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第2部-ファフニール王国・成長編-
033_好きの種類
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昼下がり、出掛けようとしたリリアを見かけたオズウェルは、訝しげに声をかけた。
レオファルドの元に行くにしては、簡素すぎる恰好。
「リリア嬢、山へ行くのですか?」
「うん……」
「レオファルドに呼ばれていたはずでは? 行かないなんて珍しいですね」
「……うん」
浮かない表情のリリアに、オズウェルはわずかに考えこみ唐突に手を伸ばし頭を撫でた。
「少しお待ちいただけますか? 僕もご一緒しましょう」
「え? でも、仕事は」
「ちょうど息抜きしたい気分だったのです。それとも僕がいては邪魔ですか?」
「ううん、大丈夫」
「ではすぐに準備してきますので」
会話を耳にしていた侍女がすぐさま準備を整え、2人はあっという間に一緒に馬に乗っていた。無言のまま屋敷に行き、ルーティンになった庭の手入れを進める。
いつもは楽しそうに世話をしているはずが、今日のリリアはゆっくりと手を動かしてはいるものの、どこか上の空。そんな様子を見守りながら、オズウェルも黙って手を動かした。
「ねぇオズウェル」
ふと顔をあげたリリアに、オズウェルは地面を見たまま答える。
「どうしましたか?」
「レオはどんな人が好きなんだろう」
一瞬、動きが止まり、何事もなかったかのように再び手を動かし出す。
「リリア嬢でしょう」
「そうじゃなくて……アンドロメダ様もカミーユ様もレオの妃になりたいみたいだから」
「レオファルドが好きになるはずがない?」
「……うん」
「レオファルドの好みを知ったところでどうにかできるものないですから、リリア嬢が気になさることではありませんよ。結局は選ばれるかどうかです」
「そうだね」
リリアもまた、作業に戻る。けれど、その表情は曇ったまま。
今度はオズウェルが口を開いた。
「リリア嬢はレオファルドのことをどう思っていらっしゃるのですか?」
「私、は」
「好きなのでしょう。だからこそご友人がレオファルドのことが好きだというのを聞いて、悩んでいるんでしょうから」
「うん……」
手を止めたリリアは困った表情を隠さずに振り向く。
「レオファルドのことは好き。でも、何か違う気がする」
「違う?」
「うまく言えないけれど」
続きを探して黙り込んで、言葉が見つからずに下を向いた。
「レオファルドも急がせるつもりはないでしょう。焦らずゆっくりと考えれば良いのです」
穏やかな声にリリアは無言で頷き、再び手を動かした。その後は僅かな言葉を交わすのみで夕方を迎え、帰路へと着く。
「今日はありがとう」
呟くようなリリアの台詞にオズウェルはほっと息を吐いた。少しくらいは気分が晴れていればいい。
「あなたが笑顔でいてくれるのが、僕の一番の望みですから」
「オズウェルがいてくれて良かった」
「それは、ご一緒した甲斐がありました」
オズウェルは、リリアが馬から落ちないようにと抱きしめた腕に力を込める。
「いつでもお供しますよ」
「ありがとう」
レオファルドの元に行くにしては、簡素すぎる恰好。
「リリア嬢、山へ行くのですか?」
「うん……」
「レオファルドに呼ばれていたはずでは? 行かないなんて珍しいですね」
「……うん」
浮かない表情のリリアに、オズウェルはわずかに考えこみ唐突に手を伸ばし頭を撫でた。
「少しお待ちいただけますか? 僕もご一緒しましょう」
「え? でも、仕事は」
「ちょうど息抜きしたい気分だったのです。それとも僕がいては邪魔ですか?」
「ううん、大丈夫」
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会話を耳にしていた侍女がすぐさま準備を整え、2人はあっという間に一緒に馬に乗っていた。無言のまま屋敷に行き、ルーティンになった庭の手入れを進める。
いつもは楽しそうに世話をしているはずが、今日のリリアはゆっくりと手を動かしてはいるものの、どこか上の空。そんな様子を見守りながら、オズウェルも黙って手を動かした。
「ねぇオズウェル」
ふと顔をあげたリリアに、オズウェルは地面を見たまま答える。
「どうしましたか?」
「レオはどんな人が好きなんだろう」
一瞬、動きが止まり、何事もなかったかのように再び手を動かし出す。
「リリア嬢でしょう」
「そうじゃなくて……アンドロメダ様もカミーユ様もレオの妃になりたいみたいだから」
「レオファルドが好きになるはずがない?」
「……うん」
「レオファルドの好みを知ったところでどうにかできるものないですから、リリア嬢が気になさることではありませんよ。結局は選ばれるかどうかです」
「そうだね」
リリアもまた、作業に戻る。けれど、その表情は曇ったまま。
今度はオズウェルが口を開いた。
「リリア嬢はレオファルドのことをどう思っていらっしゃるのですか?」
「私、は」
「好きなのでしょう。だからこそご友人がレオファルドのことが好きだというのを聞いて、悩んでいるんでしょうから」
「うん……」
手を止めたリリアは困った表情を隠さずに振り向く。
「レオファルドのことは好き。でも、何か違う気がする」
「違う?」
「うまく言えないけれど」
続きを探して黙り込んで、言葉が見つからずに下を向いた。
「レオファルドも急がせるつもりはないでしょう。焦らずゆっくりと考えれば良いのです」
穏やかな声にリリアは無言で頷き、再び手を動かした。その後は僅かな言葉を交わすのみで夕方を迎え、帰路へと着く。
「今日はありがとう」
呟くようなリリアの台詞にオズウェルはほっと息を吐いた。少しくらいは気分が晴れていればいい。
「あなたが笑顔でいてくれるのが、僕の一番の望みですから」
「オズウェルがいてくれて良かった」
「それは、ご一緒した甲斐がありました」
オズウェルは、リリアが馬から落ちないようにと抱きしめた腕に力を込める。
「いつでもお供しますよ」
「ありがとう」
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