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第26話 食事と酔っ払い
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「それでは、出逢いに乾杯」
そんな感じでお食事会が始まった。
「へえ、最近免許を取ったばかり? それにしてはお上手でしたね」
「そうかな、途中雪が積もっていて怖かったよ」
「へぇ、電車からみたときは、積もっている感じじゃありませんでしたけどね」
ほのぼのとした、お食事会。
目の前の座卓には、海の幸と山の幸がこれでもかと積まれていた。
ぼったくった料金分は、出してきたようだ。
それとも、あの札束をみた女将の思いが込められているのか……
多分これから、季節事に、新道の所へはがきが来るだろう。
だが、光は新道にお願いがある。
彼女は、彼にビールを注ぎながら、徐々ににじり寄っていく。
「ちょっと遠いですね」
などと言いながら。
お願い。お金持ちであってほしい……
「そういえば、受付のときにすごいお金持っていましたね。無造作に取り出すから驚きましたよ…… あれって、危ないですよ」
「そうかな?」
「ええ、女将さんの目が、円マークになっていましたよ」
自分のことは棚上げをして、話を振ってみる。
「目だつか、そうだな気を付けよう。そうか財布に小分でもしておけば良いのか」
ぶつぶつと、何かを考え始める。
ちなみに、光は一度温泉に入り浴衣姿。
無論ブラはしていない。
自身の色気については全く自信が無いのだが、頑張っている。
彼女は、色気のあるタイプでは無く、小学校時代にはどちらかと言えば男子に交じって走り回り、中学校でも、運動が好きで走り回っていた。
友人たちからも『あんたって本当に色気ないわね』そんな事を、何度も言われる筋金入りだ。
だからといって、異性に興味がないわけでは無い。
幾人か気になる男の子はいたが、付き合うまでには至らなかった。
そう、あの頃彼女の周りに居た男子は、異性というよりは、彼女のことをダチだと思っていた様である。
しっかりと、彼らはおとなしそうな子と付き合っていたし、まあそんな感じだった。
付き合いだした彼女に、遠慮をしたのか、彼らは、ある時期から彼女の周りから離れていく。
その疎遠になった頃から、丁度看護師になりたいと思い勉強に燃えだしたので、特にに気にはしていなかったが、多分そういう事だろう。
彼氏が気を許す女がいる。
付き合っている彼女からすれば、まあ許せない立ち位置。
「いやあ実は、人に騙されまして、今借金が出来ちゃって、困っているんです」
緊張から、彼女も少し飲み過ぎた。
彼の太ももに左手を置いているのは良いが、完全に酔っ払いモードとなっている。
そう緊張、どうやって切り出そうとか色々と考え、ビール瓶を持ってこちら側へ移動してきたため全く何も食べず、ひたすら飲んでいた。
そのため、抑えが効かず。愚痴のような感じで、今の状況を語り始める。
「少しは、幸せになりたいじゃないじゃ無いですか。女の子だし結婚とか子どもとかもほしいし…… それでまあ、ブライダル系のマッチングを試したんですよ」
酔っ払いの独白。
だがその頃になると、浴衣が着崩れ、パーソナルスペースも崩れて、寄りかかっているような状態。
平然としているが、新道も酒が入っているし、どうしたものかと考えていた。
「聞いています? それで気がつけば一千万円ですよ。借金一千万。どうやって返すんでか。回収に来た人もえっちなお店を紹介するし…… 仕事を辞めても退職金なんて、三十万円しかないし……」
「そんなものなのか?」
「そうなんレス。今日が最後の贅沢。もうアパートも追い出されたし…… 死んじゃおうかなって…… んで、わたしは、あそこの廃墟にいたのレス」
そう言ってなぜかガッツポーズ。
もう抑えが効かなかった。
全て言った。
もう助けてくれなくてもいいや、誰かに全部聞いてほしかった。
彼女は、かなり楽になったが、聞かされた方はとんでもない話。
「死ぬってあんた、一千万だろ。なんとかならないのか?」
「ならない、れす。親は自分でなんとかしろって言うし、知らない人とエッチしまくるのもいやだし、死んじゃえば保険が下りるし、皆万歳なんです」
「まあ、そりゃなあ」
「それとも、新道さん買ってくれます? ええい、バージンの二十四歳、持ってけ泥棒、今なら一千万ぽっきりだぁ」
そう言って、日本酒をコップで一気飲み。
そしてへらへら。
体力があるから、ある程度酒にも強いようだ。
無論、粗相をしないレベルで……
全てをぶっちゃけるくらい箍は外れている。
「まあいいか、死なれても夢見が悪い。貸してやるよ」
「ですよね…… 私なんか色気も無いし……」
そう言ってまたグビグビ。
「貸すって言ってんだろ。相手の口座番号は判るのか? 判れば今でも入金できるぞ」
「えー?? 貸す? 貸す!! 本当に!!」
「ああ、そう言っている」
そう聞いて、またコップで一気。
「夢じゃないの?」
「夢じゃないから書類見せろ」
「あっ、駅のコインロッカー」
そう遺書の入ったスーツケースの中。
お気に入りだった、ぬいぐるみとかと一緒に置いてきた。
