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のぼせるからと、グレオルは湯槽から上がり、体を洗う。
グレオルの体躯は、余すことなく鍛えられて、筋肉の造形に骨格の均等さまで、すべてが芸術品だった。
これは役得だったな、とデイルは少し思った。やましい記憶さえ封じてしまえば、いっそ美術鑑賞に近い。まあ、見惚れているのは隠して、作業はちゃんとする。
ひと通り上半身を洗ってから、次、とそこを見て……デイルはうろたえた。
王太子は苦笑して、デイルから布巾を取り上げる。
「そこはいい」
言われて慌てて目をそらす。
けれど、一度まじまじと見てしまった。まだ、彼の股間は手ぬぐいを珍妙な三角に形作っていた。
なぜ!と心で叫んでいるが、口に出せるほどの勇気はない。
「気持ち悪いだろうが、許してくれ」
「い、いえ」
同じ男だ、生理現象だから仕方がないというのは分かるが……
つまり、グレオルはデイルを前に、そういう気分だということだ。ずっと。
気持ち悪いというよりは、戸惑いが大きい。
本当に、どうしてデイルだったのだ。
グレオルは異性愛者だった。それは情報としても、間近で見ていたデイルの感覚としても間違いがない。
デイルは、男だ、どこからどう見ても。
しかも美男でもない、グレオルのように肉体美を持つわけでもない。筋肉はないわけではないが、成長期を明けたばかりで枯れ木に近いような肉付きの悪さ。こう言ってはなんだが、見た目には、まったくおいしそうではない。
「……ありがとう。お前がまだだったな」
グレオルの言葉に、はっとして頷いた。
「あ……はい、僕は少し湯を使わせていただいて、のちに……」
「俺がしてやろう」
「……はい?」
「お前にしてもらったんだから、お返しに」
薄く笑って、グレオルはデイルを見ていた。
濡れ髪から雫が流れて、しっかりした首筋を伝う。肌が上気して薄紅色で、ゆるく笑む瞳は湯気にけぶって匂い立つような艶がある。
デイルは硬直した。
「……なあ、頼む」
吹き込まれるようなゆったりとした声に、顎を落としかけてはっとなった。
「お、王太子殿下にそんなことを……」
「それを言うならお前だってする必要はなかっただろう。メイドを呼べば良かった」
「……今は誰も信用できませんので」
それはさすがに言っておく。派手に狙われたあとに、不特定の人間にこんな無防備をさらす真似は許せなかった。
「そうだな」
グレオルは小さく笑った。
「だが、お前も手があったほうがよくないか」
「ひとりでできます」
「ああ、何も、洗うだけしかしない、不必要に触らない」
「……」
「どうしても……だめか?」
少し悲しげに、首を傾げるのをやめてほしい。
(分かってててやってるだろ……!)
