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昨日の今日で……本当、勘弁してください
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その後、部屋に戻るとげっそりやつれたライがテーブルに突っ伏していた。
相当ご令嬢達に熱い洗礼を受けた様だった。
「何なんだ、あの女達は……人間界の女という生き物はあんなに目を血走り男を狙うのか?あれなら天界の女神の方がまだまともだぞ?」
ブツブツ文句を言っている。
どうやら、トラウマを植え付けてしまったらしい。
まあ、夜会なんて出会いの場なんだから、美男に化けたライも悪い。
「それはそうと、お前……さっき闇に呑まれただろ?」
ギクッ!!
流石は神様。即バレですな。
ギロッとこちらを睨んでいるライの視線が突き刺さる……
だけど、一人も死人を出していないし、自分で抑えつけたんだから文句を言われる筋合いはないと思う。
まあ結構ヤバい状況ではあったし、何よりアイザックにバレたけど……
「お前……本当……」
一通りの経緯を話すと、ライは大きな溜息を吐きながら頭を抱えていた。
これは、確実に小言が長くなると察した私は逃げることにした。
「お説教は明日にして、今日は疲れたの」
「お前!!事の重要さが分かってないな!?」
「……分かってるわよ。これ以上騒いだらその舌引っこ抜くわよ」
そう言いながら私はベッドに入った。
それでもライは何やら騒いでいたが、無視して私は眠りについた……
◇◇◇
「お嬢様!!!」
朝早く扉が開かれリンが飛び込んできた。
私は眠い目を擦りながらゆっくり体を起こすと、仁王立ちのリンと目が合った。
「どうしたの、こんな朝早くから……」
「どうしたじゃありませんよ!!アイザック様がお待ちですよ!!」
その一言を聞いて一瞬で目が覚めた。
(聞き間違いかな?)
アイザックが待っていると聞こえたような気がしたんだけど?
待たせるも何も約束すらしてないのに?
「──おはようございます。シンシア嬢。男爵夫妻とイアンは既に出かけてしまわれたので、朝食を一緒にいかがですか?」
いたよ。扉に寄りかかっている一番会いたくない男が……
しかも、朝食のお誘いまで……
あれ?私昨日警告したよね?次は命がないとまで言ったわよ?
何?自殺願望者?それなら私が手を汚す前に自らあの世へ行ってくれる?
「……なんとも、酷い言い草ですね」
苦笑いしているアイザックの隣には、鬼の形相のリンが私を睨んでいた。
「あれ?心の声漏れてた?」
「ダダ漏れですよ!!まったく、お嬢様たらアイザック様になんて事言うんですか!!──ほら、早く起きて顔を洗ってください」
リンに急かされ、ようやくベッドから下りた。
ふと、テーブルを見ると専用に作ったベッドの上で涎を垂らしながら眠るスズメの姿があった。
(呑気なものね。まったく……)
リンがアイザックを食堂へと案内しに行ったのを確認してから、呑気に眠っているスズメを掴みあげた。
「──……んあっ!?」
「おはよう。お目覚めかしら?」
ニッコリ微笑みながら朝の挨拶をしたが、ライは寝ぼけているのか、まだ寝ているか頭の重心が定まらない。
「ちょっと!!起きて!!緊急事態よ!!」
「──ちょっ!!待て!!止まれ!!」
上下左右に振ると、ようやく目が覚めた様だ。
「……お前、私は低血圧なんだぞ?」
「低血圧なスズメなんて聞いたことないわよ」
フラフラになったスズメをテーブルに置くと、その場にしゃがみこんでしまった。……なんという貧弱スズメ。
(この肉は見掛け倒しか?)
