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第五章 本当の戦い
第89話 光と闇
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俺達はやって来た。
昔は島国だったが、今は大陸の端に位置する国。
「ここから先は日本帝国だ。何ようだ?」
「助けてくれ」
その入り口には、難民があふれていた。
ぐるりと透明な壁があり、入れる所を探していた。
担当職員達は、ごつい防護服を装備。
促されるまま、俺達は門の奥へと向かう。
そこは真っ白で光があふれていた。
その光は、肌にピリピリと刺激を与える。
「おい大丈夫か?」
周りの皆も俺も苦しくなり始める。
一瞬、大昔に学校で習った処置室。
そう某国のガス室が、脳裏に浮かぶ。
「まさか」
俺は苦しく、息すら辛くなる。
「畜生」
そうか、外は汚染された世界。
余所から来た者など素直に受け入れることなど……
いまさら、そう理解して悔しかった。
だが、時間と共に感覚が変わる。
体を襲っていた痛みが、快感へと変わってくる。
体の一部が反応して痛いほどの変化。
横にいたビアンカも苦しそう??
いや顔色は良くなり、赤い顔でこちらを見ている。
汗を浮かべて、股間をおさえている。
「大丈夫か?」
「アードルフ、駄目…… わたしいっちゃう……」
そう言って抱きついてくる。
抱きつかれると、二人とも腰砕けで、床に座り込む。
ガクガクとしている彼女。
「見ないでよ、恥ずかしい……」
俺は思わず周りを見回す。
皆同じ状態……
ではない。
一部の連中は、立ったまま燃え、焼け崩れていた。
後で知ったが、心を喰われ、魔人化した者達だったらしい。
人に紛れ入り込もうとする。
それを浄化し、大丈夫だった人たちを、人に戻す施設が此処だったようだ。
その処置の中で、人々は痛みと快楽を感じてしまう。
なぜか、幾度かいったのに、下着の中は綺麗だった。
そこを通り過ぎれば、二手に分かれる。
夢と冒険の国インセプトラ―王国(仮)と日本帝国。
「どちらに住むか決めてください」
王国は中世のヨーロッパを思い浮かべれば良いらしい。
日本帝国は、近代国家。
「おすすめはどちらですか?」
担当者に聞くと、こそっと教えてくれる。
「人が人のままに暮らせるのは王国だ。近代国家のような、がんじがらめに決められた物がない。気楽に日々暮らせる。帝国は、まあ個人主義者のかたまり、良くある都会だ」
そう言って笑う。
「どうする?」
「中世の暮らしって不便そうだけど、興味はあるわね」
「移動は出来るみたいだし、王国に行ってみようか」
「うん」
アードルフはビアンカと共に、王国へと向かった様だ。
だが、帝国側に来た人間もこの数年失っていた文明が存在して機能していることに驚く。
そう諸外国では、まだインフラすら綺麗に機能していなかった。
魔導具は、壁に設置だけで送電線も配管も必要がない。
それは恐るべき速度での、復旧が出来るという事。
前に、話題となった道路の陥没も物理的に発生しない。
上水は魔導具、下水は地下で集められ浄化される。
そして快適な暮らしは、王国の方が上。
日々細々した仕事があり、そこにはつまらないプライドなどない。
楽しく暮らし、飲んで喰う。
都会暮らしで疲れた人たちは皆流れてくる。
そこで、暮らしにくい世の中を作っていたのは、自分たちなんだと理解する。
自分たちが勝手に区別をして壁を作っていた。
人は人、死が身近であるため一生懸命生る。
学歴? 何だそれ食えるのか?
そんな世界。
商店も気に入らない客には売らない、信頼こそが重要。
そして、その国は強かった。
「おら、取り返すぞ」
周囲の終わった土地を日々切り取っていく。
人類の手に、地球を取り戻す。
ゾンビやモンスターが跋扈する世界、冒険者や軍が一体となり戦う。
そんな世界の片隅に向こうからやって来た魔王、いや闇の魔神メイダークネスは、自らが終わらせてしまった向こうでのことを反省していた。
やり過ぎて何もなくなった世界。
こちら側は神の力も強い。気を付けないとまた封じられてしまう。
ヨーロッパの片隅にたどり着き、そこに自らの王国を造り始めた。
変異した魔人達を集めて、生き残った人々を家畜化。
その勢力を広げていく。
アジアの片隅から、勢力を広げていく王国。
数年後に戦闘となる。
「情報はどうだ?」
「これが、情報によると邪神の国のようだ」
龍一と楓真達は顔を突き合わせて相談中。
各地方にはなった物見からの情報により、一大勢力がヨーロッパを占拠しているようだ。
ザコではない、魔人達の数万に達する軍勢。
「まあやるしか無いだろうが、浄化砲は効くんだろ」
「効くなあ。その辺りは一緒だ」
「じゃあ、行くか」
その日、命令が下された。
人類奪還計画。
魔人に奪われた土地と、囚われている人々を解放する。
その宣言を王国が出したとき、ようやく日本も賛同をする。
今まで専守防衛を言い訳に動かなかった。
だが、現地の情報が映像として流された。
飼われている人々。
産めや増やせやと言う世界だが、所詮は食料。
自らが、畑で穀物を育て暮らすが、それは、魔人達の食料となるため。
絶望の顔と目は、見た者達の心に突き刺さった。
昔は島国だったが、今は大陸の端に位置する国。
「ここから先は日本帝国だ。何ようだ?」
「助けてくれ」
その入り口には、難民があふれていた。
ぐるりと透明な壁があり、入れる所を探していた。
担当職員達は、ごつい防護服を装備。
促されるまま、俺達は門の奥へと向かう。
そこは真っ白で光があふれていた。
その光は、肌にピリピリと刺激を与える。
「おい大丈夫か?」
周りの皆も俺も苦しくなり始める。
一瞬、大昔に学校で習った処置室。
そう某国のガス室が、脳裏に浮かぶ。
「まさか」
俺は苦しく、息すら辛くなる。
「畜生」
そうか、外は汚染された世界。
余所から来た者など素直に受け入れることなど……
いまさら、そう理解して悔しかった。
だが、時間と共に感覚が変わる。
体を襲っていた痛みが、快感へと変わってくる。
体の一部が反応して痛いほどの変化。
横にいたビアンカも苦しそう??
