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第五章 本当の戦い
第88話 その日は来た
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現代人にとって、楽園のような国。
人々は、あの時空震からやっと落ち着きを取り戻し、世界の一部で急速に発展をする国が現れた。
そう、八十年近く前にも戦後急激な回復を見せた国。
その時は、技術大国となった。
今度は、魔導が持ち込まれ、魔導機械の先端を走り始めた。
金食い虫で、上手く行かなかったレールガン。
雷魔法で制御して、大型の電源が必要なくなった。
雷は電子の移動。
正負の制御は簡単だった。
だが、技術者は創れてしまうとそれを手放す。
なぜか!!
必要がないからだ。
造っていた目的は何か?
そう戦時にミサイル迎撃や、船舶など敵に対する攻撃のため……
それが全く必要なくなった。
「では、スイッチオン」
ポチッとなと、ボタンが押される。
見た感じ変わりはない。
「ほら見ろ、波が切れている」
「本当だ、見えないが、確かに壁が出来た」
実験は海上で行われていた。
目標船が一隻。
こちら側に、関係者が乗っている観測船。
双眼鏡で覗くと、海に境目ができている。
「船に近い所には凪ができている。だがうねりはあるな」
「イメージ的には、海に浮かんだボールだな」
「やってくれ」
命令が魔導通信機を通して伝わる。
すると、目標船の上に未確認飛行物体が現れる。
有名な形ではなく皿形の物。
その真下から、光の玉が落ちる。
その玉は、空中で破裂をする。
何か見えない壁に当たったかのように……
「うわっ」
思わずでてしまう声。
丁度、対艦ミサイルが着弾したかのような火球が広がる、
だが、見ていればわかる。
壁に沿って、炎は切り取られている。
「シールドはすごいな」
軍関係者から、ついぼやきのような言葉が出る。
それに反応するのは、王国の魔導技師達。
「王以外には、貫けないようになっております」
「王様は貫けるのか?」
そう聞くと、困った顔になる技師。
「ええ、あの方は、いえあの方達は別格なのです。物資と…… なんと言うのでしょうか? 理に愛されている気がします」
普通に聞いても、理解ができない。
「愛されている?」
「ええ願えば、聞き届けられるというのでしょうか? シールドが術者の命令に従わず、王に従うのです。まるで魔法の主導権を奪われるみたいに」
そう言って困り顔になる。
「それは、王様らしい王だな」
なんとなくそう言った、日本軍の兵だが、王国側の彼は満面の笑みとなる。
「そう思います? そうですよね。王は素晴らしい。あの方達が来て大きく王国は変わりました。人々は笑顔となり、モンスターや魔人の脅威から守られた。道具にしてもそうです。たとえば……」
それから延々、十五分は語られただろう。
日本側の兵は思った。
王の話しはしないことにしよう。彼はきっと王国の人間にしたら救世主。
王城前の中庭にあった像が、全てを語っているではないか。
そんな常識が、共有されることになる。
保護シールドは、ボタン一つで日本と王国に展開される。
どういう話し合いがあったのか知らないが、中央帝国を追い出し、飛び地ではなくなったようである。
話しによると、住んでいた者達に、麦による納税を求めただけだとか。
「ここに住むのなら税を納めろ、麦を作り半分を税とせよ」
当然、反抗はあった。
だが相手は魔法使いの集団。銃も効かずナイフも効かない。
従おうとしたが……
「貨幣ならまだしも、紙幣など使えん。物納だ」
そうきっと想像をしたのだろう。麦を納税するなら、買うか作るかである。
この都会で農地開拓?
せっかく、都会用の住民票を手に入れたのに……
また貧乏な農民はいやだ。
「そう言って、出て行きました」
彼には、その理由が分からなかったようだ。
「その国特有の事情があるのさ」
「そうみたいですね」
まあまあ、そんな感じで仲良く暮らし始めたのだが、また空が割れた。
今度は、星が見えるのでは無く、黒い煙が降ってきた。
黒い霧は霊的な物、王国から通達が回り、シールドを展開。そして、浄化の光が二国を包む。
地球は一度黒い霧に包まれた、そして時間をかけて消えていったのだが……
だがその後、異変は、世界中で起こった。
事故や病気で亡くなった方が、死後起き上がる。
リビングデッド現象。
散々映画などで描かれた世界。
不思議なことに、動物は生き返らない。
それに、生きた人間を襲うくせに、ゴブリンとか最近現れたモンスターも襲わない。
そのため寄生虫説とか色々言われたが、何も見つからなかった。
未知のウィルスでもない、ただ、死体が蘇り生きた人を喰らう。
そして、噛まれるとそれが原因で、人々は熱を出して死んでしまう。
王国と、日本以外で被害は拡大をしていく。
二国には、空が割れた日、瘴気は入り込めなかった。
速やかなるシールド展開と浄化の光。
それは、黒き煙、つまり瘴気は近寄ると浄化をされた。
そしてその瘴気に紛れて、魔神がこちらへ入ってきていた。
その時から、世界は滅亡へと進む予定だった。
「あの不良中年達め、こんな時にどこへ行ったんだ」
首都である、ワシの都へ呼ばれていった友人達。
あれから姿が見えなくなった。
「なんだか、日本へ行って牛丼を食べるとか言っていたわよ?」
「牛丼? 何だそりゃ、カーリー、フォー巻じゃないのか?」
「あれは、ライス共和国製、本場にはないと聞いたわ」
彼と彼女、二人はのんきに喋っているが、周囲はゾンビに囲まれていた。
ねずみ算式に彼らは増え、あっという間に人々は住処を奪われた。
そんな世界に、光の都伝説が流れ始める。
そう、日本へ行け。そうすれば助かると……。
人々は、あの時空震からやっと落ち着きを取り戻し、世界の一部で急速に発展をする国が現れた。
そう、八十年近く前にも戦後急激な回復を見せた国。
その時は、技術大国となった。
今度は、魔導が持ち込まれ、魔導機械の先端を走り始めた。
金食い虫で、上手く行かなかったレールガン。
雷魔法で制御して、大型の電源が必要なくなった。
雷は電子の移動。
正負の制御は簡単だった。
だが、技術者は創れてしまうとそれを手放す。
なぜか!!
