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第1章 始まりと魔法世界への準備
第17話 社長就任(社員は自分だけ)
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あれよあれよという間に話は進み。
手続きが終わってしまった。
まあ、個人事業主でお願いしたのだけど。
収入が多いと法人の方がお得ということで、美月の雇い主。井守つぐみさんが、張り切ってしまった。
1千万円を超えると、消費税とかが必要になるということで、500万の資本金で行きましょうと決定して、魔石を売りに走ったり、登記がとか定款がとか役員がとか言われて振り回されたり、気が付けば代表取締役と社長兼任となった。
まあ全部できるまでには、2週間ほど最低でもかかるようだが、その辺りは任せて名刺を作り高梨さんに渡した。
逆に駆除費用については揉めているらしく、ごめんなさいと松沼家の方々に言っておいてくれと言われた。
そうそう、社名は『株式会社 特別指定外来種対策会社』なんのひねりもないが、社名でなんの会社かわかるから良いんだ。と言うことだ。特に新業種だからね。
でも略称考えないと、電話での応対がめんどうくさそうだ。
ついでに高梨さんから魔石の利用方法について、なにかいい案無いかなとも相談されて困っている。
今は駆除個体の数をカウントするためだけに買い取っている状況だけど、魔石が売れれば予算が逼迫しなくなる。
これは君のせいでもあると言われた。
官民で協力しろよと言いたい……。
ああ官民か俺も中に入るなしようがない。
うちの相談役のフレイヤ先生に相談しよう。
「にゃ?」
慌てて抱えダンジョンへ移動。
改めて、
〈魔石って何かに使えない?〉
〈食べれば体が大きくなる〉
〈そうだね、他には?〉
〈魔力の塊だから、握り込んで魔石の魔力を使うように意識して魔法を使えば大きい魔法が使える〉
〈うーんもうちょっと〉
〈前に言ったことを覚えているか不安だけど、向こうの世界ではすべての物が魔素で構築されているって言ったよね。だから大気中の濃度が薄くて魔法は使えないけど、魔石は濃度が100%近い、ということは、念じれば何でもできるし、なんにでも変化するということなのよ〉
〈へっ?〉
〈たとえば、魔石一個頂戴〉
〈ああ、ほれ〉
〈この魔石に、燃えろと命令すると燃える。もう一個〉
〈水になれ。もう一個〉
〈うーんと。尻尾になれ〉
うにょうにょとしたトカゲのしっぽが出来上がる。魔石一個だから短いけど……
〈どう?便利でしょ。何かに使えるかと聞かれたけど、なんにでも使える。もう一個頂戴〉
〈ほい〉
突然かじりだす、フレイヤ先生
〈何しているんだよ?〉
〈食べれば、私たちの栄養? にもなる。便利でしょ〉
〈ああ分かった、なにに使えるという問いが、そもそも間違いなんだな〉
〈そうそう、教えたからもう一個〉
〈わかったよ〉
10個ほどご褒美にあげた。
〈太っ腹〉
〈どこで覚えるんだ、そんな言葉〉
〈にゃ、当然美月〉
〈そうだよな、ありがとう〉
ダンジョンを出て、ふと思いつき井守先生に電話をする。
「あっ先生ですか?私神崎ですが。先生特許法とか詳しいですか?…… 行けます? ならちょっと申請したのですが良いですかね。はい、詳細は魔石っていうモンスターが落とす物があるんですが…… はいはい…… そうです…… それの利用に関して、変化そのものを特許として出したいのですけど…… 発見はだめ?…… はい…… えっ論文ですか? …… はいはいはい。じゃあそれでお願いします。明日伺います。それじゃあお願いします」
翌日から会社名義で論文を作成しネ○チャーにWEB投稿した。よっしゃ、通ればインパクトファクター50だ。ただ研究機関じゃないから意味ないけどね。
特許は魔石を使った道具でも作った時にとなった。逆に作らないと商売にならないとも言われた。ただ会社の宣伝的には大きいから、採算は取れるだろうと井守先生のお言葉だ。