いや顔色は良くなり、赤い顔でこちらを見ている。
汗を浮かべて、股間をおさえている。
「大丈夫か?」
「アードルフ、駄目…… わたしいっちゃう……」
そう言って抱きついてくる。
抱きつかれると、二人とも腰砕けで、床に座り込む。
ガクガクとしている彼女。
「見ないでよ、恥ずかしい……」
俺は思わず周りを見回す。
皆同じ状態……
ではない。
一部の連中は、立ったまま燃え、焼け崩れていた。
後で知ったが、心を喰われ、魔人化した者達だったらしい。
人に紛れ入り込もうとする。
それを浄化し、大丈夫だった人たちを、人に戻す施設が此処だったようだ。
その処置の中で、人々は痛みと快楽を感じてしまう。
なぜか、幾度かいったのに、下着の中は綺麗だった。
そこを通り過ぎれば、二手に分かれる。
夢と冒険の国インセプトラ―王国(仮)と日本帝国。
「どちらに住むか決めてください」
王国は中世のヨーロッパを思い浮かべれば良いらしい。
日本帝国は、近代国家。
「おすすめはどちらですか?」
担当者に聞くと、こそっと教えてくれる。
「人が人のままに暮らせるのは王国だ。近代国家のような、がんじがらめに決められた物がない。気楽に日々暮らせる。帝国は、まあ個人主義者のかたまり、良くある都会だ」
そう言って笑う。
「どうする?」
「中世の暮らしって不便そうだけど、興味はあるわね」
「移動は出来るみたいだし、王国に行ってみようか」
「うん」
アードルフはビアンカと共に、王国へと向かった様だ。
だが、帝国側に来た人間もこの数年失っていた文明が存在して機能していることに驚く。
そう諸外国では、まだインフラすら綺麗に機能していなかった。
魔導具は、壁に設置だけで送電線も配管も必要がない。
それは恐るべき速度での、復旧が出来るという事。
前に、話題となった道路の陥没も物理的に発生しない。
上水は魔導具、下水は地下で集められ浄化される。
そして快適な暮らしは、王国の方が上。
日々細々した仕事があり、そこにはつまらないプライドなどない。
楽しく暮らし、飲んで喰う。
都会暮らしで疲れた人たちは皆流れてくる。
そこで、暮らしにくい世の中を作っていたのは、自分たちなんだと理解する。
自分たちが勝手に区別をして壁を作っていた。
人は人、死が身近であるため一生懸命生る。
学歴? 何だそれ食えるのか?
そんな世界。
商店も気に入らない客には売らない、信頼こそが重要。
そして、その国は強かった。
「おら、取り返すぞ」
周囲の終わった土地を日々切り取っていく。
人類の手に、地球を取り戻す。
ゾンビやモンスターが跋扈する世界、冒険者や軍が一体となり戦う。
そんな世界の片隅に向こうからやって来た魔王、いや闇の魔神メイダークネスは、自らが終わらせてしまった向こうでのことを反省していた。
やり過ぎて何もなくなった世界。
こちら側は神の力も強い。気を付けないとまた封じられてしまう。
ヨーロッパの片隅にたどり着き、そこに自らの王国を造り始めた。
変異した魔人達を集めて、生き残った人々を家畜化。
その勢力を広げていく。
アジアの片隅から、勢力を広げていく王国。
数年後に戦闘となる。
「情報はどうだ?」
「これが、情報によると邪神の国のようだ」
龍一と楓真達は顔を突き合わせて相談中。
各地方にはなった物見からの情報により、一大勢力がヨーロッパを占拠しているようだ。
ザコではない、魔人達の数万に達する軍勢。
「まあやるしか無いだろうが、浄化砲は効くんだろ」
「効くなあ。その辺りは一緒だ」
「じゃあ、行くか」
その日、命令が下された。
人類奪還計画。
魔人に奪われた土地と、囚われている人々を解放する。
その宣言を王国が出したとき、ようやく日本も賛同をする。
今まで専守防衛を言い訳に動かなかった。
だが、現地の情報が映像として流された。
飼われている人々。
産めや増やせやと言う世界だが、所詮は食料。
自らが、畑で穀物を育て暮らすが、それは、魔人達の食料となるため。
絶望の顔と目は、見た者達の心に突き刺さった。
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