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学園中等部
与えられた課題
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ミルズは会議のために研究室を後にしたので、レイアーとセレーネ達が残っている。
「さて、早速ですが、この研究室の研究内容について説明します。そちらにお座りください」
そう言って、レイアーは移動式黒板を持ってくる。久しぶりのレイアーの授業が始まるので、セレーネはかなり興奮していた。フェリシアは、セレーネが夢中になる程の授業がどのようなものなのか興味を抱いている。シフォンは、しっかりと理解しないといけないと思い内心張り切っていた。
「ここでは基礎魔術の開発が主な研究内容です」
「新しい基礎魔術って事?」
「はい。フェリシア様とシフォンさんは、上位属性についてご存知ですか?」
「基礎属性とは異なる全ての魔術よ」
「ゆ、有名どころで、し、神聖属性と氷属性があると……な、習いました……」
「はい。合っています。実は、現在氷属性を基礎属性に数えるかどうかという話し合いがされています。なので、もしかしたら、近い将来、その部分が変わるかもしれません。さて……」
レイアーは黒板に文字を書いていく。
「ここでの基礎魔術の開発は、上位属性魔術の簡略化にあります。基礎魔術は、基本的にその魔術陣が簡単なものになっています。皆さんもご存知ですね?」
そう言いながら、レイアーは基礎属性の魔術陣を出していく。
「基礎魔術は、単純で有り属性を顕現するだけという簡単な魔術です。ですが、上位属性のほとんどは最初から戦闘魔術であったり、生産魔術であったりと実用的なものが多くなります。では、何故、この簡略化が必要になるのか。セレーネ様はお分かりになりますか?」
「魔術の組み合わせに使用したいから?」
「正解です。先程、シフォンさんが言った氷属性は、魔術の組み合わせにより生み出された魔術です。フェリシア様は、何の属性の魔術か分かりますか?」
「火と水ね」
「正解です。火属性に含まれる熱の操作。この要素を水属性の魔術に組み合わせる事で、水を凝結させ氷にする事が出来ます。これが氷魔術の始まりですね」
レイアーは、火魔術と水魔術、氷魔術の基礎魔術陣を出して見せる。
「基本は水魔術ですが、この部分に火魔術の熱に関する要素を入れる事によって温度低下による凝結が可能となりました」
レイアーは、そのまま氷魔術の基礎魔術である【氷球】を発動させる。すると、綺麗な真球となった氷の球が現れた。
「最初から真球で出すのは難しいですので、普通は【水球】で真球の水の球を作ってから凍らせます。これが氷魔術の基礎魔術です。まぁ、これは複雑ではないので、簡単に基礎魔術を作る事が出来ました。そもそも火と水という既に基礎が確立している魔術の組み合わせですからね。問題は、組み合わせなどない上位属性です。例えば、神聖属性。これも基礎魔術は出来上がっていません。何故でしょうか?」
「神聖という属性のみを顕現させたものが分からないから」
「その通りです、セレーネ様。要素を落としていけば基礎魔術になるわけではなく、しっかりとした魔術として確立していないといけません。現状神聖魔術の主な使用方法は回復魔術としての使用と結界としての使用です。そもそも光属性の回復魔術を改良しようとして発見されたものですので、他の使用方法などの目処が立っていません。では、ここで質問です。神聖属性の属性のみの特徴とはなんでしょう?」
レイアーから聞かれて、三人は困ったように顔を見合わせた。
「神聖って何?」
「尊くて厳かでおかしがたいものだったり、清らかで穢れのないものみたいな意味ね」
「じゃあ、特徴は浄化的な?」
「じょ、浄化の魔術は……べ、別にあったと思う……」
「そうね。火と水と光にあるわ」
「回復魔術がある属性だね。じゃあ、神聖属性の特徴は浄化?」
三人で出した答えをレイアーに言う。
「ええ。それが現在考えられている神聖属性の特徴です。ですが、浄化の要素で魔術を繕うとすれば、すぐに破綻します。つまり、これのみでは発動する事が出来ないものなのです」
「属性の顕現が目的の基礎魔術からしたら、それは基礎とは呼べないって事?」
「その通りです。応用魔術、派生魔術と呼ぶべきものだろうというのが、私とミルズ先生の見解です。ですが、基礎魔術の可能性を信じる者として、こういった魔術の基礎魔術を見つけたいと考えています」
「私達で見つけられるかな?」
