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三十一 王子は収穫祭に誘いたい。
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「おはようございます、リチャード様」
「おはよう、ミタリア」
昨日までの欲求が嘘のように収まっていた。王子も昨日とは違い、なんだかスッキリした表情をしている。
「朝食はここで取ろうか?」
「はい、あのリチャード様、昨日はすみません……あんなにもみもみして、もふもふしてしまって、それに甘えてしまって」
「いや、俺もあんなに、ミタリアを甘噛みして悪かった」
「それは平気です。幸せに感じましたから……あっ、いまの忘れてください、本音がポロリ……」
「ミタリア、俺もだ。あんなに甘えてもらえると、その、嬉しい」
お互いに言ってたことで真っ赤かもしれないけど、いまは獣化して狼と猫の姿。でも、王子がデレデレで照れているのはわかった。
だって、キリリとした目元が、目尻が垂れ下がってるのだ。
王子は朝食を頼み、メイドが客間のテーブルに朝食を用意してくれた。メニューはポテトサラダのサンドイッチとじゃがいものポタージュとサラダ。ポテトサラダのマヨネーズは、家のコックと一緒に作った自信作。
じゃがいもの料理募集の時に、コックの名前でレシピを提出して採用されたものだ。
「いただきます。んんっ、ポテトサラダ美味しい……マヨネーズの味が変わった? すごくマイルドで美味しくなってる」
「あーそれか。俺さ、前のも嫌いじゃなかったんだけど、ちょっと酸っぱいものが苦手で……マイルドにならないかとコックに頼んだんだ」
「前のも好きだけど、これはみんなに受ける味よ。集まったレシピが更に美味しくなるなんて、食べるのがもっと好きになりそう……太っちゃう」
王子考案――このマヨネーズは何にかけても、美味しくなる物だわ。私けっこうマヨネーズ好きだった。金欠の時なんて目玉焼き丼とか、ご飯にマヨネーズと醤油で食べていたのを思い出した。
「太るって? ミタリアは……自分が思っているほど太くないぞ、むしろ俺の好きな体型だ」
「えっ、好きな体型? あ、その、ありがとうございます」
「い、いや」
しどろもどろで、真っ赤になった2人の朝食は続いた。食事が終わると王子は執務に向かけど私に書庫に行くか、俺と一緒に執務室に来るかと言われて、つい。
「リチャード様に着いていっても、いいのですか?」
と言ってしまった。王子のお仕事の邪魔になるのでは?
側近のリルに文句を言われるのでは? など考えていたのだけど。王子と一緒に執務室に着いてきた私を、側近のリルは嫌な顔ひとつもせずに、中に入れてくれて書類整理という仕事までくれた。
黙々と書類整理をしていた。王子が1枚の書類を手に持ちリルに聞く。
「リル、この書類の内容は父上も知っているか?」
「はい、その書類は国王陛下が一度、目を通した書類です」
「分かった……今年の収穫祭は規模を小さくして、開催されるのだな良かった、皆喜ぶな」
収穫祭? あの出店が王都の外まで並ぶという収穫祭。毎年、両親とナターシャで来ていたわ。
「収穫祭って、毎年11月にあるんですよね」
「あぁ、今年は11月5日に開催する。なんだ、ミタリアも楽しみか……そうだ、今年の収穫祭一緒にまわらないか?」
「リチャード様とご一緒に? お忙しくないのですか?」
「大丈夫だ。まぁ俺と一緒だと視察になるが、色々見られて楽しいと思う」
収穫祭を王子と一緒に。
「はい、喜んでお受けいたします。いまから収穫祭が楽しみ!」
その答えに。ぷっと笑いだした側近のリル。
笑うなんて失礼ね、と彼を見ると、リルは王子を見てにやにや笑い。
「いや、リチャード様、良かったですね。その手にお持ちの書類をミタリア様に見せたくて仕方なかったのですよね。いつ切り出そうか悩む姿が丸見えでしたよ」
「それを言うな、リル!」
真っ赤になって怒る王子。
王子が私をどう誘おうか迷っていたなんて。
「ふふっ、ふふ」
「ミ、ミタリアも笑うな!」
「だって、リチャード様が可愛い」
笑って伝えた。
「お、俺がかわっ、いい⁉︎ はぁ、俺が可愛いい?」
私の位置からは見えなかったのだけど。リルからは見えたらしく、ニシシっと彼は笑い。
「リチャード様がぶんぶん尻尾を振って喜んでいる。これは面白い、後でみんなに収穫祭の事と一緒に教えてやろうっと!」