腹立たしい。
胸を締め付けられるような、甘い痛みは前より強く感じる。
ヤブヘビだ、と頭の冷静な部分が叫んでいるのに、息苦しさが上回る。
何をされても文句は言えないぞ、と理性が言い捨てて引っ込んだ。
負けた。
「……本当に、洗うだけ、なら」
「デイル!」
ぱあっと掛け値なしの笑顔になる麗しの王太子に、勝てる人間は少ないだろう。
やり方が分からないからと、デイルが王太子にしたそのままを繰り返すようだった。
湯槽に浸かり、髪を洗ってもらう。少し長いデイルの髪は、たぶんグレオルのものより厄介だ。
「すみません……」
「俺がやると言ったんだ」
鼻歌でも歌いそうな上機嫌で、デイルの髪に触るグレオルは、基本器用すぎるくらいで、見様見真似だといいつつ完璧にやってのける。
そっと頭皮に触れる指が、優しい。
デイルは普通に平民なので、こんな世話などされたことは一度もない。
贅沢だ、贅沢すぎる。
どこに王子様に世話を焼かせる人間がいるのだ。
いっそ現実味がなくて、おかしくなってしまう。
「ん?どうした?」
「いえ、王太子殿下に手伝わせて、不敬すぎるなと」
「俺が好きにしたんだ、誰にも文句は言わせん」
わざとしかつめらしく王太子は言って、丁寧に湯をかけてくれた。
「……これは」
腕を取られて言われるまで忘れていた。
「……ああ、大丈夫です、破片は残っていません」
手の甲に突き刺さっていた破片はそこそこ深いようだったが、痛みもあまり感じなかったため、放置していた。血がにじんでいたが、湯で都度流れていたので王太子にはつけていないだろう。
じっと、傷を眺めるグレオルの顔は、真剣だった。
ふっと、持ち上げられたデイルの手。
そこに、王太子が口を近づけた。
「……っ」
急に触れられて、ピリッとした痛みが走った。
グレオルに、触られた……唇で。
「殿下!」
思わず手を引き抜く。
「すまない……」
苦しげな声は、何に対しての謝罪か。
顔がこわばっているデイルの、肩にそっと布巾が当てられた。
「お前に助けられて、感謝している。だけれど、同時に、お前にはこれ以上傷ついてほしくないとも思うんだ」
「……」
「上がったら、手当てしよう」
「……はい」
傷の放置は衛生上よくない。素直に頷いていく。
首や、肩のところにも細かい傷があったらしく、拭われると少し痛い。破片は残っていないか、グレオルはよく見てくれた。
デイルが王太子にしたより手間がかかっている気がする。
「……俺も聞いていいか。お前は俺のどこが良かったんだ」
聞かれるだろうとは、思っていた。
「……………………、お顔、です」
そう答えたのはわざとだ、けれど一番最初の理由でもある。
ともかく、こんなかっこいい人間を見たことがなかった。憧れたし、それは今も、最初よりは薄れているが、ないわけがなかった。
デイルは日陰の人間だった。
捨て子だった。教会の入り口に放置されていたのだとか。孤児院にしばらく預けられたが、物心つく前に組織に売られたと聞いている。
それ以来、存在しない間諜として生きてきた。幽霊のようなものだ。
だから光り輝くような、正道を堂々と進む、恐ろしく美しいドリザンドの王太子は、想像を超えた良き物の頂点だった。
それが、デイルの中で転落したのは言うまでもないが……勝手に憧れていたものを台無しにされたからといって、それは身勝手な怒りだ。自身への仕打ちは別カウントだが。
けれど、なにをどうしようと相変わらず、王太子は見てくれだけは格好良かった。
それに、彼は人間なのだな、と今になって思っている。
「そうか、顔、か」
わざとぞんざいな答えにしたのに、怒るだろうと思っていたグレオルは感慨深そうに頷いている。
「何があっても守らねばな」
「……殿下?あの?」
「これ以上デイルに嫌われたら俺は生きていけない」
真剣すぎて、冗談に聞こえなかった。
失敗した、となんとなく思った。
湯槽から上がり、丁寧に磨かれたときはいたたまれなさと恥ずかしさで顔が引きつっていた。グレオルは気にすることなく仕事を進め、そしてデイルと同じところで手が止まった。
「……自分で、しますから」
下着はつけたままで、さすがにこれは他の人にどうこうされたくない。
「あ、ああ」
ぎこちなく王太子は目を逸らした。
手早く湯で流して、終わらせる。
気づいていたが、体を洗われているときも、ずっとグレオルの腰のそれは、存在を主張していた。
苦しくはないだろうか。
どうして我慢してまでデイルの世話をしたがったのか、そこは理解が出来なかった。
いたたまれないし、心苦しい。
ちゃんと、約束通り、必要以上に触れてこなかった。
どうもしなくていいと、彼は言ったけれど。