「まぁ、すぐには無理だと思います。上位属性の基礎魔術は、基礎属性の基礎魔術とは異なり、ある程度の複雑さはありますから。それでも普通に魔術を使うのに比べたら、簡素になりますが。ですので、まずは知識を身に付けて貰います。これも研究に必要な事ですからね」
そう言って、レイアーは三人に紙束を渡していく。
「そこには、様々な上位属性の魔術陣が載っています。そこから共通する要素などを抜き出して、整理していってください。それを纏めて提出してください。三人に同じものを配っていますので、情報共有して進めるように。では、今日は解散です」
「は~い。行こ、フェリシア、シフォン」
「ええ」
「は、はい……」
「じゃあ、先生、またね! また来るからね!」
「はい。お待ちしています」
セレーネは何度もレイアーに手を振って研究室を出て行った。フェリシアとシフォンは、一礼してから研究室を出て行く。
(ふぅ……セレーネ様は問題ないとして、フェリシア様とシフォンさんは、どこまで出来るか。授業で関わる事はほとんどないから、二人の学力がどこまでのものか分からない。成績的には、セレーネ様、フェリシア様、シフォンさんの順番だけれど、どのくらいの差があるか……まぁ、ここにカノンさんも加わる訳ですから、お二人の学力も上がっていくと信じて、次の課題を作るかぁ。私の復習にもなるし、ちょうど良いな)
セレーネの家庭教師をしていた事もあり、レイアーのセレーネに対する評価は高い。逆に接点の少ない二人に対しては、未知数という判断をしていた。それでも大きく心配をしていないのは、セレーネがいる事でもれなく付いてくるカノンの存在があったからだ。
セレーネの教養の高さは、カノンがいたからこそだ。そのカノンが、サポートに入るという事もあり、三人に課した問題は、難なく突破するだろうと踏んでいる。それどころか、それ以上の結果を持ってくるかもしれないとも思っていた。
────────────────────
研究室を後にしたセレーネ達は、そのまま使用人待機室に向かう。離れるタイミングを見失ってしまったシフォンも一緒だ。
「カノン、マリア、もう帰るよ」
「かしこまりました」
セレーネが声を掛けると、即座にカノンとマリアが動く。次いで、ジーニーも動いてフェリシアの元に来ていた。
シフォンは、マリアを見て少し驚いていた。
「シフォン、どうしたの?」
シフォンの様子に気付いたセレーネが訊く。
「あ、あの……マ、マリア様は……しょ、小等部でも……わ、話題になってたから……」
「そうなの?」
「う、うん……と、飛び級で卒業して……ア、アカデミーに進学しなかった天才って……」
「へぇ~、だって」
「知っています。先生に何度も言われていますので」
マリアが学園に来た事で、マリアが考えを改めたのかと教師が殺到してきた事があった。マリアは、セレーネの眷属としてセレーネに仕える事を決めているので、進学するつもりはないと何度も言っているが、聞く耳を持たない教師もおり苛立ちを覚えていた。
「そうだ。マリアにも紹介するね。友達のシフォン。こっちは、マリアだよ」
「マリア・バーミリオンです。お嬢様の事をよろしくお願いします」
「シ、シフォン・コーラルです……が、頑張ります……」
子爵の令嬢であるマリアに対して、シフォンは何とか挨拶をする事が出来た。常に侯爵と伯爵の令嬢が傍にいた事もあり、シフォンもほんの少しだけ慣れてきていたという事もある。それでも、緊張は拭えないでいたが。
「それじゃあ、帰ろう。フェリシア、シフォン」
「ええ」
「は、はい……」
「そういえば、シフォンの家はどこなのかしら?」
「あ……え、えっと……へ、平民街の端の方……です……」
そう言った瞬間、フェリシアがシフォンを睨む。シフォンは蛇に睨まれた蛙のように固まっていた。
「言葉遣い」
「あ、は、はい……」
「言葉遣い」
「え、え? あっ……う、うん……ご、ごめんね……」
フェリシアが怒っていた理由は、唐突に言葉遣いが戻ったからだった。
だが、シフォンは使用人がいる状況で気安い言葉遣いをすれば、睨まれてしまうのではという考えがあったため、元の言葉遣いに戻そうとしていた。
シフォンは恐る恐るジーニーを確認する。ここでのジーニーの反応が大事だったが、ジーニーは全く気にした様子もなく無表情で立っていた。
(い、一体どっちなんだろう……)
怒っているのか無関心なのか分からず、内心混乱するシフォンなのであった。
結局、ジーニーの真意は分からず、三人は帰路に着く。こうして、後に親友となる二人との学園生活が始まった。この学園での生活は、セレーネの将来に大きな影響を与える事になる。
