愛って、なに?

noraneko

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愛を求めて 前編

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矛盾している。
愛されたいのに愛せない。

そんなんだから、きっと誰からも心から愛されないのだ。

怖くなって携帯を取り出す。

誰でもいい、私を愛して欲しい。


適当に発信する。
誰だっていい、私を愛してくれるなら。


「もしもし?」

「お、美香、久しぶり」

「今から会えない?」

「どうしたの?今から彼女と待ち合わせ、明後日なら空いてるよ」

こいつじゃない。こいつの声は寒気がする。

「また電話する」
そう告げると電話を切る。


電話帳を見る。
こいつはどうだろうか。


「もしもし?」

「ごめん、仕事中なんだ。また連絡するね」

そうだった。こいつはそもそも、生理的に無理だ。


そうだ。あいつだ。

「もしもし?」

「美香。メールの返事もないし、どうしたんだよ?心配してたんだぞ」


心配してても電話はくれなかった。


「今から会える?」

「今どこ?近くなら家にこいよ」

「わかった、今から行く」

「待ってる」

私はタクシーを拾った。
ここからならワンメーターで行ける距離だ。

携帯にメールが届いていたが、
4人とも中途半端で気に入らない。

一度キスしただけで彼氏気取りとか、
食事に行こう攻撃とか、飲みに行こう攻撃とか。

ストレートに言えばいいのに。
回りくどいのは嫌い。


すぐに彼の家に着く。
マンションの1階のオートロックを解除してもらわないと入れない。

インターホンを押す。

「着いた。今、下にいる。あけて」

「わかった。今あける」

エレベーターで30階。
都心のタワーマンションに住んでる経営者。私といる時は頭が良さそうには思えないのに。


30階に着くとエレベーター前で男は立っていた。
手を差し出され、手を重ねると抱き寄せられ、強引にキスされる。

首にキスが降りてきた、大きな両手が臀部を這う。

「こんなとこでやめてよ」

「嫌いじゃないでしょ?」
男はいやらしく笑う。

「嫌いよ」

「そう、怒るなよ。お出迎えの挨拶さ」

「酔ってるの?」

「酔ってないさ。さぁ、おいで」

玄関に靴を脱いであがった途端に、
再び私に抱きつき、キスの嵐が降ってくる。
熱い唇が首を上下する。

「ここならいいでしょ?」

私を急に抱えあげると、ソファの上に寝かされ襲いかかってくる。

「ねぇ、落ち着いて」
私は男の胸を両手で押す。

「落ち着けるわけないだろ」

「お出迎えが激しすぎるわ」

私は彼から顔を背ける。

「おい、美香。こっち向いてよ。お前、俺が連絡してんのに久々に電話してきて、そのつれない態度?」
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