55 / 88
第2章 広がる世界
第55話 集落にて
しおりを挟む
農業指導や、武器の作製方法を伝授した。
さらに、服を分け与える。
最初は嫌がっていたが、着せると今度は脱がなくなった。
気に入ったようだ。
ねねの部族は、ヨーロッパ系。
ゲルマンよりは、スラヴ系民族の特徴を持つため。
目のやり場に非常に困っていた。
惜しいような気もするが、身内のジト目から。これで解放される。
服は洗濯用に、数枚ずつ。全員に置いていくことにする。
さらに精霊から助力をもらって、念話通信装置を開発した。
1つをここに置き。1つは持って帰る。
作成するためには、1つの魔石を2つに割って、それがキーとなっている。
最初は、割るとなぜか、霧散してしまい。話にならなかった。
すると、土の精霊が現れて、魔石は普通の石と違い。小さな粒が集まって、できている物ではなく。これ一つが、粒なんだと教えてくれた。
だから、割るイメージではなく。分けるイメージで扱えと説明された。
どう違うんだよ。そう思いながらやってみると、できた。
なんじゃこりゃである。
それと、後1つ。
念話は、魔力に返還した魔素に、意識の波を乗せて伝える。
水中を伝播する音の様に、空気中にある魔素を、順に魔力に変えながら、非常に遠くまで到達する。
面白いのは、念話には相手が居ないとだめだが。
見る事を意識して、発動すると。ダイレクトに見える。
つまり魔素を、通じて、視界が移動できる。
前回。船の上で魔素の揺らぎを見た時は、プランクトンとかの魔力に邪魔されたが。見る魔法なら、距離を関係なく。見ることができる。
当然。使う魔力の問題があるので、人の内包している魔力量により。距離と範囲が限定される。
だが、これにより、潜水艦でも。
周りを見ながら、運転ができることとなった。
これは、周りが暗いときとかに。無意識にみんな使っているらしい。
そんなこんなで、1週間ほど滞在した。
その間に頻繁にやって来るモンスター。
オークの集落があるはずだと考え。
逆にオークの集落へと、殴り込みに行って。せん滅をした。
奴ら、さらった人間を、食ってやがった。
幾人かは、まだ生きていて。助け出した。
ねねたちは、喜んでいたが。
その理由は、食料ができたとのことだ。
その晩の戦勝会で、焼かれたオークが出てきて、人間を食ったやつだよな? と食べるのをためらっていたが。
ねね達の、お供え物はいかがでしょうか? という。期待の目がすごいんだよ。
観念して、1口。ほんの少しだけ、口に入れる。
なんと言うことでしょう。
臭みは無く。焼かれた香ばしい香りと、油の甘みが口腔を満たす。
そこに、塩が。非常にいいアクセントとなり、良い仕事をしている。
豚バラ肉の高級品。きっと高い奴なら、こんな味がするだろうと思える肉だ。
きっとこいつは、人間は食っていない。そう思いながら、おいしく頂いた。
ちょっと気になって、とりあえず意識を広げてみてみる。
オークなどの集落は、あそこだけで他の脅威は、なさそうだ。
奥に広がる山の方では、熊が徘徊しているが。大丈夫だろう。
目線を上げて、上空から見てみる。空を飛んでいるようで気持ちがいい。
あれ? この大陸? 北海道の形をしている。
ただ奥に樺太や北方4島は無く。手前の本州もない。
広大な北海道。いやこのサイズは大陸だな。なんだこの星?
ふと思いつく。じゃあ探せば、本州や、九州も。
どこかに大陸となって、あるのか?