「さて、早速ですが、この研究室の研究内容について説明します。そちらにお座りください」
そう言って、レイアーは移動式黒板を持ってくる。久しぶりのレイアーの授業が始まるので、セレーネはかなり興奮していた。フェリシアは、セレーネが夢中になる程の授業がどのようなものなのか興味を抱いている。シフォンは、しっかりと理解しないといけないと思い内心張り切っていた。
「ここでは基礎魔術の開発が主な研究内容です」
「新しい基礎魔術って事?」
「はい。フェリシア様とシフォンさんは、上位属性についてご存知ですか?」
「基礎属性とは異なる全ての魔術よ」
「ゆ、有名どころで、し、神聖属性と氷属性があると……な、習いました……」
「はい。合っています。実は、現在氷属性を基礎属性に数えるかどうかという話し合いがされています。なので、もしかしたら、近い将来、その部分が変わるかもしれません。さて……」
レイアーは黒板に文字を書いていく。
「ここでの基礎魔術の開発は、上位属性魔術の簡略化にあります。基礎魔術は、基本的にその魔術陣が簡単なものになっています。皆さんもご存知ですね?」
そう言いながら、レイアーは基礎属性の魔術陣を出していく。
「基礎魔術は、単純で有り属性を顕現するだけという簡単な魔術です。ですが、上位属性のほとんどは最初から戦闘魔術であったり、生産魔術であったりと実用的なものが多くなります。では、何故、この簡略化が必要になるのか。セレーネ様はお分かりになりますか?」
「魔術の組み合わせに使用したいから?」
「正解です。先程、シフォンさんが言った氷属性は、魔術の組み合わせにより生み出された魔術です。フェリシア様は、何の属性の魔術か分かりますか?」
「火と水ね」
「正解です。火属性に含まれる熱の操作。この要素を水属性の魔術に組み合わせる事で、水を凝結させ氷にする事が出来ます。これが氷魔術の始まりですね」
レイアーは、火魔術と水魔術、氷魔術の基礎魔術陣を出して見せる。
「基本は水魔術ですが、この部分に火魔術の熱に関する要素を入れる事によって温度低下による凝結が可能となりました」
レイアーは、そのまま氷魔術の基礎魔術である【氷球】を発動させる。すると、綺麗な真球となった氷の球が現れた。
「最初から真球で出すのは難しいですので、普通は【水球】で真球の水の球を作ってから凍らせます。これが氷魔術の基礎魔術です。まぁ、これは複雑ではないので、簡単に基礎魔術を作る事が出来ました。そもそも火と水という既に基礎が確立している魔術の組み合わせですからね。問題は、組み合わせなどない上位属性です。例えば、神聖属性。これも基礎魔術は出来上がっていません。何故でしょうか?」
「神聖という属性のみを顕現させたものが分からないから」
「その通りです、セレーネ様。要素を落としていけば基礎魔術になるわけではなく、しっかりとした魔術として確立していないといけません。現状神聖魔術の主な使用方法は回復魔術としての使用と結界としての使用です。そもそも光属性の回復魔術を改良しようとして発見されたものですので、他の使用方法などの目処が立っていません。では、ここで質問です。神聖属性の属性のみの特徴とはなんでしょう?」
レイアーから聞かれて、三人は困ったように顔を見合わせた。
「神聖って何?」
「尊くて厳かでおかしがたいものだったり、清らかで穢れのないものみたいな意味ね」
「じゃあ、特徴は浄化的な?」
「じょ、浄化の魔術は……べ、別にあったと思う……」
「そうね。火と水と光にあるわ」
「回復魔術がある属性だね。じゃあ、神聖属性の特徴は浄化?」
三人で出した答えをレイアーに言う。
「ええ。それが現在考えられている神聖属性の特徴です。ですが、浄化の要素で魔術を繕うとすれば、すぐに破綻します。つまり、これのみでは発動する事が出来ないものなのです」
「属性の顕現が目的の基礎魔術からしたら、それは基礎とは呼べないって事?」
「その通りです。応用魔術、派生魔術と呼ぶべきものだろうというのが、私とミルズ先生の見解です。ですが、基礎魔術の可能性を信じる者として、こういった魔術の基礎魔術を見つけたいと考えています」
「私達で見つけられるかな?」
「まぁ、すぐには無理だと思います。上位属性の基礎魔術は、基礎属性の基礎魔術とは異なり、ある程度の複雑さはありますから。それでも普通に魔術を使うのに比べたら、簡素になりますが。ですので、まずは知識を身に付けて貰います。これも研究に必要な事ですからね」