デイルの気持ちはずっとこのまま、中途半端でいいのだろうか。
これは、自分の問題だ、グレオルはその点、優しすぎた。
受け入れろとも言わない、捨てろとも言わない。彼の立場を考えれば、デイルなどさっさと見切りをつけさせるべきだ。
男で平民の元敵。相手としては最悪だ。
自分の副官が気に入っているというだけなら、仕事だけで関わればよくて、どうしてもというなら愛人にでもすればいい。
できないのは、デイルにした行いと、気持ちのせいだということだろう。
駄目だと、思いながら、デイルは切なくなってしまった。
バカだな、と思うのに。
「殿下」
「ああ、終わ、」
「そちらを手伝いましょうか」
ぎくり、と音がしそうなほど、グレオルはすべての動きを止めた。
デイルのために、痛いだろうに床に膝をついた、そのままの姿勢で。
完全に伝わっている。グレオルは首をゆっくりと回し、引きつった笑みを見せた。
「……忘れたのか、俺は終わっている」
「ぶっちゃけ、それどうするんですかと言いました」
「……」
もう一度動きを止め、少ししてグレオルは深々とため息をついた。苛立たしげに、濡れた髪をかき上げる仕草が、あまりにも目に毒だ。
「デイル、冗談では済まないぞ」
「……貴方様は僕にどうもしなくていいと言いましたが、僕にも色々思いはあるんです」
「……」
「抜くだけです。それ以上は、今は困りますけど……」
「……今は?」
「……」
さすがに気づくか。
じわりと頬が熱くなるのは、止めようがなかった。
それをバッチリ見ているグレオルの目が、きらきらと光を増していく。
「今は、だな」
「……期待されても、困るかもしれなくて……僕自身、自分のことがよくわかりません。突然、嫌になることだって、あるかもしれなくて」
「その時はその時だろう」
「突然嫌いとか言い出すかも」
「かまわん。今は、手伝ってくれてもいいんだろう、それでいい」
王太子は、とろけるような笑みだった。
そんなにうれしがることなのだろうか。
やっぱり、よく分からないが、デイルもやめる気がないのはたしかだった。
グレオルの体躯は、余すことなく鍛えられて、筋肉の造形に骨格の均等さまで、すべてが芸術品だった。
これは役得だったな、とデイルは少し思った。やましい記憶さえ封じてしまえば、いっそ美術鑑賞に近い。まあ、見惚れているのは隠して、作業はちゃんとする。
ひと通り上半身を洗ってから、次、とそこを見て……デイルはうろたえた。
王太子は苦笑して、デイルから布巾を取り上げる。
「そこはいい」
言われて慌てて目をそらす。
けれど、一度まじまじと見てしまった。まだ、彼の股間は手ぬぐいを珍妙な三角に形作っていた。
なぜ!と心で叫んでいるが、口に出せるほどの勇気はない。
「気持ち悪いだろうが、許してくれ」
「い、いえ」
同じ男だ、生理現象だから仕方がないというのは分かるが……
つまり、グレオルはデイルを前に、そういう気分だということだ。ずっと。
気持ち悪いというよりは、戸惑いが大きい。
本当に、どうしてデイルだったのだ。
グレオルは異性愛者だった。それは情報としても、間近で見ていたデイルの感覚としても間違いがない。
デイルは、男だ、どこからどう見ても。
しかも美男でもない、グレオルのように肉体美を持つわけでもない。筋肉はないわけではないが、成長期を明けたばかりで枯れ木に近いような肉付きの悪さ。こう言ってはなんだが、見た目には、まったくおいしそうではない。
「……ありがとう。お前がまだだったな」
グレオルの言葉に、はっとして頷いた。
「あ……はい、僕は少し湯を使わせていただいて、のちに……」
「俺がしてやろう」
「……はい?」
「お前にしてもらったんだから、お返しに」
薄く笑って、グレオルはデイルを見ていた。
濡れ髪から雫が流れて、しっかりした首筋を伝う。肌が上気して薄紅色で、ゆるく笑む瞳は湯気にけぶって匂い立つような艶がある。
デイルは硬直した。
「……なあ、頼む」
吹き込まれるようなゆったりとした声に、顎を落としかけてはっとなった。
「お、王太子殿下にそんなことを……」
「それを言うならお前だってする必要はなかっただろう。メイドを呼べば良かった」
「……今は誰も信用できませんので」
それはさすがに言っておく。派手に狙われたあとに、不特定の人間にこんな無防備をさらす真似は許せなかった。
「そうだな」
グレオルは小さく笑った。
「だが、お前も手があったほうがよくないか」
「ひとりでできます」
「ああ、何も、洗うだけしかしない、不必要に触らない」
「……」
「どうしても……だめか?」
少し悲しげに、首を傾げるのをやめてほしい。
(分かってててやってるだろ……!)
