新しい年、新しい自分、変わる切っ掛けは…… 一つの出逢い

久遠 れんり

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第3話 秘密と屈辱

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 あれは中学校二年の時、私の愛する幼馴染み。良人との愛の巣に、異物が混ざり込んだ。
 多田野 創ただの はじめと言うらしく、良人との間でこんな話があったらしい。

 教室の一角で、良くある光景が展開されていた。
「えー、彼女と幼馴染み? いいじゃん。付き合ってんのか?」
 彼はずかずかと、踏み込んでくる。
 だが、良人はこの頃、まだ付き合うとか付き合わないとかよく判っていなかった。
 この頃は男のほうが身体も、精神も発達が遅い。
 判っているのは、仲の良い幼馴染み。
 時々おねだりされて、体に触れるくらいの。

 そして、中学二年生だと、テレがあったり、付けなくても良いのに格好を付ける年頃。
 多田野くん、彼は少し変わっていた。

「いや、まだそんなのじゃ無いけど」
 思わず口ごもる。
 あいつが、俺にとって特別なのは間違いない。

「その反応、やっぱり好きなんだ」
 そう言って、揶揄う様に笑われる。
 もう否定も面倒だし認める。

「そりゃね。だけど勉強しろってやかましくてな」
 そう返してすねてみせる。

「それは贅沢」
 また笑われる。

「毎日来て、強制的に勉強だよ」
 わざとらしく嫌そうな顔を見せる。

 その言葉に彼が反応をする。
 そう、それが彼女にとって、最悪への一歩だとは俺は知らなかった。
「それ良いな、一人だとすぐサボるんだよ。いいなあ」
 口調が少し変わり、彼は何か口ごもる。

「なんだ? 来るか?」
 言ってしまった。
 そんな気など無かったのだが、彼はそれに乗ってくる。
「良いのか? 行く」

 私が文句を言った後、説明を聞くととまあ、良人が誘ったらしい。
 それでも、一年くらい何もなかった。
 彼も話しやすかったし、面と向かって好きだと宣言されるのは悪い気はしなかった。そして、彼は私を褒めてくれる。
 一緒に花火大会とかも行ったし、結構仲良くなっていた。

 ある日の夕方、そろそろ、高校の試験準備で勉強に気合いが入っていた頃。良人の部屋でつい寝てしまった。
 秋だけれど、まだ外は暑く、スカートにキャミソール。
 無論おねだりするときに、便利な格好。
 家から来るときには、上着を着ていたが、部屋へ来て脱いでいた。

 口びるに、柔らかな感触と、胸への愛撫。
 ソフトブラ越しに、敏感な所を触れられる。
 下着の中に手が入り、敏感な所に触れられる。
 私は、その珍しい行動に、少し甘えるように聞く。
「もう、良人。どうしたの?」

 寝ぼけていたら、いきなり裂けるような痛み。
 目を覚ますと、私の足側で嬉しそうな顔をしていたのは、創だった。スマホを構えて……



「ナニをすんの?」
「叫ぶな、良人が帰ってくると聞こえるぞ」
 その時、痛みで脂汗が出ていた。

 動き始める創。
 確かにすぐ終わった。
 体が離れた隙に突き飛ばし、足で蹴る。
 ズボンを下ろしていたので、上手く動けなかったようだ。

 転んだ隙に、いつの間にか脱がされた下着を掴み、荷物を抱えて私は部屋を飛び出そうとする。だが、床に転がっている奴の顔を、思いっきり蹴っ飛ばす。
 耳の横くらいで、かなり痛かったらしい。

 私は急いで家に帰り、シャワーを浴びる。



「やった。ついにやった」
 耳を押さえながら、創はニヤついていた。
 動画を再生し、部分だけだがバッチリ撮れている。

 部屋にはいると、深海がねていた。
 膝丈のスカートにノースリーブの服。
 胸の膨らみが目立つ。
 良くないとは思っていた。
 だけど彼は、止まれなかった。

 彼はよろよろと立ち上がると、部屋を後にする。


 その一五分後くらいに良人は帰ってきたが、部屋の匂いと誰も居ないことに不安を覚える。

 下に敷いているラグに、血の跡と妙な液体。
 指に取り匂いを嗅ぐ。
 覚えのある匂い。
 まさか、そう思うが、二人のことを信じていたし、この頃の彼は意外と根性無しだった。

 だがその日から、深海が来なくなった。
 部屋に残っていた薄手のパーカー。

 二人に何があったのかを聞きたかった。
 だが、ぐるぐると考えたときに浮かんだ答え。付き合いだしたとか言われるのを、彼は恐れてしまった。

 決心が付くまで一週間程度掛かった。
 その期間、創も良人に知られて、殴られる覚悟はしていた。

 だが何もなく、彼が言ってきたのは、深海が家に来なくなった。お前何か知らないかという言葉。
「そりゃ怒らせたのか、何かあってこられないんだろ。子どもじゃ無いんだから様子を見ておけよ」
 そう言われて悩む。彼女は学校で会っても普通だが、そそくさと行ってしまう。

