俺の目の届かないところでお願い出来んかね」

 これぐらいしか出来ん、許せ、クンティン。

 夜とか大丈夫かね…。要らん心配だと思いたい…。俺、なんでこんな心配してんだか…。

 細工の終わった魔晶石を持って、農地地区に向かう。
 隣りに二人が相乗りで同行。

 クンティンがちょっと不機嫌。相乗りするかどうかで揉めてたなぁ…。折れたのもクンティンだが…。

 エヴァンの囲い込みが……。ちょっと不安に思ってきたよ…。

 農地地区に魔晶石をクンティンの指示通り配置していく。
 土壌などから吐き出されてくる瘴気を吸収して、ある程度溜まると小さな黒い石をポロッと出すそうだ。
 穢れの塊らしいのだが、石が石を産むみたいで変な気分だ。ん? 排泄? いやいや、産むでいいな。うん、そうしよう。

 最後の魔晶石を置いたところで上空からもの凄い速度で接近してくる影に気づて、剣を抜いた。隣りでエヴァンが魔法を発動したようだ。

「待ってッ!!!」

 クンティンの声が無ければ攻撃していた。

 虹色の鳥だ。落下してくる勢いでクンティンの頭にドスッと着地した。

「師匠の伝書鳥です」

「デカいな」
「茶?青?変化する?虹色? 派手な色だな…」

 頭の上の鳥は小鳥にしては堂々とした態度と大きさ。まぁ、紙の大きさに寄るのだろうけど、飛ばせる紙の大きさは限られてるらしいとクンティンが言っていたが…。

 解けた紙は少し大きいだけで、何故にあんなに堂々とした態度のデカい様子だったのか…。色も派手だし…。

「すみません。師匠の魔力がこう…反映させると言いますか…。師匠は筆無精と言いますか、これを見て兎や角言われるのを嫌ってあまり出さないんですけど…。えーと、浄化装置が出来たようです。取りに来いと言っております…ね」

「持ってきてくれてもいいんじゃないか? 中までは無理でもそこまでとか…」

 クンティンの師匠なら瘴気を間近で見たいだろう。

「ダメダメダメッ! 師匠が瘴気吸ったら一気に魔人になってしまいますッ。 オレが散々ダメって説得したんですからッ」

 俺のなんとなく言った言葉に、クンティンが鬼気迫る剣幕で捲し立てきた。

「へ?」
 エヴァンも目が真ん丸だ。

「師匠は欲望の塊ですから、あんな人がここに入ったら、即、魔人化ですッ。その後、何が起こるかなんてッ。予想が……、つかないです…」

 クンティンがプルプル震えながら、ブツブツ言ってる。遠い目だ。なんだか師匠さんは大変そうな人だな。
 確か今は、アリスンが相手してるんだったか…。頑張れ…。

 浄化装置は、ここの浄化が終わった後も瘴気を世界中から集めて浄化出来ないかという目論見のある代物らしい。
 世界中から集め続ける永久機関を目指してる?

 まあ、エヴァンひとりで集めちまったんだ。出来ない事は無いだろうけど…。

 師匠さん、エヴァンを調べたいんじゃないのか?

「クンティン…、いや、いい…」
 俺は、今の考えを口にしようとして、やめた。本人を目の前に話す事じゃないな。

 いずれはそうなるんだろう。今ここで、あれこれ話す必要はないだろう。
 取り敢えず、計画通り進めて、クンティンの考えや資料を持ってここを立つ。
 あと少しだな。

 彼らを二人にするのは、大いに心配だが…。
 まぁ、そこは俺にはどうしようもない事で…。
 付き合い始めたばかりだからな。色々と止まらんだろうな…。






================


あと少し( ̄▽ ̄;)
10万字ですな…。
これだけ長いのを一気に1ヶ月で書き上げるのって初めてじゃないか?
しかも、1週間程書ける状況じゃなくなったし(ーー;)

頑張ろう~と。

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