「じゃ明日だな」
「すみません」
そうして、酒宴は続く……
そんな感じでお食事会が始まった。
「へえ、最近免許を取ったばかり? それにしてはお上手でしたね」
「そうかな、途中雪が積もっていて怖かったよ」
「へぇ、電車からみたときは、積もっている感じじゃありませんでしたけどね」
ほのぼのとした、お食事会。
目の前の座卓には、海の幸と山の幸がこれでもかと積まれていた。
ぼったくった料金分は、出してきたようだ。
それとも、あの札束をみた女将の思いが込められているのか……
多分これから、季節事に、新道の所へはがきが来るだろう。
だが、光は新道にお願いがある。
彼女は、彼にビールを注ぎながら、徐々ににじり寄っていく。
「ちょっと遠いですね」
などと言いながら。
お願い。お金持ちであってほしい……
「そういえば、受付のときにすごいお金持っていましたね。無造作に取り出すから驚きましたよ…… あれって、危ないですよ」
「そうかな?」
「ええ、女将さんの目が、円マークになっていましたよ」
自分のことは棚上げをして、話を振ってみる。
「目だつか、そうだな気を付けよう。そうか財布に小分でもしておけば良いのか」
ぶつぶつと、何かを考え始める。
ちなみに、光は一度温泉に入り浴衣姿。
無論ブラはしていない。
自身の色気については全く自信が無いのだが、頑張っている。
彼女は、色気のあるタイプでは無く、小学校時代にはどちらかと言えば男子に交じって走り回り、中学校でも、運動が好きで走り回っていた。
友人たちからも『あんたって本当に色気ないわね』そんな事を、何度も言われる筋金入りだ。
だからといって、異性に興味がないわけでは無い。
幾人か気になる男の子はいたが、付き合うまでには至らなかった。
そう、あの頃彼女の周りに居た男子は、異性というよりは、彼女のことをダチだと思っていた様である。
しっかりと、彼らはおとなしそうな子と付き合っていたし、まあそんな感じだった。
付き合いだした彼女に、遠慮をしたのか、彼らは、ある時期から彼女の周りから離れていく。
その疎遠になった頃から、丁度看護師になりたいと思い勉強に燃えだしたので、特にに気にはしていなかったが、多分そういう事だろう。
彼氏が気を許す女がいる。
付き合っている彼女からすれば、まあ許せない立ち位置。
「いやあ実は、人に騙されまして、今借金が出来ちゃって、困っているんです」
緊張から、彼女も少し飲み過ぎた。
彼の太ももに左手を置いているのは良いが、完全に酔っ払いモードとなっている。
そう緊張、どうやって切り出そうとか色々と考え、ビール瓶を持ってこちら側へ移動してきたため全く何も食べず、ひたすら飲んでいた。
そのため、抑えが効かず。愚痴のような感じで、今の状況を語り始める。
「少しは、幸せになりたいじゃないじゃ無いですか。女の子だし結婚とか子どもとかもほしいし…… それでまあ、ブライダル系のマッチングを試したんですよ」
酔っ払いの独白。
だがその頃になると、浴衣が着崩れ、パーソナルスペースも崩れて、寄りかかっているような状態。
平然としているが、新道も酒が入っているし、どうしたものかと考えていた。
「聞いています? それで気がつけば一千万円ですよ。借金一千万。どうやって返すんでか。回収に来た人もえっちなお店を紹介するし…… 仕事を辞めても退職金なんて、三十万円しかないし……」
「そんなものなのか?」
「そうなんレス。今日が最後の贅沢。もうアパートも追い出されたし…… 死んじゃおうかなって…… んで、わたしは、あそこの廃墟にいたのレス」
そう言ってなぜかガッツポーズ。
もう抑えが効かなかった。
全て言った。
もう助けてくれなくてもいいや、誰かに全部聞いてほしかった。
彼女は、かなり楽になったが、聞かされた方はとんでもない話。
「死ぬってあんた、一千万だろ。なんとかならないのか?」
「ならない、れす。親は自分でなんとかしろって言うし、知らない人とエッチしまくるのもいやだし、死んじゃえば保険が下りるし、皆万歳なんです」
「まあ、そりゃなあ」
「それとも、新道さん買ってくれます? ええい、バージンの二十四歳、持ってけ泥棒、今なら一千万ぽっきりだぁ」
そう言って、日本酒をコップで一気飲み。
そしてへらへら。
体力があるから、ある程度酒にも強いようだ。
無論、粗相をしないレベルで……
全てをぶっちゃけるくらい箍は外れている。
「まあいいか、死なれても夢見が悪い。貸してやるよ」
「ですよね…… 私なんか色気も無いし……」
そう言ってまたグビグビ。
「貸すって言ってんだろ。相手の口座番号は判るのか? 判れば今でも入金できるぞ」
「えー?? 貸す? 貸す!! 本当に!!」
「ああ、そう言っている」
そう聞いて、またコップで一気。
「夢じゃないの?」
「夢じゃないから書類見せろ」
「あっ、駅のコインロッカー」
そう遺書の入ったスーツケースの中。
お気に入りだった、ぬいぐるみとかと一緒に置いてきた。
「じゃ明日だな」
「すみません」
そうして、酒宴は続く……
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