まあ、今はそんな事はどうだっていい。
リンが戻ってくる前にライにアイザックの事を話した。
しかし、ライはいたって冷静に受け入れていた。
「アイザックがいるのは当然だろ。しばらく滞在すると言ったろ?その滞在者と食事を共にするだけだろ?」
ド正論をぶちかましてくれた。
分かってた。このスズメはこういう奴だって。
「早く支度しろ。私も腹が減った」とライまで私を急かし始めた。
どいつもこいつも私の気も知らないで……
相当ご令嬢達に熱い洗礼を受けた様だった。
「何なんだ、あの女達は……人間界の女という生き物はあんなに目を血走り男を狙うのか?あれなら天界の女神の方がまだまともだぞ?」
ブツブツ文句を言っている。
どうやら、トラウマを植え付けてしまったらしい。
まあ、夜会なんて出会いの場なんだから、美男に化けたライも悪い。
「それはそうと、お前……さっき闇に呑まれただろ?」
ギクッ!!
流石は神様。即バレですな。
ギロッとこちらを睨んでいるライの視線が突き刺さる……
だけど、一人も死人を出していないし、自分で抑えつけたんだから文句を言われる筋合いはないと思う。
まあ結構ヤバい状況ではあったし、何よりアイザックにバレたけど……
「お前……本当……」
一通りの経緯を話すと、ライは大きな溜息を吐きながら頭を抱えていた。
これは、確実に小言が長くなると察した私は逃げることにした。
「お説教は明日にして、今日は疲れたの」
「お前!!事の重要さが分かってないな!?」
「……分かってるわよ。これ以上騒いだらその舌引っこ抜くわよ」
そう言いながら私はベッドに入った。
それでもライは何やら騒いでいたが、無視して私は眠りについた……
◇◇◇
「お嬢様!!!」
朝早く扉が開かれリンが飛び込んできた。
私は眠い目を擦りながらゆっくり体を起こすと、仁王立ちのリンと目が合った。
「どうしたの、こんな朝早くから……」
「どうしたじゃありませんよ!!アイザック様がお待ちですよ!!」
その一言を聞いて一瞬で目が覚めた。
(聞き間違いかな?)
アイザックが待っていると聞こえたような気がしたんだけど?
待たせるも何も約束すらしてないのに?
「──おはようございます。シンシア嬢。男爵夫妻とイアンは既に出かけてしまわれたので、朝食を一緒にいかがですか?」
いたよ。扉に寄りかかっている一番会いたくない男が……
しかも、朝食のお誘いまで……
あれ?私昨日警告したよね?次は命がないとまで言ったわよ?
何?自殺願望者?それなら私が手を汚す前に自らあの世へ行ってくれる?
「……なんとも、酷い言い草ですね」
苦笑いしているアイザックの隣には、鬼の形相のリンが私を睨んでいた。
「あれ?心の声漏れてた?」
「ダダ漏れですよ!!まったく、お嬢様たらアイザック様になんて事言うんですか!!──ほら、早く起きて顔を洗ってください」
リンに急かされ、ようやくベッドから下りた。
ふと、テーブルを見ると専用に作ったベッドの上で涎を垂らしながら眠るスズメの姿があった。
(呑気なものね。まったく……)
リンがアイザックを食堂へと案内しに行ったのを確認してから、呑気に眠っているスズメを掴みあげた。
「──……んあっ!?」
「おはよう。お目覚めかしら?」
ニッコリ微笑みながら朝の挨拶をしたが、ライは寝ぼけているのか、まだ寝ているか頭の重心が定まらない。
「ちょっと!!起きて!!緊急事態よ!!」
「──ちょっ!!待て!!止まれ!!」
上下左右に振ると、ようやく目が覚めた様だ。
「……お前、私は低血圧なんだぞ?」
「低血圧なスズメなんて聞いたことないわよ」
フラフラになったスズメをテーブルに置くと、その場にしゃがみこんでしまった。……なんという貧弱スズメ。
(この肉は見掛け倒しか?)
まあ、今はそんな事はどうだっていい。
リンが戻ってくる前にライにアイザックの事を話した。
しかし、ライはいたって冷静に受け入れていた。
「アイザックがいるのは当然だろ。しばらく滞在すると言ったろ?その滞在者と食事を共にするだけだろ?」
ド正論をぶちかましてくれた。
分かってた。このスズメはこういう奴だって。
「早く支度しろ。私も腹が減った」とライまで私を急かし始めた。
どいつもこいつも私の気も知らないで……
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