令嬢に転生したけど婚約破棄されたので侍女として成り上がります。

北南東西

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「お嬢様がお昼寝なんてしちゃうから、せっかく余裕もって準備できたのに~」

 私はお付きのメイドさんらしき人物にコルセットを着せられている。これからドレスを着るみたいだ。
状況を再確認しよう。庭らしき場所の木陰で目覚めた私は、このメイドさんに連れられるまま屋敷に入る。屋敷内はとても豪華な装飾を施した家具やらなんやらが溢れていて、いかにも貴族って感じだ。 
 屋敷内はこれからイベントがあるのかというくらい使用人っぽい人達が忙しく働いていた。そのままメイドさんに一室に連れ、コルセットを着せられて、今に至る。
いい歳して年下の女の子にお世話してもらうのは、若干恥ずかしいので一人で着替えることを伝えてみる。

「あ、あのぉ~これくらい自分でてててててて!きつーーっ」

伝えきる前にメイドさんに思いっきりコルセットを締め付けられる。コルセットってこんなにキツく縛るの?

「?シェルエッタ様、何か仰いましたか?」

私の申し出は伝わらなかったみたいだが、この体の名前を聞き出すことに成功する。シェルエッタというらしい。鏡を見るにシェルエッタは16歳くらいの女の子で、ライトグリーンの瞳と少し茶髪が混じったブロンドヘアーを持っていて、とても可愛らしい。え?ていうか目でかっ!前世の私が見たら嫉妬しちゃうわ。
なんて事を考えてるうちに、メイドさんが次々と私の身なりを整えてくれる。なんて手際の良さだ。

「これでお終いっと。すごく美しいですよ。」
「わぁ…。」

自分のようで自分ではない顔に見惚れていると、この体の本当の持ち主シェルエッタのことが頭に浮かんだ。まさか私の精神がシルエットの精神を掻き消してしまったのだろうか…?考えてたくない…。

「さぁさぁ、準備も終わった事ですし会場の方に急ぎますよ!」
「え?会場って?」
「寝ぼけてるんですかお嬢様?今日はシェルエッタお嬢様とヴァーレン伯爵家の嫡男ハイレント・ヴァーレン様との婚礼の儀を行う日ですよ!」

婚礼の儀?結婚式みたいなものだろうか?それが誰と?シェルエッタって……私かっ!
えっ!?えっっ?いきなり結婚!?異世界に来ていきなり結婚ですか!

コンコンッ

「どうぞー!」

軽くパニックになっていると誰かが来た。

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