83 / 91
83
しおりを挟む
土砂を片付けたばかりで、ちょうどいい広さの土地が空いていた。
そこに手をかざし、一軒の家を出した。
「なっ!?」
「……引越し祝いだ。受け取れ」
大きさ的には私の家と大差ないが、二人で住む分には丁度良かろう。
アルベールはしばらく家を眺めていたが、急にこちらに向き合い、片膝を付き私に向かって頭を下げている。
これは騎士が忠誠を違う時か、敬意を示す時の姿だ。
「おい!!何してる!?」
「──……俺は、お前達を騙していた……。その事実は変わらん。しかしこれから先、俺はお前達……コルネリア達を裏切らない事をここに誓おう」
──これは、アルベールのケジメだ。
それなら、しかと受け止めてやらねばいかんな。
私はアルベールの肩に手を置き、アルベールの言葉を承認した。
※
次の日、早速アルベール夫妻がこの森に引っ越してきた。
「初めまして、これからお世話になります、クラウディア・シュミットと申します」
「──ああ、話はアルベールから聞いている。私はコルネリアだ。宜しく頼む」
アルベールの嫁、クラウディアが丁寧に挨拶をしてくれた。
握手を交わすと、剣ダコが出来ていた。
──流石、元女騎士だな。
「……それで、あの……」
クラウディアがキョロキョロと何かを探しているようだった。
私は「あっ」と思いつき、リラとブラウを呼び出した。
「──紹介する。こっちがブラウで、こっちがリラだ」
リラとブラウを紹介すると、クラウディアの顔が思いっきりニヤけた。
「この子達が……」
ゆっくりリラに近付き、優しく顔を撫でていた。……と、思っていたら急に泣き出した。
当然の事に、リラとブラウが驚いてアタフタしている。
──……よく見ろ、泣いてはいるが顔は喜んでいる。
会いたくて仕方なかった、リラ達にようやく会えたんだ。
感情のコントールが出来なくなっているんだろう。
クラウディアは泣きながらリラに抱きついた。
リラは驚きながらも、クラウディアを抱きしめ返していた。
「……すまんな。夢にまで見た子達に会えて嬉しいんだろう」
アルベールが私の元へやって来て、説明してくれた。
「分かってる。落ち着くまでリラに頑張ってもらう」
私達は、クラウディアが落ち着くのを黙って待っていた。
しばらくすると、泣き腫らしたクラウディアが顔を上げた。
リラが心配そうに顔を見ているが、その心配された事が嬉しかったのだろう。再び泣きだした。
──こりゃ、まだかかりそうだ……
「コルネリア。誰です?」
後ろから声がかかり、振り返るとラルスが立っていた。
「あぁ、アルベールの嫁だ。今日からここに住む」
「はぁ、アルベール団長の嫁…………──嫁!!!?」
嫁の言葉にラルスも驚いたらしい。
──こいつも知らなかったのか。
「あははは!!すまんなラルス、言う機会を逃していた」
アルベールは詫び入れることなく、豪快に笑っていた。
「さあ、皆を紹介しようか?」
ここの住人になるなら、皆を紹介しなければな。
私は皆を集め、1人ずつ紹介して行った。
クラウディアは子供なら種別を越えているらしく。ルーやバジャーまで抱きしめ、思う存分愛でいた。
……バジャーは綺麗な女に抱きしめられ、それはそれは嬉しそうだったな。鼻の下が伸びっぱなしだった。
後は猛猪達獣を紹介したかったが、それはおいおいと言うことになった。
とりあえず皆、新参者を快く迎えてくれた事に胸を撫で下ろした。
そこに手をかざし、一軒の家を出した。
「なっ!?」
「……引越し祝いだ。受け取れ」
大きさ的には私の家と大差ないが、二人で住む分には丁度良かろう。
アルベールはしばらく家を眺めていたが、急にこちらに向き合い、片膝を付き私に向かって頭を下げている。
これは騎士が忠誠を違う時か、敬意を示す時の姿だ。
「おい!!何してる!?」
「──……俺は、お前達を騙していた……。その事実は変わらん。しかしこれから先、俺はお前達……コルネリア達を裏切らない事をここに誓おう」
──これは、アルベールのケジメだ。
それなら、しかと受け止めてやらねばいかんな。
私はアルベールの肩に手を置き、アルベールの言葉を承認した。
※
次の日、早速アルベール夫妻がこの森に引っ越してきた。
「初めまして、これからお世話になります、クラウディア・シュミットと申します」
「──ああ、話はアルベールから聞いている。私はコルネリアだ。宜しく頼む」
アルベールの嫁、クラウディアが丁寧に挨拶をしてくれた。
握手を交わすと、剣ダコが出来ていた。
──流石、元女騎士だな。
「……それで、あの……」
クラウディアがキョロキョロと何かを探しているようだった。
私は「あっ」と思いつき、リラとブラウを呼び出した。
「──紹介する。こっちがブラウで、こっちがリラだ」
リラとブラウを紹介すると、クラウディアの顔が思いっきりニヤけた。
「この子達が……」
ゆっくりリラに近付き、優しく顔を撫でていた。……と、思っていたら急に泣き出した。
当然の事に、リラとブラウが驚いてアタフタしている。
──……よく見ろ、泣いてはいるが顔は喜んでいる。
会いたくて仕方なかった、リラ達にようやく会えたんだ。
感情のコントールが出来なくなっているんだろう。
クラウディアは泣きながらリラに抱きついた。
リラは驚きながらも、クラウディアを抱きしめ返していた。
「……すまんな。夢にまで見た子達に会えて嬉しいんだろう」
アルベールが私の元へやって来て、説明してくれた。
「分かってる。落ち着くまでリラに頑張ってもらう」
私達は、クラウディアが落ち着くのを黙って待っていた。
しばらくすると、泣き腫らしたクラウディアが顔を上げた。
リラが心配そうに顔を見ているが、その心配された事が嬉しかったのだろう。再び泣きだした。
──こりゃ、まだかかりそうだ……
「コルネリア。誰です?」
後ろから声がかかり、振り返るとラルスが立っていた。
「あぁ、アルベールの嫁だ。今日からここに住む」
「はぁ、アルベール団長の嫁…………──嫁!!!?」
嫁の言葉にラルスも驚いたらしい。
──こいつも知らなかったのか。
「あははは!!すまんなラルス、言う機会を逃していた」
アルベールは詫び入れることなく、豪快に笑っていた。
「さあ、皆を紹介しようか?」
ここの住人になるなら、皆を紹介しなければな。
私は皆を集め、1人ずつ紹介して行った。
クラウディアは子供なら種別を越えているらしく。ルーやバジャーまで抱きしめ、思う存分愛でいた。
……バジャーは綺麗な女に抱きしめられ、それはそれは嬉しそうだったな。鼻の下が伸びっぱなしだった。
後は猛猪達獣を紹介したかったが、それはおいおいと言うことになった。
とりあえず皆、新参者を快く迎えてくれた事に胸を撫で下ろした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる