捨てられた王女は魔道具職人を目指す

月輪林檎

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捨てられた王女

観光

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 翌日。マリーとコハクは、王都の道を歩いていた。昨日、カーリーに言われた通りに、王都観光に繰り出したのだ。

「うぅ~」

 せっかくの王都観光だというのに、マリーの顔は、憂鬱な表情を浮かべていた。

「まだ、引き摺ってるの? せっかくの観光だよ。楽しまなきゃ!」

 コハクは、マリーを元気づけようとしたが、マリーの表情は好転しない。

「コハクは、まだいいじゃん。魔物の討伐をすればいいんだから。私なんて、新しい魔道具を五十種類だよ!? お母さん鬼過ぎ……」

 マリーの憂鬱の原因は、今朝まで遡る。三人で朝食を食べていると、カーリーからある課題が出されたのだ。

「マリー、コハク、二人に、私から課題を与えるよ。学院の授業だけじゃ、生ぬるいと思うからね。まず、コハクは、学院に通う六年間でAランク相当の魔物を十体討伐しな」

 魔物には、F~Sまでのランク付けがされている。Aランクは、集団で倒すことが推奨される強さを表している。ちなみに、Sランクは、国の軍事力を持って対応するレベルの強さとなる。

「そんな無茶な……」

 コハクは、顔が引きつってしまっている。

「学院の図書館やギルドで情報を集めな。取り扱われている情報量でいえば、ギルドの方が多いかもしれないね。まぁ、一年の間は、情報集めの方に集中するといいさね」

 ギルドは、モンスター退治を生業とする人達が所属する機関である。戦闘集団だが、国の軍事力には含まれない。主に国外の脅威などの国家存亡に関わるのが、軍事力であって、ギルドに所属している者達は、周囲の治安を維持するために働いている。
 一応、一般の人にも情報を提供しているので、所属しなくても閲覧は出来る。

「討伐は、一人でなくともいいさね。学院で知り合った人を連れてってもいいし、マリーを連れてってもいい。私はダメだけどね」

 カーリーの言葉にコハクは、苦い顔から一転笑顔になった。

「やった、それならなんとかなるかも!」

 カーリーは、コハクからマリーに目線を移す。その瞬間、カーリーは意地の悪い笑みを浮かべた。

(嫌な予感……)

 マリーは、思わず身構えた。

「マリーは、新しい魔道具を五十種類作ってもらおうかね。もちろん、学院に通う六年間でだよ」
「ご、五十種類?」

 マリーは、聞き間違いかと思い聞き返す。

「ああ、五十種類だ。既存のものは認めない。ただ、既存のものを改良して、より良いものを作るのは有りにしようじゃないか。じゃないと、五十種類なんて到底無理だからね」

 唯一の救いのように聞こえるが、事はそんなに簡単では無い。現在、市販で売られている魔道具は、そのほとんどが最適化をされている。それを改造するのは容易な事ではないのだ。

「頑張る……」
「ああ、頑張りな。さて、私は、これから所用で出かけるさね。マリー達も出かけるんなら気をつけるんだよ」
「「はーい」」

 カーリーは、自分の食器を片づけてから家を出た。それから、二十分程後に、二人も観光に向かったのだった。

「もう、今悩んだって仕方ないでしょ。今日は遊ぶ! いい!?」
「はぁ……分かった。コハクの言う通りだし、気分を入れ替えますか」

 マリーは、コハクの言うとおりに、気分を少し入れ替えた。そして、二人は、王都の商店通りに向かった。二人が共通して興味のある場所だったからだ。

「おぉ……結構賑わってるんだ」
「そうだね。あっ、マリー、あの武具店に入っていい?」
「ん? ああ、良いよ」

 二人は、近くにあった武具店に入ってみた。中には、煌びやかな鎧や装飾の凝った剣などが置いてある。

「いらっしゃいませ!」

 メイド服を着た女性店員が、マリー達の元に来た。

(何でメイド服……?)

