「悪役令嬢は愛おしきモフモフ♡へ押しかけたい‼︎」(完結)

深月カナメ

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「おチビ、おい起きろ」

「んんっ、ルイしゃん?」

 胸元のもふもふの毛から顔を上げると、彼の優しい笑顔が見えた。

「もふもふ、ふかふか!」

「おい、こらっおチビ、俺の胸に顔を埋めるな!」

「お願い、もう少し楽しませて!」

 もふもふ、すりすり、彼の胸の柔らかい毛に顔を埋めた。気持ちいいもふもふは堪らない。

「こらっ、おチビ!」

「きゃっ」

 ぐいっと胸から離されてベッドに押し倒された。
 彼はわたしを怒ったような困った表情で見つめて。そして覚悟しろと言わんばかりに迫ってくる、あと数センチで唇がくっつきそうな距離まできた。

「おチビは男の胸に顔を押し付けるなんて、スケベだな女の子だな。煽ったぶん覚悟しろよ、俺も容赦しない」

「うっ、ごめんなさい調子に乗りました……ん、ンンっ!」

「許さん!」

 もふもふで柔らかな彼の容赦ないキスが降り注ぐ。息が苦しくて逃げても逃げても……追っかけてきて、やめてくれない。
 
「はぁ、ル、イ……」

「もっと、おチビを寄越せ」

 欲のこもった彼の瞳。彼の腕の中から逃げようとしたけど、両手を掴まれベッドに押し付けられる。

「逃がさんと言っただろう!」

「あっ……ん、だめ」

「暴れるな、覚悟しろ!」

 唇が角度を変えて、わたしの唇を何度も奪う。

「おチビ……可愛い。噛みたい……噛むぞ」

 こくりと頷くとかぷっと首筋を甘噛みした。それだけでは終わらず、ガジガジ、かぷかぷ、最後に首筋をペロンざらざらな舌で舐められた。

「ひゃあ!」

「甘いな、もっとくれ」

 そんなことを言う彼にわたしは恥ずかしくなり、声にならない悲鳴を上げどうにか彼の下から抜けだした。

「おチビ」

「もう無理!」

 呼ばれたけど振り向かず、そのままお風呂場に逃げ込んだ。お風呂の扉に寄りかかり、上がってしまった、鼓動を抑えようと深呼吸した。

(はぁ、はぁ、まだ、ドキドキする)

  脱衣所の鏡に映るわたしは真っ赤だ。彼に噛まれた首筋と体中は真っ赤に染まっていた。

(でも、彼にこんなにも愛されている)

 鏡の前で早まった鼓動が収まる前に、後ろの扉が開き彼が入ってきた。

「おチビを食べ足りない」

「ルイは、十分に食べました」

 強く言うと彼はがっかりしたみたい。

 「わかった、今日は我慢する。じゃあ、いっしょに泡風呂に入ろう」

「今日は我慢? えぇ泡風呂!」

 わたしが驚きで固まる横で、彼はちゃっちゃっと泡風呂を用意して溜まった湯船にズボンを履いたまま、ドボンと浸かった。

「ルイ、服着たままだよ!」

「気にするなって。気持ちいいぞ、おチビも来いよ」

 伸ばされた手を掴むと引っ張られて、彼の上に乗っかった。

「おチビ、そこの泡風呂の元を取って」

 泡風呂の素を湯船落とすと、お湯が泡風呂に変わる。しばらく2人で浸かり体を温めた。
 次に洗い場移り、泡をお互いの頭に乗っけたり、彼の大きな背中を両手で洗い。彼もわたしの背中を大きな手で洗ってくれた。

「小さな背中だな」

「ルイが大きいだけです」

「ははっ、そうだな。でも、そのお陰でおチビを腕の中に簡単に閉じ込めれる」

「えっ、きゃっ!」

 彼の大きな腕に抱きとめられて、湯船の中に飛び込む、泡が飛び散り2人共泡だらけだ。
 
「あわあわ、楽しいな!」

「うん、楽しい!」


 ひとしきり泡風呂を楽しんでだ後、シャワーで泡を流すのだけど……彼の意地悪が始まった。

「ひゃっ、それは水です。やめてよ、冷たい!」

「そうか? 悪い悪い」

 悪いと言いながらも辞めてくれない。「とおっ!」と彼の方に飛んでぎゅっと抱きついた。彼は飛んできた、わたしを受け止めてくれたけど。

「うわぁ、冷たい! おチビ」

「最初にルイがやったの、わかった、冷たいよね!」

「あぁ、冷でぇー悪かったよ、おチビ」

 反省しながらも彼は楽しそうに笑っていた。この意地悪な彼も素敵にみえてしまう、わたしは彼に夢中なんだ。

「ちゃんと反省してくださいね」

「はい、わかったよ。そろそろ時間か? おチビの両親の所に行かないとな」

(うっ! お父様とお母様の所……)

 絶対に2人に怒られる。手紙一つで家出したんだ……でも、わたしが悪いからしっかり怒られよう。

「おチビ、風呂の掃除はやっとくから、先に着替えて寝室で待っていて」

「はーい」
 
 彼はそう言ったけど何を着るのだろう。もしかしてワンピースでも用意してくれた。寝室に行くとベッドの上には、綺麗に畳まれた彼シャツが置かれていた。

「やっぱり、これを着るのね」

 洗った下着とシャツを身に付けて、ベッドに座って彼を待っていた。
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