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セレスティア王立学園編
15.敵と隣国
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爺が棺からおずおずと這い出てからしばらく後、テルル、ハル、爺が別室へと引き、今回の襲撃事件について父と話し合いが行われていた。
「爺に心当たりがないとするとやはり目的は儂かもしれんな」
眉間に皺を寄せ乍ら父が腕を組む。
ですが私は不思議に思っていた事をこの場で発言する事にしました。
「父上、賊は私が攻撃をすると話が違うと言い切りました」
「話が違う?」
「ええ。恐らくですが、賊は私が剣しか使えないと思っていたと考えて間違いないかと」
「……魔法を使ったのか」
「はい。申し訳ありません」
「いやアレク。サイフォン家は武門家ではあるが魔法の行使について咎めるつもりはない。むしろよくやった」
「ありがとうございます。それで話の続きなのですが、私が魔法を使える事は極限られています。ですが魔法を使える者は洩れなく王国への報告が必要となります」
「そうだな。だからお前の魔法についても王国には報告はしてある」
「そこです父上。あれ程の手練れ、そして何かしらの目的を以っての襲撃だとすれば、どこかの組織に与する者と考えていいでしょう」
「うむ」
「そして組織として考えられるものに考えられるのは二つ。一つは王家の暗部、もう一つは闇ギルドです」
「そうなるだろうな。だがアレク、気配を断つ事には特化しているが王家の暗部にローエンを破る程の手練れはおらんぞ?それに闇ギルドにしたってだなぁ」
「……ええ。古くから我がサイフォン家が闇ギルドとして王家に仕えているのですから当家に片腕を失った者などおりません」
そう、我がサイフォン家はただの武門家ではない。
その武力は余りにも強く、だがしかしこの平和な時代にその武力は必要無しとして今は闇ギルドとして王国の為に泥臭い仕事をこなしている。
「他国か」
「……そうなるかと」
父は溜息と共に背もたれに深く寄りかかり。
「ではやはり賊の目的は……」
「はい。私だと思います」
――――
――
その頃――隣国、スヴァイツァー王国。
テレスティアの北西に位置する山岳国スヴァイツァー。
テレスティアとの貿易に頼る事の多い国ではあるが多くの鉱物資源を有し、決して貧乏ではない。
逆にその資源で多くの富裕層を抱える国でもある。
そんな国の富裕層の独り、商人タルーマがスヴァイツァー王に謁見していた。
商人タルマーは目の前の若きスヴァイツァー王へ頭を垂れる。
王の髪は黒く長い。
その色白の肌と黒髪と髭のせいか不健康そうに見えなくも無いが、身に纏う黒い半鎧によってある種の強さも感じられる。
「タルマー。お前の言っていたアーティファクトはどうなった」
「はっ!相手は武門でありテレスティアの貴族街。予想以上に難航しております」
「ふむ、そうか。ならば我が息子も向かわせよう」
「ロ、ロイル殿下をですか!」
「うむ、一時息子をお前に預ける。伴に行くがよい」
タルマー背中いっぱいに汗が噴出するのを感じながら王へ再び頭を垂れたのだった。
「爺に心当たりがないとするとやはり目的は儂かもしれんな」
眉間に皺を寄せ乍ら父が腕を組む。
ですが私は不思議に思っていた事をこの場で発言する事にしました。
「父上、賊は私が攻撃をすると話が違うと言い切りました」
「話が違う?」
「ええ。恐らくですが、賊は私が剣しか使えないと思っていたと考えて間違いないかと」
「……魔法を使ったのか」
「はい。申し訳ありません」
「いやアレク。サイフォン家は武門家ではあるが魔法の行使について咎めるつもりはない。むしろよくやった」
「ありがとうございます。それで話の続きなのですが、私が魔法を使える事は極限られています。ですが魔法を使える者は洩れなく王国への報告が必要となります」
「そうだな。だからお前の魔法についても王国には報告はしてある」
「そこです父上。あれ程の手練れ、そして何かしらの目的を以っての襲撃だとすれば、どこかの組織に与する者と考えていいでしょう」
「うむ」
「そして組織として考えられるものに考えられるのは二つ。一つは王家の暗部、もう一つは闇ギルドです」
「そうなるだろうな。だがアレク、気配を断つ事には特化しているが王家の暗部にローエンを破る程の手練れはおらんぞ?それに闇ギルドにしたってだなぁ」
「……ええ。古くから我がサイフォン家が闇ギルドとして王家に仕えているのですから当家に片腕を失った者などおりません」
そう、我がサイフォン家はただの武門家ではない。
その武力は余りにも強く、だがしかしこの平和な時代にその武力は必要無しとして今は闇ギルドとして王国の為に泥臭い仕事をこなしている。
「他国か」
「……そうなるかと」
父は溜息と共に背もたれに深く寄りかかり。
「ではやはり賊の目的は……」
「はい。私だと思います」
――――
――
その頃――隣国、スヴァイツァー王国。
テレスティアの北西に位置する山岳国スヴァイツァー。
テレスティアとの貿易に頼る事の多い国ではあるが多くの鉱物資源を有し、決して貧乏ではない。
逆にその資源で多くの富裕層を抱える国でもある。
そんな国の富裕層の独り、商人タルーマがスヴァイツァー王に謁見していた。
商人タルマーは目の前の若きスヴァイツァー王へ頭を垂れる。
王の髪は黒く長い。
その色白の肌と黒髪と髭のせいか不健康そうに見えなくも無いが、身に纏う黒い半鎧によってある種の強さも感じられる。
「タルマー。お前の言っていたアーティファクトはどうなった」
「はっ!相手は武門でありテレスティアの貴族街。予想以上に難航しております」
「ふむ、そうか。ならば我が息子も向かわせよう」
「ロ、ロイル殿下をですか!」
「うむ、一時息子をお前に預ける。伴に行くがよい」
タルマー背中いっぱいに汗が噴出するのを感じながら王へ再び頭を垂れたのだった。
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