腹立たしい。
胸を締め付けられるような、甘い痛みは前より強く感じる。
ヤブヘビだ、と頭の冷静な部分が叫んでいるのに、息苦しさが上回る。
何をされても文句は言えないぞ、と理性が言い捨てて引っ込んだ。
負けた。
「……本当に、洗うだけ、なら」
「デイル!」
ぱあっと掛け値なしの笑顔になる麗しの王太子に、勝てる人間は少ないだろう。
やり方が分からないからと、デイルが王太子にしたそのままを繰り返すようだった。
湯槽に浸かり、髪を洗ってもらう。少し長いデイルの髪は、たぶんグレオルのものより厄介だ。
「すみません……」
「俺がやると言ったんだ」
鼻歌でも歌いそうな上機嫌で、デイルの髪に触るグレオルは、基本器用すぎるくらいで、見様見真似だといいつつ完璧にやってのける。
そっと頭皮に触れる指が、優しい。
デイルは普通に平民なので、こんな世話などされたことは一度もない。
贅沢だ、贅沢すぎる。
どこに王子様に世話を焼かせる人間がいるのだ。
いっそ現実味がなくて、おかしくなってしまう。
「ん?どうした?」
「いえ、王太子殿下に手伝わせて、不敬すぎるなと」
「俺が好きにしたんだ、誰にも文句は言わせん」
わざとしかつめらしく王太子は言って、丁寧に湯をかけてくれた。
「……これは」
腕を取られて言われるまで忘れていた。
「……ああ、大丈夫です、破片は残っていません」
手の甲に突き刺さっていた破片はそこそこ深いようだったが、痛みもあまり感じなかったため、放置していた。血がにじんでいたが、湯で都度流れていたので王太子にはつけていないだろう。
じっと、傷を眺めるグレオルの顔は、真剣だった。
ふっと、持ち上げられたデイルの手。
そこに、王太子が口を近づけた。
「……っ」
急に触れられて、ピリッとした痛みが走った。
グレオルに、触られた……唇で。
「殿下!」
思わず手を引き抜く。
「すまない……」
苦しげな声は、何に対しての謝罪か。
顔がこわばっているデイルの、肩にそっと布巾が当てられた。
「お前に助けられて、感謝している。だけれど、同時に、お前にはこれ以上傷ついてほしくないとも思うんだ」
「……」
「上がったら、手当てしよう」
「……はい」
傷の放置は衛生上よくない。素直に頷いていく。
首や、肩のところにも細かい傷があったらしく、拭われると少し痛い。破片は残っていないか、グレオルはよく見てくれた。
デイルが王太子にしたより手間がかかっている気がする。
「……俺も聞いていいか。お前は俺のどこが良かったんだ」
聞かれるだろうとは、思っていた。
「……………………、お顔、です」
そう答えたのはわざとだ、けれど一番最初の理由でもある。
ともかく、こんなかっこいい人間を見たことがなかった。憧れたし、それは今も、最初よりは薄れているが、ないわけがなかった。
デイルは日陰の人間だった。
捨て子だった。教会の入り口に放置されていたのだとか。孤児院にしばらく預けられたが、物心つく前に組織に売られたと聞いている。
それ以来、存在しない間諜として生きてきた。幽霊のようなものだ。
だから光り輝くような、正道を堂々と進む、恐ろしく美しいドリザンドの王太子は、想像を超えた良き物の頂点だった。
それが、デイルの中で転落したのは言うまでもないが……勝手に憧れていたものを台無しにされたからといって、それは身勝手な怒りだ。自身への仕打ちは別カウントだが。