今度見てみよう。意識を戻すと、なぜか香織にビンタされていた。
「大丈夫? 意識戻った?」
自身の頰を、さすりながら聞いてみる。
「どうしたんだ。一体?」
「なんだか、金色に輝きだして。全く反応をしないから」
そう言われて、周りを見る。皆がこっちを見て、固まっていた。
そうか。強力な魔力を使うと、人間。金色に光るのかぁ。
「大丈夫。視界を広げ。安全の確認を、していただけだから」
みんなに伝える。
すすすと、久美が寄ってきて、
「何か、面白い物が見えたの?」
そう聞いてきた。
にやにやと、何か企むような顔だが、別に風呂場は覗いていないぞ。
「この大陸は、北海道の形をしていて、びっくりした位だ」
「えっ。じゃあ、ほかの部分もあるかなあ?」
同じような発想がわくらしい。
「俺もそう思う。今度。探してみる」
「また、船?」
「いや、最初に意識だけで、見に行けることが分かったから。そっちで見に行く」
「それで、面白いものが見えれば。実際行ってみると」
「そうだね」
「ずるいな、私の力だと。この周辺しか見られないのよ」
「魔力量サポートの、魔道具か。考えてみるよ」
そう言って、久美を抱っこしていると。
なぜか、順番待ちの列ができていた。
「いやあ。佐藤さん。モテモテですね。うらやましい」
内村さんは言いながら、通り過ぎていき。
一人の、女の子の隣へ座りこんだ。
あれは、部族のききだったか? いや、ららかな? この部族。2文字の名前だから覚えにくい。まあ、良い子を見つけたのかな。
この種族。実は、美男美女の集団。だもの。
大航海時代なら、奴隷待ったなし。
一緒に船で来た瀬戸さんも、ブラウンの髪で、茶色い目をしたカッコいいお兄さんとべったりだし。
今は、服を着ているけど。
それまでは、ぶらぶらしているものを見て、ぼそっと立派って、言っていたものな。大きさは、やっぱり重要なのか?
そんなことを、2人を見ながら。ぼーっと考えていたら、なぜか久美に頭をなでられた。なんでだ? 心を読む力でもあるのか?
確かに、あれに比べれば、粗品だがそれは承知だろう。
泣くぞ。魔力で強化でも。試そうか。
そういえば。
隆も、少し小さな子と、仲良くなったようだ。
あいつの場合。
中身は4歳だから、いいのか? でも。体は大人。難しい問題だな。
哲学的な問題になりそうだから、考えないようにしよう。
さらに、服を分け与える。
最初は嫌がっていたが、着せると今度は脱がなくなった。
気に入ったようだ。
ねねの部族は、ヨーロッパ系。
ゲルマンよりは、スラヴ系民族の特徴を持つため。
目のやり場に非常に困っていた。
惜しいような気もするが、身内のジト目から。これで解放される。
服は洗濯用に、数枚ずつ。全員に置いていくことにする。
さらに精霊から助力をもらって、念話通信装置を開発した。
1つをここに置き。1つは持って帰る。
作成するためには、1つの魔石を2つに割って、それがキーとなっている。
最初は、割るとなぜか、霧散してしまい。話にならなかった。
すると、土の精霊が現れて、魔石は普通の石と違い。小さな粒が集まって、できている物ではなく。これ一つが、粒なんだと教えてくれた。
だから、割るイメージではなく。分けるイメージで扱えと説明された。
どう違うんだよ。そう思いながらやってみると、できた。
なんじゃこりゃである。
それと、後1つ。
念話は、魔力に返還した魔素に、意識の波を乗せて伝える。
水中を伝播する音の様に、空気中にある魔素を、順に魔力に変えながら、非常に遠くまで到達する。
面白いのは、念話には相手が居ないとだめだが。
見る事を意識して、発動すると。ダイレクトに見える。
つまり魔素を、通じて、視界が移動できる。
前回。船の上で魔素の揺らぎを見た時は、プランクトンとかの魔力に邪魔されたが。見る魔法なら、距離を関係なく。見ることができる。
当然。使う魔力の問題があるので、人の内包している魔力量により。距離と範囲が限定される。
だが、これにより、潜水艦でも。
周りを見ながら、運転ができることとなった。
これは、周りが暗いときとかに。無意識にみんな使っているらしい。