「リル! やめろ。みんなにからかわれる!」
いつもは静かな執務室から、珍しく王子の大きな声が上がった。
「おはよう、ミタリア」
昨日までの欲求が嘘のように収まっていた。王子も昨日とは違い、なんだかスッキリした表情をしている。
「朝食はここで取ろうか?」
「はい、あのリチャード様、昨日はすみません……あんなにもみもみして、もふもふしてしまって、それに甘えてしまって」
「いや、俺もあんなに、ミタリアを甘噛みして悪かった」
「それは平気です。幸せに感じましたから……あっ、いまの忘れてください、本音がポロリ……」
「ミタリア、俺もだ。あんなに甘えてもらえると、その、嬉しい」
お互いに言ってたことで真っ赤かもしれないけど、いまは獣化して狼と猫の姿。でも、王子がデレデレで照れているのはわかった。
だって、キリリとした目元が、目尻が垂れ下がってるのだ。
王子は朝食を頼み、メイドが客間のテーブルに朝食を用意してくれた。メニューはポテトサラダのサンドイッチとじゃがいものポタージュとサラダ。ポテトサラダのマヨネーズは、家のコックと一緒に作った自信作。
じゃがいもの料理募集の時に、コックの名前でレシピを提出して採用されたものだ。
「いただきます。んんっ、ポテトサラダ美味しい……マヨネーズの味が変わった? すごくマイルドで美味しくなってる」
「あーそれか。俺さ、前のも嫌いじゃなかったんだけど、ちょっと酸っぱいものが苦手で……マイルドにならないかとコックに頼んだんだ」
「前のも好きだけど、これはみんなに受ける味よ。集まったレシピが更に美味しくなるなんて、食べるのがもっと好きになりそう……太っちゃう」
王子考案――このマヨネーズは何にかけても、美味しくなる物だわ。私けっこうマヨネーズ好きだった。金欠の時なんて目玉焼き丼とか、ご飯にマヨネーズと醤油で食べていたのを思い出した。
「太るって? ミタリアは……自分が思っているほど太くないぞ、むしろ俺の好きな体型だ」
「えっ、好きな体型? あ、その、ありがとうございます」
「い、いや」
しどろもどろで、真っ赤になった2人の朝食は続いた。食事が終わると王子は執務に向かけど私に書庫に行くか、俺と一緒に執務室に来るかと言われて、つい。
「リチャード様に着いていっても、いいのですか?」
と言ってしまった。王子のお仕事の邪魔になるのでは?
側近のリルに文句を言われるのでは? など考えていたのだけど。王子と一緒に執務室に着いてきた私を、側近のリルは嫌な顔ひとつもせずに、中に入れてくれて書類整理という仕事までくれた。
黙々と書類整理をしていた。王子が1枚の書類を手に持ちリルに聞く。
「リル、この書類の内容は父上も知っているか?」
「はい、その書類は国王陛下が一度、目を通した書類です」
「分かった……今年の収穫祭は規模を小さくして、開催されるのだな良かった、皆喜ぶな」
収穫祭? あの出店が王都の外まで並ぶという収穫祭。毎年、両親とナターシャで来ていたわ。
「収穫祭って、毎年11月にあるんですよね」
「あぁ、今年は11月5日に開催する。なんだ、ミタリアも楽しみか……そうだ、今年の収穫祭一緒にまわらないか?」
「リチャード様とご一緒に? お忙しくないのですか?」
「大丈夫だ。まぁ俺と一緒だと視察になるが、色々見られて楽しいと思う」
収穫祭を王子と一緒に。
「はい、喜んでお受けいたします。いまから収穫祭が楽しみ!」
その答えに。ぷっと笑いだした側近のリル。
笑うなんて失礼ね、と彼を見ると、リルは王子を見てにやにや笑い。
「いや、リチャード様、良かったですね。その手にお持ちの書類をミタリア様に見せたくて仕方なかったのですよね。いつ切り出そうか悩む姿が丸見えでしたよ」
「それを言うな、リル!」
真っ赤になって怒る王子。
王子が私をどう誘おうか迷っていたなんて。
「ふふっ、ふふ」
「ミ、ミタリアも笑うな!」
「だって、リチャード様が可愛い」
笑って伝えた。
「お、俺がかわっ、いい⁉︎ はぁ、俺が可愛いい?」
私の位置からは見えなかったのだけど。リルからは見えたらしく、ニシシっと彼は笑い。
「リチャード様がぶんぶん尻尾を振って喜んでいる。これは面白い、後でみんなに収穫祭の事と一緒に教えてやろうっと!」
「リル! やめろ。みんなにからかわれる!」
いつもは静かな執務室から、珍しく王子の大きな声が上がった。
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