けれど、なにをどうしようと相変わらず、王太子は見てくれだけは格好良かった。
それに、彼は人間なのだな、と今になって思っている。
「そうか、顔、か」
わざとぞんざいな答えにしたのに、怒るだろうと思っていたグレオルは感慨深そうに頷いている。
「何があっても守らねばな」
「……殿下?あの?」
「これ以上デイルに嫌われたら俺は生きていけない」
真剣すぎて、冗談に聞こえなかった。
失敗した、となんとなく思った。
湯槽から上がり、丁寧に磨かれたときはいたたまれなさと恥ずかしさで顔が引きつっていた。グレオルは気にすることなく仕事を進め、そしてデイルと同じところで手が止まった。
「……自分で、しますから」
下着はつけたままで、さすがにこれは他の人にどうこうされたくない。
「あ、ああ」
ぎこちなく王太子は目を逸らした。
手早く湯で流して、終わらせる。
気づいていたが、体を洗われているときも、ずっとグレオルの腰のそれは、存在を主張していた。
苦しくはないだろうか。
どうして我慢してまでデイルの世話をしたがったのか、そこは理解が出来なかった。
いたたまれないし、心苦しい。
ちゃんと、約束通り、必要以上に触れてこなかった。
どうもしなくていいと、彼は言ったけれど。
デイルの気持ちはずっとこのまま、中途半端でいいのだろうか。
これは、自分の問題だ、グレオルはその点、優しすぎた。
受け入れろとも言わない、捨てろとも言わない。彼の立場を考えれば、デイルなどさっさと見切りをつけさせるべきだ。
男で平民の元敵。相手としては最悪だ。
自分の副官が気に入っているというだけなら、仕事だけで関わればよくて、どうしてもというなら愛人にでもすればいい。
できないのは、デイルにした行いと、気持ちのせいだということだろう。
駄目だと、思いながら、デイルは切なくなってしまった。
バカだな、と思うのに。
「殿下」
「ああ、終わ、」
「そちらを手伝いましょうか」
ぎくり、と音がしそうなほど、グレオルはすべての動きを止めた。
デイルのために、痛いだろうに床に膝をついた、そのままの姿勢で。
完全に伝わっている。グレオルは首をゆっくりと回し、引きつった笑みを見せた。
「……忘れたのか、俺は終わっている」
「ぶっちゃけ、それどうするんですかと言いました」
「……」
もう一度動きを止め、少ししてグレオルは深々とため息をついた。苛立たしげに、濡れた髪をかき上げる仕草が、あまりにも目に毒だ。
「デイル、冗談では済まないぞ」
「……貴方様は僕にどうもしなくていいと言いましたが、僕にも色々思いはあるんです」
「……」
「抜くだけです。それ以上は、今は困りますけど……」
「……今は?」
「……」
さすがに気づくか。
じわりと頬が熱くなるのは、止めようがなかった。
それをバッチリ見ているグレオルの目が、きらきらと光を増していく。
「今は、だな」
「……期待されても、困るかもしれなくて……僕自身、自分のことがよくわかりません。突然、嫌になることだって、あるかもしれなくて」
「その時はその時だろう」
「突然嫌いとか言い出すかも」
「かまわん。今は、手伝ってくれてもいいんだろう、それでいい」
王太子は、とろけるような笑みだった。
そんなにうれしがることなのだろうか。
やっぱり、よく分からないが、デイルもやめる気がないのはたしかだった。
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