モブの聖女に転生したのですが、18禁BL主人公を私が癒してもよろしいのですか?

矢間カオル

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43話 いつもと違う

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「わかりました。少々お待ちください。」
私はガトーさんの治療をすぐに終えて、クリード様の治療に当たった。

手をかざし「治れ治れ」と心の中で念じる。

「ん?」
おかしい。神聖力の流れがいつもと違う。

いつもなら、水を注ぐように神聖力が流れ込んで行くのに、何故か邪魔をされている感じがする。

「すみませんが、直接触れます。タオルを取っていただけますか?」
私は直接クリード様の鼻に触る。

そして強く念じたけれど、やっぱり神聖力の流れを邪魔されている。
押し返されているって感じかな?
だけど、私の力の方が強いみたいで、無理やりねじ込むことに成功した。

この感覚は初めてのことだった。

クリード様の鼻血は止まったけれど、思ったよりも時間がかかってしまった。

「終わりました。」

「ああ、お陰で助かったよ。ありがとう。」
クリード様がほっとした顔でお礼を言うので、私もほっとしたのだけれど・・・
何故か、ガトーさんの顔が怒っているように見える。

大好きなクリード様を、私が直接触ったのが、気に入らなかったのかもしれない。

「聖女様、クリード様が終わったら、実は肩も痛いので、癒しの治療をしていただけますか?」
ガトーさんのその言葉は、これ以上クリード様に触るなと言われているような気がした。

やっぱり二人は、惹かれ合っているの? 

私はガトーさんの肩に手をかざしたが、これは十秒で終わった。

「何故・・・」
「あの・・・、何か?」

ガトーさんが何か言いかけたので、問いかけてみたのだが「いや、何でもありません。気にしないでください。」とはぐらかされてしまった。

ちょっと今日のガトーさんはいつもと違う気がする。
好きな人を前にしているからなのかな?




俺は仕事が終わって自室でワインを飲みながら、今日のことを振り返った。

はあ、俺は何と心の狭い男なのだ。

せっかく救護室で、エクレーヌと二人っきりになれたと喜んでいたら、クリードが現れた。

もう監視には行かなくても良いと伝えていたが、あれだけの鼻血を出しているのだから仕方がないと思った。

だけど・・・、エクレーヌが直接クリードの顔に触った瞬間、俺の心に嫉妬の炎が湧き上がった。

エクレーヌは俺の時よりも真剣な顔で、しかも触っている時間が長い。
俺のあざは二十秒ほどだったのに・・・。

クリードの鼻血が止まってから、俺は駄々っ子のように、彼女に肩の治療も頼んだ。

だが・・・、今度はたったの十秒?
触ってもくれなかった・・・。

ああ、こんなことでいったいどうする? 
嫉妬の塊のような自分が嫌になる。
だが、エクレーヌとクリードの二人を見ていると、どうしても冷静ではいられないのだ。



俺はもっと冷静になるべきだ、風呂にでも入って、身を清めるとするか・・・と思っていたら、
「シューク、入るぞ!」
クリードの声がした。

一瞬、エクレーヌが来たかと思ったが、彼女は俺が呼ばないのに来るような女性ではない。

部屋の中に入って来たのは、正真正銘のクリードだ。

「どうしたんだ? こんな夜に。」

「シューク、大変なことが起こった。俺を見てくれ。」

クリードが俺に見せた手の甲には、黒いつる草の文様が浮き出ていた。



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