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第四章 経済共和制の国
第55話 原初の呪いという遊園地
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恐怖以外の何物でも無い、縦穴の側面を削って造られた道。
歩ける幅は一メートルも無い位。所々道が崩れ、板を乗せているのがさらに怖い。
そんなところを、交互通行。
悪意を持った奴が、ちょっと突き飛ばせば押された人間は転落。俺達は亜人のため注意が必要だろう。
此処で、以外とシルヴィが怖がりだと分かった。
尻尾がね、巻いているんだよ。
俺を守ると、シルヴィが先頭、俺を挟んで後ろがテレザの順番。
だが、言葉と裏腹に尻尾は正直。
十メートルも道を歩けば、最初の横穴に到着、さっさと入って行く。
ただ結構な人数ハンターが出入りするため、匂いがきつい。
「これは駄目だな」
「かなり匂います」
「あんな所で、おしっこをしてる」
かなり幅がある鍾乳洞だが、ここを目当てにハンターが集まっているので、出入りをする人数はかなり多い。
ハンターでも強い物達は、下層の方へ進む。強いモンスターがいるが、ドロップされる物も希少なため奥まで行くが、そうではない大多数は、上方のダンジョン入り口付近に溜まる。
そのため、この状態だ。
し尿などは、ある程度で吸収される謎仕様だが、供給が過多のようだ。早朝ならまだましかもしれない。
話を聞いて、洞窟探検ぽいと楽しみにしたのだが、あまりに辛くて一度帰る事にする。
帰る途中で、地図を買いにテント内で営業している店に寄る。そこで銀貨の両替を忘れたことに気がつく。
そして、店主が俺達に明示した金額、それは明らかにぼったくりであることも。
「計算違いだろう」
「ああ゛っ。貴重な地図だ、売ってもらえるだけ、ありがたいと思え」
そんな感じで、話にもならないから買うのをやめる。
「ちっ。冷やかしかよ」
店主が、わざわざ大声で叫ぶ。
「どうします?」
「ギルドへ行こう。両替をしないといけないし、ひょっとすると地図もあるかもしれない」
「あっ、そうですね」
その背後では、店主の逆恨みが爆発していた。
「亜人がでかい面をして。何様のつもりだ」
「あいつら、奴隷じゃなくフリーぽいな。いつもの様に、借金を背負わせて本来の奴隷に戻してやろう」
悪い顔をして、店主達が集まる。
「大体、奴らが品物を受け取ってから、金額を言うんだよ。失敗するな」
「そうだな、さっきのは失敗をした」
店主達の常套手段だったらしい。
ギルドに帰ってきて、また応接室へ。
「どうしたんだ?」
目の前で焦っているのは、当然ヴェロニク。
「さっき頼めばよかったのだが、銀貨の両替と、原初の呪い。地図があれば売ってほしい。向こうでは一本だけで、銀貨三百枚とか、するらしくてね」
「三百?」
ヴェロニクは理解した。
亜人を、下に見たぼったくりだと。
「地図の相場は、高いものだが、それでも一本辺り銀貨十枚が相場だろう。それと両替だが、手数料も必要だし、また向こうへ戻るなら、ギルドカードから下ろせば良いのじゃ無いか? 報酬は入っているだろう」
「そうなのか?」
ハンターのカードを出そうとしたが、商業のカードを出す。
「入っていれば、銀貨二百枚ほどほしい」
「分かった。お預かりする」
「この白金級カード。残高を見てくれ」
「はい」
担当者は、プレート型の魔道具にカードを置く。
「ええと、王国の王白金貨三枚と王金貨二十三枚、金貨五百三十枚、銀貨二千百五十六枚、銅貨六万三千二百四十九枚、鉄貨なし。鉄貨は多分銅貨へ繰り上げたのでしょう」
「ぎっ銀貨が、二百枚ほどほしいそうだ」
量を聞いて、ヴェロニクはあせる。