そんなこんなで、1週間ほど滞在した。
その間に頻繁にやって来るモンスター。
オークの集落があるはずだと考え。
逆にオークの集落へと、殴り込みに行って。せん滅をした。
奴ら、さらった人間を、食ってやがった。
幾人かは、まだ生きていて。助け出した。
ねねたちは、喜んでいたが。
その理由は、食料ができたとのことだ。
その晩の戦勝会で、焼かれたオークが出てきて、人間を食ったやつだよな? と食べるのをためらっていたが。
ねね達の、お供え物はいかがでしょうか? という。期待の目がすごいんだよ。
観念して、1口。ほんの少しだけ、口に入れる。
なんと言うことでしょう。
臭みは無く。焼かれた香ばしい香りと、油の甘みが口腔を満たす。
そこに、塩が。非常にいいアクセントとなり、良い仕事をしている。
豚バラ肉の高級品。きっと高い奴なら、こんな味がするだろうと思える肉だ。
きっとこいつは、人間は食っていない。そう思いながら、おいしく頂いた。
ちょっと気になって、とりあえず意識を広げてみてみる。
オークなどの集落は、あそこだけで他の脅威は、なさそうだ。
奥に広がる山の方では、熊が徘徊しているが。大丈夫だろう。
目線を上げて、上空から見てみる。空を飛んでいるようで気持ちがいい。
あれ? この大陸? 北海道の形をしている。
ただ奥に樺太や北方4島は無く。手前の本州もない。
広大な北海道。いやこのサイズは大陸だな。なんだこの星?
ふと思いつく。じゃあ探せば、本州や、九州も。
どこかに大陸となって、あるのか?
今度見てみよう。意識を戻すと、なぜか香織にビンタされていた。
「大丈夫? 意識戻った?」
自身の頰を、さすりながら聞いてみる。
「どうしたんだ。一体?」
「なんだか、金色に輝きだして。全く反応をしないから」
そう言われて、周りを見る。皆がこっちを見て、固まっていた。
そうか。強力な魔力を使うと、人間。金色に光るのかぁ。
「大丈夫。視界を広げ。安全の確認を、していただけだから」
みんなに伝える。
すすすと、久美が寄ってきて、
「何か、面白い物が見えたの?」
そう聞いてきた。
にやにやと、何か企むような顔だが、別に風呂場は覗いていないぞ。
「この大陸は、北海道の形をしていて、びっくりした位だ」
「えっ。じゃあ、ほかの部分もあるかなあ?」
同じような発想がわくらしい。
「俺もそう思う。今度。探してみる」
「また、船?」
「いや、最初に意識だけで、見に行けることが分かったから。そっちで見に行く」
「それで、面白いものが見えれば。実際行ってみると」
「そうだね」
「ずるいな、私の力だと。この周辺しか見られないのよ」
「魔力量サポートの、魔道具か。考えてみるよ」
そう言って、久美を抱っこしていると。
なぜか、順番待ちの列ができていた。
「いやあ。佐藤さん。モテモテですね。うらやましい」
内村さんは言いながら、通り過ぎていき。
一人の、女の子の隣へ座りこんだ。
あれは、部族のききだったか? いや、ららかな? この部族。2文字の名前だから覚えにくい。まあ、良い子を見つけたのかな。
この種族。実は、美男美女の集団。だもの。
大航海時代なら、奴隷待ったなし。
一緒に船で来た瀬戸さんも、ブラウンの髪で、茶色い目をしたカッコいいお兄さんとべったりだし。
今は、服を着ているけど。
それまでは、ぶらぶらしているものを見て、ぼそっと立派って、言っていたものな。大きさは、やっぱり重要なのか?
そんなことを、2人を見ながら。ぼーっと考えていたら、なぜか久美に頭をなでられた。なんでだ? 心を読む力でもあるのか?
確かに、あれに比べれば、粗品だがそれは承知だろう。
泣くぞ。魔力で強化でも。試そうか。
そういえば。
隆も、少し小さな子と、仲良くなったようだ。
あいつの場合。
中身は4歳だから、いいのか? でも。体は大人。難しい問題だな。
哲学的な問題になりそうだから、考えないようにしよう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
53
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる