「悪役令嬢は愛おしきモフモフ♡へ押しかけたい‼︎」(完結)

深月カナメ

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「おチビの一つ一つの動きと、表情が可愛いな」 

 機嫌良く洞窟の中を歩くルイ。「クック」顔がにやけて仕方がない。いまごろ扉の向こうで、顔を真っ赤にしてんだろうな。

「だって、緊張するだろう」

 おチビには言わなかったが、お前の両親に会いに行くんだ。何か心を落ち着かせるものが欲しかった。そう、おチビの物が欲しかったんだよ。彼女の香りが俺を落ち着かせる。

 しかし、久しぶりに父とは違う人と会うのは、緊張するな。

「おチビの家族は獣人の俺を、受け入れてくれるだろうか?」

 彼女がどうしても欲しい。おチビの両親は首を振ってくれるだろうか? ドキドキする、もしダメだったらおチビを攫うかないな。

 俺の側にいて欲しい。
 俺を愛して欲しい。

 出会って間もない彼女に願う。

 まずは王城で父上に報告とおチビの両親への手紙を頼まないと……俺は城に向けて進んで行った。





 ルイさんが出かけた後、わたしはというと泡風呂に入っていた。

「泡風呂楽しー! お肌もツルツル、すべすべよ~」

 泡を頭に泡を載せたり、胸に巨乳と泡を載せて鏡を見た……首の付け根に見覚えのない、赤い痕がたくさん付いていた。   

「なんだこれ、噛んだあと?」

 誰が付けたって……彼しかいないけど、まさかね。え、嘘、ほんとに? あわあわのお風呂にドボンと浸かった。あの、かっこいい彼が……こんな痕を残すなんて。

「おチビだけと、チャンスあり?」

 わたしはお嫁さんになれる? お嫁んかぁ~、ん、いや、ちょっと待ってわたしが入る前に彼もこのお風呂に入ったよね、髪が濡れていたもの。

 同じお風呂……一緒に入りたいなぁ。

「ふぅ~のぼせそう」

 お風呂を出て泡を流して掃除を始めた。この猫足、可愛いし、湯船の形も凝ってておしゃれだよね。

「この蛇口も可愛い」

 そうだ、ついでに下着も洗っちゃおう。彼が帰って来る前には乾くはずだと、洗ってお風呂場に乾かした。

 彼シャツを着て、小腹が空いたのでキッチンで冷蔵庫を開けた。彼が切ってくれた果物が沢山お皿に乗っていた。どれも美味しそうだけど……見たこともない初めて見る果物が冷蔵庫にいっぱい。

「お肉より果物が好きなのかな?」

 獣人さんなのに? う~ん。果物を食べる姿も可愛いかも。

 お皿から一切れつまんで口に入れた。

「甘い、美味しい」

 味は桃みたい。

「これは梨の味で、こっちは林檎だ~?」

 見た目と形は違うけど、どれもこれも甘い。
 お皿にたくさんあった、果物はわたしの口に消えた。
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