一気にグローバル企業だ。今は、単なるモンスターの駆除会社だけどね。
そうだ、高梨さんにも電話しよう。
電話して、内容を説明した。返答は、そんな簡単なことで……だった。
2~3日後論文を査読した研究機関から、バンバン英語のメールがやってきだした。レスポンスは良いけど専門用語ばかりで読めない。ところがそこで美月が役に立った。
プラプラしながら、ダンジョンをつぶし、たまに会社からくる仕事をこなす。すると高梨さんから、燃料として火力発電所に納入できると返事が来た。何で直接電気に変換しないか聞くと一気に変換されるのでコントロールが難しいとの回答が来た。
燃料なら、燃えろと念じながら火に投じれば使えるらしい。
そうしながら3か月。気が付けば、会社名と全然関係ない仕事をしていた。いや、儲けているから良いのだけどね。
そうしたある日フレイヤ先生が大気中の魔素濃度がもう少しで10%になるねと言っていた。もう少し15%になればいよいよ普通に生活レベルの魔法が使えるようになるらしい。
ネット上にはダンジョン内限定ではあるが、いろんな魔法が使えると書き込みが上がっている。
それに応じて俺のように身体能力が上がったとの報告もある。このまま最適化が進めば、人間は向こうのモンスターより強力な力を得ることができると、フレイヤ先生は仰っている。
いま、家のダンジョンでは、フレイヤ先生に魔法を教えてもらっている。報酬は時間当たり魔石6個。地球で一般的に知られている物理現象が魔法で再現できることが分かった。個人で核爆弾も作れる自信ができた。最近は魔石に属性を付与してラノベで有名な魔道具も作れるようになった。個人用バリアは便利だ。
それに発表した論文により再生医療も活発化している。小さな欠損なら外でも大丈夫で大きなものはダンジョン内なら形を保つことができるようだ。外に出ると崩れるため魔石を握りこんでいればある程度は維持できると追試論文が出ていた。
このままいけば、侵略を考えた奴らの思惑を超えて。地球は愉快なことになりそうだ。
手続きが終わってしまった。
まあ、個人事業主でお願いしたのだけど。
収入が多いと法人の方がお得ということで、美月の雇い主。井守つぐみさんが、張り切ってしまった。
1千万円を超えると、消費税とかが必要になるということで、500万の資本金で行きましょうと決定して、魔石を売りに走ったり、登記がとか定款がとか役員がとか言われて振り回されたり、気が付けば代表取締役と社長兼任となった。
まあ全部できるまでには、2週間ほど最低でもかかるようだが、その辺りは任せて名刺を作り高梨さんに渡した。
逆に駆除費用については揉めているらしく、ごめんなさいと松沼家の方々に言っておいてくれと言われた。
そうそう、社名は『株式会社 特別指定外来種対策会社』なんのひねりもないが、社名でなんの会社かわかるから良いんだ。と言うことだ。特に新業種だからね。
でも略称考えないと、電話での応対がめんどうくさそうだ。
ついでに高梨さんから魔石の利用方法について、なにかいい案無いかなとも相談されて困っている。
今は駆除個体の数をカウントするためだけに買い取っている状況だけど、魔石が売れれば予算が逼迫しなくなる。
これは君のせいでもあると言われた。
官民で協力しろよと言いたい……。
ああ官民か俺も中に入るなしようがない。
うちの相談役のフレイヤ先生に相談しよう。
「にゃ?」
慌てて抱えダンジョンへ移動。
改めて、
〈魔石って何かに使えない?〉
〈食べれば体が大きくなる〉
〈そうだね、他には?〉
〈魔力の塊だから、握り込んで魔石の魔力を使うように意識して魔法を使えば大きい魔法が使える〉
〈うーんもうちょっと〉
〈前に言ったことを覚えているか不安だけど、向こうの世界ではすべての物が魔素で構築されているって言ったよね。だから大気中の濃度が薄くて魔法は使えないけど、魔石は濃度が100%近い、ということは、念じれば何でもできるし、なんにでも変化するということなのよ〉