 二人は、全く同じ点を疑問に感じていた。

「あの……何でメイド服を着ているんですか?」

 マリーは、耐えきれずに訊いてしまった。

「ああ、店主の趣味です。私も嫌なんですけど、ここ給料だけは良いので」

 どのような理由があるのだろうかと思っていたマリー達だったが、まさかの裏事情まで聞いてしまい、苦笑いをするしかなかった。この話は、あまり広げない方が良いと思ったコハクは、一本の剣を指さす。

「あの、剣の刀身を見せてもらうことは出来ますか?」
「はい、大丈夫ですよ」

 店員の許可を得たのでコハクは、飾ってある剣を抜いてみる。すると、その剣の刀身にも彫り込みが入っていた。

「……観賞用?」
「失礼な!」

 コハクが思った事を口にすると、まん丸と太った店主が、店の奥から出てきた。店主は、怒った顔でコハクを見ていた。

「これは、私が作った魔剣だ! 断じて観賞用などではない!」

 魔剣とは、魔法を付加された魔道具である剣が、突然変異した物を指す。魔力を込めて魔法を発揮するのは、魔道具と同じだが、魔法陣が完全に剣と同化しているためか、魔力の込めすぎで破壊されるという事はない。そもそも耐久度自体が、異常に高くなるからというのが通説だ。
 因みに、カストル家が使う魔剣術は、この魔剣を使っているように見えた事から名付けられた。だが、その威力は、魔剣術の方が遙かに上だ。
 魔剣は、ただの鍛冶師には作る事が出来ない。魔法を使う魔法陣を刻印する魔道具職人が必要になるからだ。さらに、突然変異に関しては、完全に運がものを言う。運と職人が共同して作る逸品というのが、世間の常識だ。

「でも、これの耐久力高くないですよね?」

 コハクは、刀身を一目見たときから、この剣の耐久力が高くないということを見抜いていた。そもそも刻印すべきなのは、魔法陣のはずだが、ここに彫られている彫り込みは、ただの模様でしかない。さらに言えば、魔法陣の刻印は、実際に彫るのでは無いので、その点からも魔剣の類いでは無いと言い切れた。
 そこではなく耐久力に関して言及したのは、飾る剣ならともかく、実用品として、こんな危ない物を売ることに対して、コハクが苛立ちを覚えていたからだった。

「なんだと!? そんなに言うのなら、貴様の剣と比べてみろ!」

 そう言われて、コハクは、自分が普段使っている剣を抜く。観光に来ているはずだが、コハクは、剣を腰に差したまま来ていた。常に剣と共に在るべしと自分に課していたからだ。

「比べると言っても、どうするのですか?」
「貴様の剣で私の作った魔剣を斬るといい。その粗悪品が折れるだけだろうがな! はっははははは!!」

 店主はそう言って、高笑いをしている。

(うわぁ……大丈夫かな……?)

 マリーは、この後起こるであろう事を考えて、そう思っていた。

「そちらの剣が折れても弁償しませんよ」
「構わんよ! 折れればだがな! はっはははは!!」
「では、これを持っていてください」

 コハクは、店主に魔剣を持たせる。そして、自分の剣を、一度鞘に収めた。コハクの剣は、この世界では使い手の少ない刀だった。いくつかの剣を試させた結果を見て、カーリーが、コハクに合った物を作って、持たせているのだった。そう。カーリーが作った物を。
 コハクは、腰を落とし構える。いわゆる抜刀術の構えだ。そして、コハクは、目にもとまらぬ速度で刀を抜き、魔剣を斬る。魔剣は、うんともすんとも言わなかった。