「はい」
何か操作をすると、元の数と減額数、そして現在の数が表示されたメモ帳が空間に出てくる。
手元で、トレイに銀貨二百枚を積み上げる。
ギルド内では、銀貨は銀貨で扱う。
そのため、今なら王国へ行って銀貨を下ろし共和国で換金すると、差分で稼げるが旅費で損をする。そのため取引がある商人が王国で下ろし共和国で換金すると多少は稼げるが、やり過ぎて貨幣バランスが崩れると、銀の含有量ではなく王国銀貨が値下がりする。鋳つぶして売ろうとしても、買い取り値は金と同じように銀貨より低いため損をする。
それを運びながら、ヴェロニクは考える。
よく見れば、向こうの貴族が後見として、カードに名が書かれている。
亜人なのに。
普通なら、平民出のハンターに便宜を効かせるため貴族が後見に着く。それが、亜人になっただけ、そう言えばそうなのだが、王国でそんなこと。
それに、持っている金額も普通じゃない。
情報を拾えば拾うだけ、謎が増える。
きちんと、商業ギルド側の端末を使えば、明細が細かく出るのだが、ヴェロニクはそれに気がつく余裕がなかった。
「確認をしてくれ」
トレイを、テーブルに置きながらヴェロニクは促す。
「うわっ。なんだこれ。二百枚下ろしてもあんまり変わらない。まあ良いか」
そして、ヴェロニクはとりあえず六本地図を出してくる。
「入り口から入れるダンジョン地図の簡易版だ、これはすべて銀貨十枚。二階層三階層となるのに従って、金額は、倍になっていく。参考にしてくれ」
「分かったありがとう。何から何まですまないな」
お礼を言われて、ヴェロニクの力が抜ける。
「ああ、まあギルドの勤めだ」
「それじゃあまた。良い物があれば売りに来る」
そう言って、道照達は出ていく。
それを見送りながら、ヴェロニクは考える。亜人であることは除き、表に見えるもの。受け答えその他言動は普通だよな、下にたむろしているいかれた獣人のハンター達よりよっぽど普通。なのに、見えない部分すべてが異常だ。ヴェロニクはまた、悩み始める。
歩ける幅は一メートルも無い位。所々道が崩れ、板を乗せているのがさらに怖い。
そんなところを、交互通行。
悪意を持った奴が、ちょっと突き飛ばせば押された人間は転落。俺達は亜人のため注意が必要だろう。
此処で、以外とシルヴィが怖がりだと分かった。
尻尾がね、巻いているんだよ。
俺を守ると、シルヴィが先頭、俺を挟んで後ろがテレザの順番。
だが、言葉と裏腹に尻尾は正直。
十メートルも道を歩けば、最初の横穴に到着、さっさと入って行く。
ただ結構な人数ハンターが出入りするため、匂いがきつい。
「これは駄目だな」
「かなり匂います」
「あんな所で、おしっこをしてる」
かなり幅がある鍾乳洞だが、ここを目当てにハンターが集まっているので、出入りをする人数はかなり多い。
ハンターでも強い物達は、下層の方へ進む。強いモンスターがいるが、ドロップされる物も希少なため奥まで行くが、そうではない大多数は、上方のダンジョン入り口付近に溜まる。
そのため、この状態だ。
し尿などは、ある程度で吸収される謎仕様だが、供給が過多のようだ。早朝ならまだましかもしれない。
話を聞いて、洞窟探検ぽいと楽しみにしたのだが、あまりに辛くて一度帰る事にする。
帰る途中で、地図を買いにテント内で営業している店に寄る。そこで銀貨の両替を忘れたことに気がつく。
そして、店主が俺達に明示した金額、それは明らかにぼったくりであることも。
「計算違いだろう」
「ああ゛っ。貴重な地図だ、売ってもらえるだけ、ありがたいと思え」
そんな感じで、話にもならないから買うのをやめる。
「ちっ。冷やかしかよ」
店主が、わざわざ大声で叫ぶ。
「どうします?」
「ギルドへ行こう。両替をしないといけないし、ひょっとすると地図もあるかもしれない」
