絡める指のその先に…

アキノナツ

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《9》 ※

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「助け…い、やぁ…ぅゔ…」
肩が冷たい。

あいさんを挟んで男3人で寝ていた。
俺のなんちゃって料理をいたく気に入ってくれて、上機嫌で眠ったはずだった。

藍さんが俺の腕に縋って苦しそうに唸って泣いてる。
眠ってるようだ。
カオルちゃんも目が覚めたようだ。
俺から引き剥がして抱っこしようとするが剥がれない。
カオルちゃんは半分寝てるようだった。いつもなのだろうか。あまりに当たり前といった感じの動きだった。

カオルちゃんの手に手を乗せて止めた。
藍さんをそっと抱き込む。
「大丈夫ですよ」
囁く。
「クー、にゃん…」
腹が立つが仕方がない。
カオルちゃんとサンドイッチに抱き込むとスースーと身体の強張りが緩んで眠った。
涙に濡れた頬を掌で拭う。

規則正しい寝息と心音を感じながら、いつしか皆、眠っていた。



朝飯の匂い。
甘い匂いが近くでする。
髪?
腕の中に藍さん。
寝ぼけた頭で思い返していた。
藍さんの向こう。カオルちゃんにいるはずのスペースが空いている。

「朝ごはん作ったから。後よろしくね」
カオルちゃんが声を掛けてきた。
出勤か。
「すみません」
起きようとして、身動きが取れない。絡まってる。

「起きるまでそのままよ。ご無体はダメだからね」
笑いながら出て行った。

俺の今日の予定……なんとかなるか。

ーーーーーご無体って何?

この状況は俺に対してのご無体では?
……柔らけぇぇぇ。
以前よりフワッとしてます。

手触りと匂いにムラムラがとまりません。

ムニャムニャしながら、すりすりと鼻を擦り付けてくるんですけど。
腕枕を強要されてます。

無意識に手がサワサワしてたようで、藍さんの眉間に皺が。
ヤベッ。

「朝ですよぉ~」
囁く。
起きてくれ。襲いそう。しないけどね。でも、撮影させて欲しい。
きっと甘いイチャイチャのが撮れる予感。

「藍さん、撮影していいですか?」
振り返れば、俺も寝ぼけてたのかもしれない。
欲望のまま声を掛けていた。

「ん? いいよぉ~。クーにゃんとイチャついちゃう?」
くふふと笑ってる。
俺、青斗あおとです。

「ちょっと離れますね。カメラセットするんで」
スルッと腕が解ける。

大急ぎで、三脚にスマホをセットして画角を調整。引きでベッドを大きく入れて雰囲気が撮れる感じに。光量はこのままでいいな。

「お待たせです」
首にスルッと腕が絡む。引き寄せられる。
耳を甘噛みされながら、チュッチュと吸われる。
可愛い!!!!
俺がデレデレしてるのは自覚してるが、藍さんのパジャマの中に手を差し入れる。
吸い付くような肌。揉みながら撫で回す。
吐息が耳にかかる。『ご無体…』カオルちゃんの声がフィードバックしてきたが、無視してしまった。

この可愛さを全面に伝えたい。
画角を意識しながら、藍さんを組み敷いていく。
胸を肌け音を立てながら、頭を下へ移動。

藍さんの手が俺の耳を、髪を、触ってる。
頬に手が添えられ、撫で上げられる。
手がそっちじゃなくこっちに来てと言ってる。

導かれるまま、キスを落としながら、這い上っていく。身体を擦り付けながら、藍さんを見れば、唇が誘っていた。

薄く開かれた唇から舌がチロりと現れ唇を舐める。
たまらん!

そっと合わせる。
互いにチュッ、チュプッと軽く深く合わせて、舌を舐め、擦り合わせながら、角度を変えながら、レロと絡める。

チュプ…ジュプ…チュ……チュッチュ…

キスをしながら、互いに服を脱がして、肌を合わせる。
俺の理想的な身体。
細くて適度に筋肉がついてて、肉が薄っすら乗ってる。このフワッとした肌。
撫でても揉んでも、手に貼りついてくるしっとりしてるのに、滑るような肌感なのに適度な抵抗を残しつつ撫でさせてくれる。

朝の気怠げな雰囲気の中、ゆったりと絡む肢体。
音楽をゆったりとつけてもいいかも。
否、このシーツの衣擦れの音とキスの音だけでいいか。

小一時間ほど、挿入なしの絡みを撮った。

「青くん、そろそろ朝ごはんにする?」
藍さんがにっこり微笑んでいる。

「そうですね」
すっかり勃ち上がってしまった互いのモノを互いに見てクスクスと笑ってしまった。

「ヌキますか?」
提案してみる。
「互いにシコる? フェラ? 各々?」
藍さんが明るく囁いてくる。
「一緒は?」
「いいねぇ」
艶やかに笑った。

ローションがないので、手に唾液を絡ませて、纏めて握るとゆるゆると扱き出した。
藍さんが熱い吐息をついた。
身体がくねる。

乳首を空いた手で触る。

「あ、あ、はぁぁん、あぅ…ぁあん、はぅううん…」

滲み出る汁を塗り伸ばす。

ヌチヌチと淫靡な音が立ち始める。

ハァ、ハァと自らも荒い息が上がる。

扱く手に緩急をつけつつ、スピードを上げていく。
互いに息を飲んだ瞬間、ほぼ同時に射精した。

藍さんの肌に二人分の精液が散り汚した。

はぁはぁと息がを吐きながら、汚れた手を散った精液に伸ばし、指先で掬い上げ、ぬっとり垂れるのを眺める。

「出ましたねぇ」

「そうだ…ね」
藍さんの笑顔が歪む。

「藍さん?」
「キ、キスして」
縋るように見てくる。
カメラを忘れて、噛み付くようにキスした。

「藍さん、好きです」
「オレも、好きだよ、青くん」
キスの合間に紡ぐ言葉は上滑りだった。

「クーにゃん…」
絞り出すような呟き。泣いてるのかもしれない。
ぎゅっと抱きしめた。




=============

少しずつ、ズレながらも絡み繋がって行きます。
ここからは短いエロが続いていく感じです。
もう暫くお付き合いいただけると嬉しいです。
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