「はははは! やはり斬れはしなかったな!」
「よく見てみて下さい」

 コハクはそう言いながら、刀を鞘に納める。

「ん?」

 店主が剣をよく見ようと傾けた瞬間、刀身が半ばから断たれて、床に落ちる。金属が床と接触する甲高い音が響く。

「な!? 何をした!?」
「何って、斬っただけですよ」
「そんな馬鹿な!? 高い金を払って買った魔剣だぞ!?」

 店主は、頭に血が上ってしまい、いらない事まで口走った。
 つまり、この店主は、別のどこかで、魔剣と言われているものを購入し、さらに高い値段を付けて売ろうとしていたのだ。所謂、転売だ。だが、店主が買った魔剣は、粗悪品も粗悪品。そもそも魔剣ですらなかった。その事から、店主の剣への知識の浅さが見て取れる。

「えっ? 店長どういうことですか?」
「あっ、いや、違う! 私が作ったんだ!」
「………」

 店員の女の子は、疑いの目で店主を見ている。

「そういえば、店長が剣を打っているのって、あまり見たことないかも」
「な、何を言っている!?」

 雲行きが怪しくなってきていた。

(まずいかも……こんなところで変な恨みをもらうのは嫌なんだけど。剣のことになると、コハクは、うるさいからなぁ。どうか面倒くさいことになりませんように)

 マリーは、心の中で祈っていた。そうしている間に、事態は進展していった。

「私、今日でこの店をやめさせて頂きます。詐欺の手伝いはしたくないですので。お世話になりました」

 店員が、店の奥に行ってしまった。店主は、わなわなと震えて、コハクを睨む。

「貴様のせいだぞ! 貴様のせいで、マニカがやめてしまったではないか!」

 あの店員はマニカという名前らしい。

「いや、あなたが、きちんと働いてれば良かったのでは?」

 店主から責められているコハクは、かなり強気だった。コハクは、武具店がこんないい加減な商売をしていることが許せなかった。だからこそ、ここで退くような事はしない。

「くそっ! せっかく捕まえた店員なのに……いずれ俺のものにする計画が……」

 最後の方は小声だったが、マリー達にはちゃんと聞こえていた。この店が、本格的にダメな店だったのがよく分かる。

「あなた、最低ですね。マニカさんや剣が可哀想です」
「うるさい! 貴様、剣を弁償しろ!」
「弁償しなくていいって言ったのは、あなただった気がするけど」

 店主の言っていることが、さっきと変わっていた。

「証拠はないだろう!」

 店主は、勝ち誇った顔をしていた。コハクは、後ろにいるマリーを見る。コハクと眼が合ったマリーは、コハクが言わんとすることが分かり頷いた。

「証拠ならありますよ」
「でたらめを言うな!」

 店主は、少し焦り始めていた。だが、まだマリー達がデタラメを言っている可能性を信じているようで、強気な態度は崩さない。

「じゃあ、これを、聞いてください」
『そちらの剣が折れても弁償しませんよ』
『構わんよ! 折れればだがな!』

 マリーから、先程の会話が聞こえた。正確に言えば、マリーの手元にある小さな箱からだ。

「な、なんだ、それは……?」
「録音機です。一定時間の音を記録する事が出来る魔道具です。もしもの時のために、先程の会話を記録させて頂きました」

 店長は絶句した。ここまで逃げ道を塞がれてしまっては仕方ないだろう。

「あと、ついでに教えておきますが、その剣は魔剣ではないですよ」

 マリーの言葉に、絶望的な表情をする店長。

「その彫り込みはただの彫り込みです。何の魔力も感じませんし、彫り込み自体魔法陣となっていませんから」
「そ、そんな馬鹿な……あの商人は斬鉄が付加された魔剣だと言っていたのに……」
「斬鉄がついたものを魔剣とは呼びません。斬鉄は、付加魔法の一種ですが、魔剣は、属性魔法を扱える剣のことを言うんです。付加魔法が付けられただけの剣は、魔道具の一種であるだけです」

 マリーは、店主の間違いを指摘する。店主は、もう何も言えなかった。マリーは、これ以上ここにいない方が良いと判断した。

「私達は、これで失礼しますね。これからは、偽物に捕まらないように気をつけて、真っ当な商売をしてください」

 マリーは、コハクの腕を取って、店を出る。

「はぁ、最初の店でやらかした」
「私達は、悪くないよ。あんな偽物を売っているあの店が悪い。それに、適当に買ったものを自分で作ったと偽るあの店主も悪い」
「そうかもだけど、完全にやり過ぎだったよ」

