夢ノコリ

hachijam

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筋トレをする夢

2.

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ようやく、トレーナーのお兄さんが満足するフォームになったようで、

「では、始めます。まずは10回。いーち、にー、さーん、よーん、…」

と回数をカウントし始めた。それに合わせて腕立て伏せをする。

(これはきつい)

4回終えて、すでに限界になりつつあった。そんな僕を見て、トレーナーのお兄さんはカウントを止める。

「はい。そこ、休まないで。よーん、…」

4は終わったのではと思うけど、それを指摘する余裕なんて僕には無くて、必死にカウントに合わせようと腕立て伏せをする。でも、

「よーん、よーん、よーん、…」

といつまでも数は増えなかった。

「正しいフォームでやらないと終わりませんよ」

どうやら、フォームがずれてしまったようだ。慌てて、最初に言われた事を思い出して修正する。

「…、よーん、ごー、ろーく、…」

カウントが増えてホッとする。と、

「…、ろーく、ろーく、ろーく、…」

またカウントが増えなくなる。どうやら、ちょっとでも油断するとダメみたいだ。気持ちを切り替えてフォームを意識する。集中力を切らさないように心がける。

「…、しーち、はーち、きゅーう、じゅう」

ようやく終わって、一息いた。腕と胸の筋肉がパンパンに張っている。

「はーい。たった10回でも十分に負荷がかかったのを実感できると思います。

実際は20回以上やった気もするけど、これまでやってきた、どの腕立て伏せよりも辛かったのは実感した。正しいフォームと言うのは大事なんだなと妙に納得してしまった。

「次に腹筋に移ります。はい、準備してください」

腹筋のフォームはいろいろとあったので悩む。とりあえず、オーソドックスな腹筋にチャレンジしてみようと仰向けに寝っ転がった。

さっき、説明された事を思い出そうとしたけど、腕立てをしたせいで、すっかり忘れてしまった。とりあえず、何となく思い出した通りにやろうとしたら、案の定、

「はい、そこ。ちゃんとフォームを意識してください」

とトレーナーのお兄さんに注意されてしまった。またフォームについて、細かく指摘される。微妙な足の角度とかも言われる。腕立て伏せの事もあったので、今度はちゃんと最初から聞く耳を持っていた。ちゃんと言われた通りにやれば成果が出るはずだと納得した気分で挑むことが出来た。

「では、始めます。いーち、にー、さーん、…」

これで割れた腹筋になれる、ムキムキボディになれる。トレーナーのお兄さんのカウントを聞きながら、僕は自信を持った。
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