〈へっ?〉
〈たとえば、魔石一個頂戴〉
〈ああ、ほれ〉
〈この魔石に、燃えろと命令すると燃える。もう一個〉
〈水になれ。もう一個〉
〈うーんと。尻尾になれ〉
うにょうにょとしたトカゲのしっぽが出来上がる。魔石一個だから短いけど……
〈どう?便利でしょ。何かに使えるかと聞かれたけど、なんにでも使える。もう一個頂戴〉
〈ほい〉
突然かじりだす、フレイヤ先生
〈何しているんだよ?〉
〈食べれば、私たちの栄養? にもなる。便利でしょ〉
〈ああ分かった、なにに使えるという問いが、そもそも間違いなんだな〉
〈そうそう、教えたからもう一個〉
〈わかったよ〉
10個ほどご褒美にあげた。
〈太っ腹〉
〈どこで覚えるんだ、そんな言葉〉
〈にゃ、当然美月〉
〈そうだよな、ありがとう〉
ダンジョンを出て、ふと思いつき井守先生に電話をする。
「あっ先生ですか?私神崎ですが。先生特許法とか詳しいですか?…… 行けます? ならちょっと申請したのですが良いですかね。はい、詳細は魔石っていうモンスターが落とす物があるんですが…… はいはい…… そうです…… それの利用に関して、変化そのものを特許として出したいのですけど…… 発見はだめ?…… はい…… えっ論文ですか? …… はいはいはい。じゃあそれでお願いします。明日伺います。それじゃあお願いします」
翌日から会社名義で論文を作成しネ○チャーにWEB投稿した。よっしゃ、通ればインパクトファクター50だ。ただ研究機関じゃないから意味ないけどね。
特許は魔石を使った道具でも作った時にとなった。逆に作らないと商売にならないとも言われた。ただ会社の宣伝的には大きいから、採算は取れるだろうと井守先生のお言葉だ。
一気にグローバル企業だ。今は、単なるモンスターの駆除会社だけどね。
そうだ、高梨さんにも電話しよう。
電話して、内容を説明した。返答は、そんな簡単なことで……だった。
2~3日後論文を査読した研究機関から、バンバン英語のメールがやってきだした。レスポンスは良いけど専門用語ばかりで読めない。ところがそこで美月が役に立った。
プラプラしながら、ダンジョンをつぶし、たまに会社からくる仕事をこなす。すると高梨さんから、燃料として火力発電所に納入できると返事が来た。何で直接電気に変換しないか聞くと一気に変換されるのでコントロールが難しいとの回答が来た。
燃料なら、燃えろと念じながら火に投じれば使えるらしい。
そうしながら3か月。気が付けば、会社名と全然関係ない仕事をしていた。いや、儲けているから良いのだけどね。
そうしたある日フレイヤ先生が大気中の魔素濃度がもう少しで10%になるねと言っていた。もう少し15%になればいよいよ普通に生活レベルの魔法が使えるようになるらしい。
ネット上にはダンジョン内限定ではあるが、いろんな魔法が使えると書き込みが上がっている。
それに応じて俺のように身体能力が上がったとの報告もある。このまま最適化が進めば、人間は向こうのモンスターより強力な力を得ることができると、フレイヤ先生は仰っている。
いま、家のダンジョンでは、フレイヤ先生に魔法を教えてもらっている。報酬は時間当たり魔石6個。地球で一般的に知られている物理現象が魔法で再現できることが分かった。個人で核爆弾も作れる自信ができた。最近は魔石に属性を付与してラノベで有名な魔道具も作れるようになった。個人用バリアは便利だ。
それに発表した論文により再生医療も活発化している。小さな欠損なら外でも大丈夫で大きなものはダンジョン内なら形を保つことができるようだ。外に出ると崩れるため魔石を握りこんでいればある程度は維持できると追試論文が出ていた。
このままいけば、侵略を考えた奴らの思惑を超えて。地球は愉快なことになりそうだ。
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