 コハクは、剣への愛情が深いので、それを馬鹿にされているのが耐えきれなかった。それは、長いこと一緒にいたマリーも理解しているが、やり過ぎだったという考えが拭えなかった。

「でも、どうして、あんな店が、何も言われないんだろう?」
「金の力だな」

 マリーの疑問に答えたのは、背後から聞こえてきたマリー達よりも、少し低い声の主だった。マリー達は、その声に聞き覚えがある。

「アルくん? こんなところで奇遇だね」

 マリー達が振り向いた先にいたのは、偶々商店通りに来ていたアルだった。

「ああ、観光か?」
「うん、そうだよ。ところで、さっきのってどういうこと?」

 マリーは、アルが答えてくれた事がどういう事なのかを知りたかった。

「ああ、さっきの店は、周りに金をばらまいているんだ。王都でも、時々こういう店が出てくる。あいつらのカモは、何も知らない一般人だからな。マリーとコハクもカモにしようと思ったらしいが、無駄だったようだな」
「へぇ~、見てたの?」
「いや、俺が来たときには、二人が店から出てくるところだった」

 アルは、マリー達が店から出てくるのを見かけ、話しかけようとしたら、さっきの会話が聞こえたらしい。

「あの店は、そういうので有名なの?」
「そこそこだな。ここ最近出来たらしい。分かる人達からは、偽物を売る事で有名だったが、一般市民の間ではそうでもなかったらしいな。なまじ金を持っているから、衛兵も何も出来ないんだ」
「お金の問題なの?」

 マリーは、次々とアルに質問する。

「金で黙らせるっていうのは、意外と成り立つんだ。金は、権力とも密接に絡むからな」
「なるほどね。それはどこでも変わらないんだ」

 アルの言葉に、マリーは納得した。マリーとの話が終わったところで、コハクが何かを思いついて、手を叩いた。

「そうだ。アルさんは、今、暇なの?」
「ああ、時間はあるぞ」
「じゃあ、この辺を案内して欲しいな。私達は、よく分からないから」
「ああ、そういう事か。構わないぞ」

 コハクは、アルに街の案内を頼んだ。そして、それをアルは快諾する。元々そこまで重要な用事もなく、マリー達が王都に馴染むためにも必要な事だと判断したからだ。
 アルは、街の食事処から武具店まで色々と案内してくれた。紹介してくれた武具店は、前のところよりもしっかりとした場所だった。ただ、品質はしっかりしていたが、コハクのお眼鏡にかなうものはなかった。
 しかし、それも当然だろう。カーリーがコハクのために調整を重ねたものよりも、優れたものなど、ほぼ確実に存在しないだろう。
 アルの案内のおかげで、商店通りの店舗の場所が、あらかた分かる様になった。さすがに全部は回れなかった事で、マリー達も王都の広さを実感する事になった。
 そうして、夕方になる前に解散する事になった。

「今日はありがとう、アルくん」
「ありがとう」
「どういたしまして。行きたいところがあったら、また言ってくれ。案内する」
「わかった。その時は、お願いするね」

 マリーとコハクは、アルと別れ、家に戻った。家には、既にカーリーが帰ってきていた。

「二人とも、観光は楽しかったかい?」
「えっと……ちょっとトラブルがあったけど、アルくんが案内してくれたから楽しかったよ」
「そうかい、それは良かったね。ところで、トラブルとはどういうことさね」

 マリー達は、今日あったことをカーリーに話した。カーリーから少し叱られてしまったが、それ以外は笑顔で聞いてくれた。
 翌日は、カーリーの指導の下、戦闘訓練や魔道具作りをしていった。
 そして、試験結果発表の日がやってくる。
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