「あっ、そうですね」
その背後では、店主の逆恨みが爆発していた。
「亜人がでかい面をして。何様のつもりだ」
「あいつら、奴隷じゃなくフリーぽいな。いつもの様に、借金を背負わせて本来の奴隷に戻してやろう」
悪い顔をして、店主達が集まる。
「大体、奴らが品物を受け取ってから、金額を言うんだよ。失敗するな」
「そうだな、さっきのは失敗をした」
店主達の常套手段だったらしい。
ギルドに帰ってきて、また応接室へ。
「どうしたんだ?」
目の前で焦っているのは、当然ヴェロニク。
「さっき頼めばよかったのだが、銀貨の両替と、原初の呪い。地図があれば売ってほしい。向こうでは一本だけで、銀貨三百枚とか、するらしくてね」
「三百?」
ヴェロニクは理解した。
亜人を、下に見たぼったくりだと。
「地図の相場は、高いものだが、それでも一本辺り銀貨十枚が相場だろう。それと両替だが、手数料も必要だし、また向こうへ戻るなら、ギルドカードから下ろせば良いのじゃ無いか? 報酬は入っているだろう」
「そうなのか?」
ハンターのカードを出そうとしたが、商業のカードを出す。
「入っていれば、銀貨二百枚ほどほしい」
「分かった。お預かりする」
「この白金級カード。残高を見てくれ」
「はい」
担当者は、プレート型の魔道具にカードを置く。
「ええと、王国の王白金貨三枚と王金貨二十三枚、金貨五百三十枚、銀貨二千百五十六枚、銅貨六万三千二百四十九枚、鉄貨なし。鉄貨は多分銅貨へ繰り上げたのでしょう」
「ぎっ銀貨が、二百枚ほどほしいそうだ」
量を聞いて、ヴェロニクはあせる。
「はい」
何か操作をすると、元の数と減額数、そして現在の数が表示されたメモ帳が空間に出てくる。
手元で、トレイに銀貨二百枚を積み上げる。
ギルド内では、銀貨は銀貨で扱う。
そのため、今なら王国へ行って銀貨を下ろし共和国で換金すると、差分で稼げるが旅費で損をする。そのため取引がある商人が王国で下ろし共和国で換金すると多少は稼げるが、やり過ぎて貨幣バランスが崩れると、銀の含有量ではなく王国銀貨が値下がりする。鋳つぶして売ろうとしても、買い取り値は金と同じように銀貨より低いため損をする。
それを運びながら、ヴェロニクは考える。
よく見れば、向こうの貴族が後見として、カードに名が書かれている。
亜人なのに。
普通なら、平民出のハンターに便宜を効かせるため貴族が後見に着く。それが、亜人になっただけ、そう言えばそうなのだが、王国でそんなこと。
それに、持っている金額も普通じゃない。
情報を拾えば拾うだけ、謎が増える。
きちんと、商業ギルド側の端末を使えば、明細が細かく出るのだが、ヴェロニクはそれに気がつく余裕がなかった。
「確認をしてくれ」
トレイを、テーブルに置きながらヴェロニクは促す。
「うわっ。なんだこれ。二百枚下ろしてもあんまり変わらない。まあ良いか」
そして、ヴェロニクはとりあえず六本地図を出してくる。
「入り口から入れるダンジョン地図の簡易版だ、これはすべて銀貨十枚。二階層三階層となるのに従って、金額は、倍になっていく。参考にしてくれ」
「分かったありがとう。何から何まですまないな」
お礼を言われて、ヴェロニクの力が抜ける。
「ああ、まあギルドの勤めだ」
「それじゃあまた。良い物があれば売りに来る」
そう言って、道照達は出ていく。
それを見送りながら、ヴェロニクは考える。亜人であることは除き、表に見えるもの。受け答えその他言動は普通だよな、下にたむろしているいかれた獣人のハンター達よりよっぽど普通。なのに、見えない部分すべてが異常だ。ヴェロニクはまた、悩み始める。
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