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文句を言われる夢
1.
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「つまんなーい」
長い髪の女の子が大きな声で言う。僕は周りが気になって、必死になだめようとするが、ちっとも黙ろうとしない。
「つまんない、つまんない、つまんない」
と連呼する。どうやら、僕は女の子と映画を見ているようだ。そして、その映画はつまらないようで、女の子が騒いでいるみたいだ。
「じゃあ、もう出ようか」
どうしようもなくて、不機嫌になっている女の子に言う。
「ふん」
そういうと、女の子は立ち上がり、映画館を後にする。僕は必死に追いかけた。
次は、食事、ちょっと高級なレストランだ。上品そうに女の子が食べている。ご機嫌そうで、ちょっとホッとした瞬間、
「美味しくない」
と言い出した。僕の方をじっと見て、
「美味しくない、美味しくない、美味しくない」
とまた連呼した。美味しそうに食べていた気がしていたので、戸惑う。その間も、駄々っ子のように騒いでいた。周りの視線が気になってしまう。
チョット呆れてしまっていたんだけど、女の子のご機嫌を損ねてしまうのは良くない気はしていた。これだけ、駄々をこねられるともう手遅れのような気もしたし、こちらも文句を言いたくなる気がしたけど、でも、何でだろう、良く分からないけど、言われた文句に従わないといけないような気がしていた。
機嫌が良くない理由と言うのは良く分からない。女の子の言っている事が本当にそのままの理由であるならば、分かりやすいけど、何となくそうじゃないんだろうなと思う。その理由が僕にあるのではと、何となく思っていて、だから、放っておくわけにはいかないと思っていたりする。
「機嫌を直してよ。お願い」
拝むように頼んでみる。女の子は少し黙ると、不機嫌そうな目でじっと見ている。
「何で文句言っているのか分かる?」
「えっ、あっ、うっ」
としどろもどろになってしまう。そんな直接的に聞かれるとは思わなかった。
「映画、つまらなかったから?」
「それもある」
「料理美味しくなかった?」
「それもある」
「…」
それ以上、すぐには浮かんでこなかった。でも、本当の原因はもっと違うところにあるんだと思った。やっぱり、そうだ。でも、それが何か分からない。僕が答えられないで沈黙していると、女の子は大きくため息をつく。そして、
「最近、何だかんだで上手くいっているから調子に乗っていない?」
と言った。何を言っているのか、良く分からなかったけど、じっと僕を見ている目は真剣な物だった。無言で圧倒されてしまった。
長い髪の女の子が大きな声で言う。僕は周りが気になって、必死になだめようとするが、ちっとも黙ろうとしない。
「つまんない、つまんない、つまんない」
と連呼する。どうやら、僕は女の子と映画を見ているようだ。そして、その映画はつまらないようで、女の子が騒いでいるみたいだ。
「じゃあ、もう出ようか」
どうしようもなくて、不機嫌になっている女の子に言う。
「ふん」
そういうと、女の子は立ち上がり、映画館を後にする。僕は必死に追いかけた。
次は、食事、ちょっと高級なレストランだ。上品そうに女の子が食べている。ご機嫌そうで、ちょっとホッとした瞬間、
「美味しくない」
と言い出した。僕の方をじっと見て、
「美味しくない、美味しくない、美味しくない」
とまた連呼した。美味しそうに食べていた気がしていたので、戸惑う。その間も、駄々っ子のように騒いでいた。周りの視線が気になってしまう。
チョット呆れてしまっていたんだけど、女の子のご機嫌を損ねてしまうのは良くない気はしていた。これだけ、駄々をこねられるともう手遅れのような気もしたし、こちらも文句を言いたくなる気がしたけど、でも、何でだろう、良く分からないけど、言われた文句に従わないといけないような気がしていた。
機嫌が良くない理由と言うのは良く分からない。女の子の言っている事が本当にそのままの理由であるならば、分かりやすいけど、何となくそうじゃないんだろうなと思う。その理由が僕にあるのではと、何となく思っていて、だから、放っておくわけにはいかないと思っていたりする。
「機嫌を直してよ。お願い」
拝むように頼んでみる。女の子は少し黙ると、不機嫌そうな目でじっと見ている。
「何で文句言っているのか分かる?」
「えっ、あっ、うっ」
としどろもどろになってしまう。そんな直接的に聞かれるとは思わなかった。
「映画、つまらなかったから?」
「それもある」
「料理美味しくなかった?」
「それもある」
「…」
それ以上、すぐには浮かんでこなかった。でも、本当の原因はもっと違うところにあるんだと思った。やっぱり、そうだ。でも、それが何か分からない。僕が答えられないで沈黙していると、女の子は大きくため息をつく。そして、
「最近、何だかんだで上手くいっているから調子に乗っていない?」
と言った。何を言っているのか、良く分からなかったけど、じっと僕を見ている目は真剣な物だった。無言で圧倒されてしまった。
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