異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり

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第二章 人? との交流

第24話 何とか丸く収まった

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 そんなこんなで、人々を救出し迎え入れる。
 むろん人数が膨らんだので、密かに郊外でキャンプ大会。

 貴族達は、何とかホテルなどに押し込み。
 こちらは、誘拐されたりした被害者達。
 ハウンド侯爵に口利きして貰い、職人達を集めて貰う。
「それでは、時間がないので作っていきます」
 職人を集めて、幾種類かのパネルを作っていく。

 この辺りの家は、石を積み上げてその上に木で柱を立て、屋根を取り付ける。
 まあ普通の木造住宅。下半分に石を積むのは、雨で木が腐るから。
 漆やカシュー塗料を探そうとしたが、面倒なので焼くことにする。
 
 ツーバイフォー工法でパネルを作り、水平を取って石を並べた上にパネルを立てて止めていく。魔法も駆使しているのか、周囲から呪文が聞こえる。
 ツーバイフォーは、使用する角材の大きさ。二インチ掛ける四インチ。おおよそ、五センチメートル掛ける十センチメートルの角材に厚さ十ミリメートルの板を張り、パネルを作成する。
 できあがりは、2DKを考えている。隔壁面を二分割で作り、組み立てていく簡単なお仕事。天井もパネルを重ねて、そこにトタン。つまり、鉄の表面に亜鉛をメッキしたものを張り、その上に土魔法で作成してスレートぽい瓦を並べていく。

 むろん。上下水道を完備。
 下水の浄化は、従来からスライムぽいモンスターを、利用していたようだ。
 ぽいというのは、イメージするぽよんとした感じでは無く、もっとアメーバーぽい。湿地で捕まえ、水に入れたまま運搬すると安全に運べるらしい。

 浄水は、土魔法で作ったパイプが使われていたし、異世界に対して持っていたイメージが変わってしまった。ただまあ、浄水装置として濾過沈殿を行う施設を作り、洪水時にはオーバーフローさせて川へ余剰な水を戻す仕組みを作った。
 と、言っても、水路の一部に分岐と段差を作り、そこを越えたものは川へ戻すだけだが。

 蛇口は、ゴムが見当たらず、レバー式のボールバルブを作成。
 加工精度は、魔法によりイメージ次第。魔法は本当に万能だ。
 この時、思いついて、ボールペンを作ってしまった。
 後日、セバスティヌに見られ、量産させられる羽目になったが。

 そんなこんなで、忙しくしていた頃、こちらが出した報告によりアバルス子爵家へ王家からの使者と、騎士を含む兵達が現れたようだ。

 最初アバルス子爵家は、家宰ドブルー・バスチアンが出した陳状により来たものと勘違いをしたようだが、使者の読み上げる書状の内容を聞き、顔を青ざめさせることになる。そして、使者達が調査に入った資料室には、何故かジャンル分けされ。きちっと纏められた証拠が積み上げられていた。

「こんな。これは何かの間違いだ」
 そう叫びながら、アバルス子爵家当主バルナベ・アバルスを始め関係者は、出頭命令が下されたが、実際は捕縛され、連行された。

 さてその中に、境界線詐欺共犯者として、ハウンド侯爵家に仕えるトラの獣人。クレール・ドランの名が上がり、彼も捕縛そして連行された。

「さてこれで片が付いたかな」
「お見事ですなぁ。何もかもがあっという間に片が付いた。素晴らしい」
 俺の横で、セバスティヌがにこやかに微笑んでいる。

 後日談として、ハウンド侯爵家に対し、王家から銀山を管理運営すべしと言う命令書があり、それを不当に取り上げようと画策したことにより、その罪は重く。
 一族が、死罪を申しつけられたらしい。

 そして、ハウンド侯爵家が、アバルス子爵領を暫定的に管理することになる。

「いや、なんだか知らないが。領地と領民が増えたぞ」
「神乃様のおかげですな。懸案がいきなり解決。いや、素晴らしい」
「そうだな。娘の命の恩人であり、領地発展の立役者。このボールペンも非常に良いものだし。あの新型の家も評判が良い。そう言えばカードを出してくれ。達成の処理をまだしていなかった」
 言われて、何かを忘れている事に気がつく。

「ちょっとギルドへ行ってきます」
 そう言って、侯爵の執務室から退出し、ギルドへ向かう。


「道照神乃だが、俺のギルドカードが、オピドムの町から届いていないか?」
 受付に座っているのは猫の獣人のようだ。

「えーと、所属ギルドは?」
「基本はハンターだが、商業かもしれない」
 ガサゴソと、テーブル下を探し始める。
 後ろで、長めの尻尾がぶんぶんと振られているのが気になる。
 猫が尻尾を振るのは、機嫌が悪いときだったか?

「ああ、これですね」
 そう言って、封筒を取り出し中を見ると、彼女の尻尾がいきなり倍くらいに太くなる。

「ハンターが銅で、商業が金ですね」
 そう言って、二枚カードが出される。
「そして、手紙が付いています」
 そう言って、カードと共に渡される。

『ハンターギルドより、黄銅から銅へランクアップしました』
『商業ギルドより。貴殿の商品販路はもう確保した。商品を作るのみ。早急にレシピの返送を求む。バルバラ・セナンクール』

「あー判った。明日持ってくるから、オピドムの町へ配達をお願いできるか?」
「はい。承知しました。えーと神乃様」
 受付さんの対応が変わった。そしてこそっと告げられる。
「商業ギルドは、銀級以上は個室対応が基本なのです。今回のことはご内密に」
 ああそれで、尻尾が太くなったのか?
「わかった。ありがとう」
 そう言って、ギルドを後にする。
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