夢ノコリ

hachijam

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待ちぼうけする夢

8.

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良くあるファストフード店で昼食を食べる。デートだったら、オシャレなところが良いのかもしれないけど、赤岡さんがそこのハンバーガーを食べたいと言ったからそうした。キャンペーン中のセットがあったので、それを選んだ。思っていたよりも美味しかった。

「この間の博物館のより、美味しいね」

と赤岡さんが言っていて、僕も同じような事を考えていた。そこで、勇君の事を思い出して話をする。もうすでに、自分の家に帰ったらしい。別れ際にまだいると駄々をこねたらしいが、宿題が終わっていないでしょと、周りの大人に怒られてしぶしぶと帰っていったらしい。おそらく、今日も宿題をやっていると思うと言っていた。

勇君に言われた事を言ってみようと思ったけど、それを言うと、変に余裕がある大人のふりをしそうなのでやめておいた。

食事の後は、何となくブラブラする。いかにも若者が多そうなところで、一応、僕も大学生なので、そこにいても違和感が無いはずだが、普段、こういうところに出没する事が無いので、場違いな気がしたけど、赤岡さんが隣にいるだけで、何となく自然でいられた。赤岡さんはこういうところに良く来ているんだろうか。

見たいものがあると、赤岡さんが言い、少し大きめの文房具店に寄る。分かりやすく可愛い物ばかりで、僕一人だと、なかなか入る勇気はなかった。最初はあんまり興味なかったけど、便利グッズと解説されているのを見て、いくつか気になってしまった。でも、無駄遣いになりそうだったので、じっと我慢する。

次に目に入ったゲームセンターに入った。ゲームは好きだけど、ゲームセンターにはあまり来ないので、どうして良いのか良く分からない。写真撮って、シールになるのとかあって、気になる。カップル限定、女の子限定みたいな事が書かれていて、自分たちはどうなんだろうと思った。記念に撮ろうとか言ってくれないかなと少し思ったけど、その僕の気持ちは伝わらなかったようだ。自分からは何だか気恥ずかしくて言えなかった。

赤岡さんが興味を示したのが、クレーンゲームでさっき見た、映画のキャラクターのぬいぐるみがあった。

「あれ取れると思う?」

あんまり詳しくはないけど、一回か二回で取れそうな位置に置いてあるぬいぐるみが目に入った。

「いけるんじゃない」

無責任に言うと、赤岡さんは張り切って挑戦し始めた。でも、二回やってダメで、ちょっと不機嫌になる。ならばと僕が後を引き受けたけど、僕も二回やってダメだった。これで最後と僕が三回目の挑戦をしたら、意外と良いところまでいったけど、最後の最後で落下してしまった。
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