夢ノコリ

hachijam

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完璧な準備をする夢

8.

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最下位と言う事で、罰ゲームとして、片づけを任される。とは言っても、ボールを返して、コートが開いた事を伝えるだけなので、全く厳しい物では無い。

「ごめんね」

一応、そう言ってみる。

「ううん。大丈夫。なんか、昔、思い出しちゃった」

そう言えば、中学時代。バレー部だったような。そんな事を思い出す。部活をしている姿はあんまり思い浮かばなかったけど、球技大会とかで活躍していたのが凄い浮かんだ。

「バレー部のエースだったっけ?」

「エースではないけど、バレー部です」

そう笑って答える赤岡さん。

「羽田君、見てたら球技大会思い出しちゃった」

僕と同じことを思ったらしい。何か、一緒に試合をした気もする。男女混合だったのかなと曖昧な記憶で自信が持てない。

「サーブの練習とかしたの覚えてる?」

「サーブ?ああ…」

それで思い出した。とにかく下手な奴はサーブだけ入れれば良いと言われて、僕と何人かで練習したんだった。その時、バレー部と言う事で、赤岡さんがやり方を教えてくれたんだ。

「あれから、練習してないんでしょ」

そう悪戯っぽく言われる。今日の僕の最後のサーブの事を言っているらしい。

「ははは」

思い出して苦笑いで誤魔化す。

「せっかく一生懸命教えたんだけどなー」

ちょっとすねたように言われて

「あー、何か、本当にごめんなさい」

と、謝ってしまった。

「そうだな。うーん、どうしようかな」

さっきは大丈夫って言っていたのにと思いながらも、その言葉の続きを待った。

「うん。良し、ひとつ貸しとしておこう」

「貸し?」

「そう、今度、何かで返してね」

赤岡さんはそう笑って言った。



ビーチパラソルに戻ったら、三ヶ嶋君と加山さんだけがいた。充はと聞いたら、沢島さんと近くの岩場に行ったらしい。そろそろ、帰る時間が近づいていた。泊まりだったら、夜までいて、浜辺で花火なんてのも出来そうだが、そうもいかない。最後にもうひと泳ぎしようと言われて、赤岡さんと海に入った。

何となく、カップルの人たちの邪魔をしたくないんだろうと気を使っているようにも見えたので、僕も賛同する。ちょっと真面目に泳ぎたいという赤岡さんと一緒に一生懸命泳ぐ。泳ぐ事なら三ヶ嶋君や充にも負けないと思うんだけどなと少し思った。

そのまま、言葉も交わさず、泳いだ後、戻った。充と沢島さんたちも戻って話をしていた。大きいカニがいたと充が言っていた。そこまで大きくないだろうと思っていたら、沢島さんもあれは大きかったと力説していた。でも、やっぱり、少し大げさにしているんだろうなとは思った。
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