 だがその問いで、この前のことを良人に知られてないことを、創は確信してしまう。
「そうか、知られたくないんだ」
 そして彼は行動を起こす。

 彼女の家へと、直接やって来る。
 ダース単位であるものを持って……
 
「こんにちは、多田野と申します。彼女に勉強を教えて貰う約束をしていて、お邪魔します」
 外面がよく、まんまと上がり込む。

 何があったのか知らない母親は、勉強の出来ない良人を諦めたのだと喜ぶ。
 当然その日も、深海は散々な目にあわされたのに。


 深海もこの一週間悩んだ。
 良人に言ってしまい、楽になりたい。
 でもそれは、事情を知らない関係とは、きっと違ったものになるだろう。

 だがそんな彼女の前に、厄災は笑顔で現れた。
「良人に知られたくないんだろ。パンツ脱げよ」
「いやよ」
「じゃあ見せるぞ」
 スマホの動画が再生される。

「なっ、消しなさいよ」
「やだよ、お前が俺と付き合ってくれるなら、考えても良いけど」
「嫌よ。あんたがやったのは犯罪よ」
「えーと何だったっけ? 親告罪だっけ、お前が言わなきゃ大丈夫さ」
 聞きかじった知識で脅しに掛かる。

 当然訴えれば皆に知られる。それは嫌だ。
 そうして彼女は我慢をして受け入れる。

「好きにすれば……」
 相手はしてくれるが、ただ身を任せるだけ。俗に言うマグロ状態。
 そして、いつまで経っても、付き合うと言わない彼女に苛立ち始める。

 どこかの本に体を重ねると、女は惚れると書いてあったのに。
 彼は変な方向に努力する。
 通販で拘束具と共に、おもちゃを仕入れる。
 
 彼女を、なんとかして体を満足させれば良いとか、考えてしまった。
 本で読んだ知識を総動員。
 彼女の体を開発する。

 潰れたカエル状態に彼女を拘束。
「良い景色だ」
 そう言ってみたが、彼女は完全無視。
 目の前に見える卑猥な場所に、評判のよかったおもちゃをねじ込む。
 反応を見ると、彼女は幾度も言っている様子。
 だけど、無反応を通す。

 だから彼は、嫌われるかもしれないから、嫌われてもいいやと変化をする。
 そう…… どこもかしこも。
 前も後ろも、敏感な突起は吸盤で吸い上げ尖らせる。
 道具を使って攻め立て、強引に何度も達したのを確認……
 
 そして、もう良いや。あいつに見えるかもしれないと、ふらふらの彼女をわざと窓ガラスに押しつけて、行為を繰り返す。

 この部屋は一階だが、良人の部屋は二階で、普通に此処の窓は見える。

 そして、良人は見ていた。
 窓は閉じていても、声は聞こえる。
 嬌声も……
 覗くと、カーテンは開かれ、裸体の深海を後ろから突いているのは創だ。
 胸にも変なクリップがぶら下がって、窓に当たると唸りを外に伝える。
 彼女は、素質があったのか、屈辱の中で責められて…… それは、ひょっとすると、心を守るためかも知れないが、開眼してしまう。

 前も後ろも、彼は、枷まで用意をして口さえも汚され責められる。
 そう体は拘束され、責められ続けて、口は枷で開かれたまま何度も流し込まれた。

 だが、そのどれもが、あり得ないほどの快感を、彼女に与える。
 その快楽は、彼女を泥沼へと誘ってしまう。

 嫌なのに、体が求めてしまう。
 人間では出来ない刺激が体を襲う。
 敏感な所が吸盤のような道具で肥大化させられ、服でこすれただけで感じる様になってしまった。

 その凶行は、一月ちょっと、毎日続いた。

 だが、呆れたことに、奴は諦め、クリスマス前に彼女を作ってしまう。
 目の前で動画を消し……
「もうやめた。良人と幸せにな」
 そんな事を言って、来なくなってしまった。

 彼にしてみたら、ナニをしても従う彼女。
 それは当然、良人に知られたくないから。
 そんなに奴が好きなのかと、今更やっと気がついた……
 最悪だろう?

「ふざけないでよ、こんなに汚されて、何もなかったみたいにできるわけ無いじゃ無い……」

 毎日会うのは辛い。彼女は勉強をして、良人とは違う高校へと入学をする。

 卒業式の時に、久々に会った良人は泣きそうな、変な顔をしていた。
「じゃあな、頑張れよ」
「うっうん」
 それがおそらく、引き返せる最後だった。すがりつき、あったことを言えば彼は全力で愛してくれたかもしれない。でも、言えなかった……
 
 三年後に一度再開するが、その時にはもう…… 彼女は引き返せない所へ、足を踏み込んでいた。
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