必要がないからだ。
造っていた目的は何か?
そう戦時にミサイル迎撃や、船舶など敵に対する攻撃のため……
それが全く必要なくなった。
「では、スイッチオン」
ポチッとなと、ボタンが押される。
見た感じ変わりはない。
「ほら見ろ、波が切れている」
「本当だ、見えないが、確かに壁が出来た」
実験は海上で行われていた。
目標船が一隻。
こちら側に、関係者が乗っている観測船。
双眼鏡で覗くと、海に境目ができている。
「船に近い所には凪ができている。だがうねりはあるな」
「イメージ的には、海に浮かんだボールだな」
「やってくれ」
命令が魔導通信機を通して伝わる。
すると、目標船の上に未確認飛行物体が現れる。
有名な形ではなく皿形の物。
その真下から、光の玉が落ちる。
その玉は、空中で破裂をする。
何か見えない壁に当たったかのように……
「うわっ」
思わずでてしまう声。
丁度、対艦ミサイルが着弾したかのような火球が広がる、
だが、見ていればわかる。
壁に沿って、炎は切り取られている。
「シールドはすごいな」
軍関係者から、ついぼやきのような言葉が出る。
それに反応するのは、王国の魔導技師達。
「王以外には、貫けないようになっております」
「王様は貫けるのか?」
そう聞くと、困った顔になる技師。
「ええ、あの方は、いえあの方達は別格なのです。物資と…… なんと言うのでしょうか? 理に愛されている気がします」
普通に聞いても、理解ができない。
「愛されている?」
「ええ願えば、聞き届けられるというのでしょうか? シールドが術者の命令に従わず、王に従うのです。まるで魔法の主導権を奪われるみたいに」
そう言って困り顔になる。
「それは、王様らしい王だな」
なんとなくそう言った、日本軍の兵だが、王国側の彼は満面の笑みとなる。
「そう思います? そうですよね。王は素晴らしい。あの方達が来て大きく王国は変わりました。人々は笑顔となり、モンスターや魔人の脅威から守られた。道具にしてもそうです。たとえば……」
それから延々、十五分は語られただろう。
日本側の兵は思った。
王の話しはしないことにしよう。彼はきっと王国の人間にしたら救世主。
王城前の中庭にあった像が、全てを語っているではないか。
そんな常識が、共有されることになる。
保護シールドは、ボタン一つで日本と王国に展開される。
どういう話し合いがあったのか知らないが、中央帝国を追い出し、飛び地ではなくなったようである。
話しによると、住んでいた者達に、麦による納税を求めただけだとか。
「ここに住むのなら税を納めろ、麦を作り半分を税とせよ」
当然、反抗はあった。
だが相手は魔法使いの集団。銃も効かずナイフも効かない。
従おうとしたが……
「貨幣ならまだしも、紙幣など使えん。物納だ」
そうきっと想像をしたのだろう。麦を納税するなら、買うか作るかである。
この都会で農地開拓?
せっかく、都会用の住民票を手に入れたのに……
また貧乏な農民はいやだ。
「そう言って、出て行きました」
彼には、その理由が分からなかったようだ。
「その国特有の事情があるのさ」
「そうみたいですね」
まあまあ、そんな感じで仲良く暮らし始めたのだが、また空が割れた。
今度は、星が見えるのでは無く、黒い煙が降ってきた。
黒い霧は霊的な物、王国から通達が回り、シールドを展開。そして、浄化の光が二国を包む。
地球は一度黒い霧に包まれた、そして時間をかけて消えていったのだが……
だがその後、異変は、世界中で起こった。
事故や病気で亡くなった方が、死後起き上がる。
リビングデッド現象。
散々映画などで描かれた世界。
不思議なことに、動物は生き返らない。
それに、生きた人間を襲うくせに、ゴブリンとか最近現れたモンスターも襲わない。
そのため寄生虫説とか色々言われたが、何も見つからなかった。
未知のウィルスでもない、ただ、死体が蘇り生きた人を喰らう。
そして、噛まれるとそれが原因で、人々は熱を出して死んでしまう。
王国と、日本以外で被害は拡大をしていく。
二国には、空が割れた日、瘴気は入り込めなかった。
速やかなるシールド展開と浄化の光。
それは、黒き煙、つまり瘴気は近寄ると浄化をされた。
そしてその瘴気に紛れて、魔神がこちらへ入ってきていた。
その時から、世界は滅亡へと進む予定だった。
「あの不良中年達め、こんな時にどこへ行ったんだ」
首都である、ワシの都へ呼ばれていった友人達。
あれから姿が見えなくなった。
「なんだか、日本へ行って牛丼を食べるとか言っていたわよ?」
「牛丼? 何だそりゃ、カーリー、フォー巻じゃないのか?」
「あれは、ライス共和国製、本場にはないと聞いたわ」
彼と彼女、二人はのんきに喋っているが、周囲はゾンビに囲まれていた。
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