そう言って、レイアーは三人に紙束を渡していく。
「そこには、様々な上位属性の魔術陣が載っています。そこから共通する要素などを抜き出して、整理していってください。それを纏めて提出してください。三人に同じものを配っていますので、情報共有して進めるように。では、今日は解散です」
「は~い。行こ、フェリシア、シフォン」
「ええ」
「は、はい……」
「じゃあ、先生、またね! また来るからね!」
「はい。お待ちしています」
セレーネは何度もレイアーに手を振って研究室を出て行った。フェリシアとシフォンは、一礼してから研究室を出て行く。
(ふぅ……セレーネ様は問題ないとして、フェリシア様とシフォンさんは、どこまで出来るか。授業で関わる事はほとんどないから、二人の学力がどこまでのものか分からない。成績的には、セレーネ様、フェリシア様、シフォンさんの順番だけれど、どのくらいの差があるか……まぁ、ここにカノンさんも加わる訳ですから、お二人の学力も上がっていくと信じて、次の課題を作るかぁ。私の復習にもなるし、ちょうど良いな)
セレーネの家庭教師をしていた事もあり、レイアーのセレーネに対する評価は高い。逆に接点の少ない二人に対しては、未知数という判断をしていた。それでも大きく心配をしていないのは、セレーネがいる事でもれなく付いてくるカノンの存在があったからだ。
セレーネの教養の高さは、カノンがいたからこそだ。そのカノンが、サポートに入るという事もあり、三人に課した問題は、難なく突破するだろうと踏んでいる。それどころか、それ以上の結果を持ってくるかもしれないとも思っていた。
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研究室を後にしたセレーネ達は、そのまま使用人待機室に向かう。離れるタイミングを見失ってしまったシフォンも一緒だ。
「カノン、マリア、もう帰るよ」
「かしこまりました」
セレーネが声を掛けると、即座にカノンとマリアが動く。次いで、ジーニーも動いてフェリシアの元に来ていた。
シフォンは、マリアを見て少し驚いていた。
「シフォン、どうしたの?」
シフォンの様子に気付いたセレーネが訊く。
「あ、あの……マ、マリア様は……しょ、小等部でも……わ、話題になってたから……」
「そうなの?」
「う、うん……と、飛び級で卒業して……ア、アカデミーに進学しなかった天才って……」
「へぇ~、だって」
「知っています。先生に何度も言われていますので」
マリアが学園に来た事で、マリアが考えを改めたのかと教師が殺到してきた事があった。マリアは、セレーネの眷属としてセレーネに仕える事を決めているので、進学するつもりはないと何度も言っているが、聞く耳を持たない教師もおり苛立ちを覚えていた。
「そうだ。マリアにも紹介するね。友達のシフォン。こっちは、マリアだよ」
「マリア・バーミリオンです。お嬢様の事をよろしくお願いします」
「シ、シフォン・コーラルです……が、頑張ります……」
子爵の令嬢であるマリアに対して、シフォンは何とか挨拶をする事が出来た。常に侯爵と伯爵の令嬢が傍にいた事もあり、シフォンもほんの少しだけ慣れてきていたという事もある。それでも、緊張は拭えないでいたが。
「それじゃあ、帰ろう。フェリシア、シフォン」
「ええ」
「は、はい……」
「そういえば、シフォンの家はどこなのかしら?」
「あ……え、えっと……へ、平民街の端の方……です……」
そう言った瞬間、フェリシアがシフォンを睨む。シフォンは蛇に睨まれた蛙のように固まっていた。
「言葉遣い」
「あ、は、はい……」
「言葉遣い」
「え、え? あっ……う、うん……ご、ごめんね……」
フェリシアが怒っていた理由は、唐突に言葉遣いが戻ったからだった。
だが、シフォンは使用人がいる状況で気安い言葉遣いをすれば、睨まれてしまうのではという考えがあったため、元の言葉遣いに戻そうとしていた。
シフォンは恐る恐るジーニーを確認する。ここでのジーニーの反応が大事だったが、ジーニーは全く気にした様子もなく無表情で立っていた。
(い、一体どっちなんだろう……)
怒っているのか無関心なのか分からず、内心混乱するシフォンなのであった。
結局、ジーニーの真意は分からず、三人は帰路に着く。こうして、後に親友となる二人との学園生活が始まった。この学園での生活は、セレーネの将来に大きな影響を与える事になる。
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