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宿題をする夢
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その夢の中で僕は宿題をしていた。漢字ドリルとか、算数ドリルとか、とても、分かりやすい宿題だ。ただ、量だけはとてもたくさんある。机に山積みになっているのだ。とりあえず、ひとつ手に取り、中身を見る。問題としてはとても簡単で、小学校の低学年でやるような物ばかりだった。その夢の中での僕の年齢は良く分からなかったけど、簡単だと思ったという事は、それなりの年齢だったのだろうか。
僕は難しく考えず、黙々とこなしていくことにした。ひとつ漢字ドリルが終わって、ちょっとだけホッとしたけど、まだまだあるドリルを見て明日までに終わるのか不安に思ってしまう。どれだけの数があるんだろう。とりあえず、やるしかないと今度は算数のドリルに手を付ける。問題は簡単なのでひとつのドリルはあっという間に終わる。次の漢字ドリルに手を掛けた時にふと思う。このドリル数が増えていないかと。
でも、じっと見ていてもその数は変わらない。もしかしたら、自分が見ていない時に誰か増やしている奴がいるのではと気になった。今度は机の上をチラチラと伺いながら、漢字ドリルをやる。ペースが落ちたがそれは仕方ない。これ以上、増えてはたまらないと思った。でも、一冊終えても何も起きなかった。
気のせいだったのかなと思い、次の算数のドリルの時には、ドリルに集中した。集中すれば、一気に終わる。良し、次だ、と思って机の上を見たら、明らかにドリルの数が増えていた。一冊、二冊と言うレベルでは無く、一気に倍以上に増えていて、これで気が付かない訳が無いだろうと思った。
誰がこんなことをしているんだと周囲を伺ってみたが、その気配は感じられなかった。机の下にも誰もいない。よく見れば、周囲はだだっ広い空間で、僕と机とそして大量のドリルが山積みになっているだけだった。これはもう自然に増える仕組みなんだなと妙な納得の仕方をする。
だったら、仕方ない。僕はムキになってひたすらドリルをやる事にした。やればやるほど、ドリルは増えていき、それでも、意地になってやり続ける僕。次第に手は機械的に問題を解いていて、頭の中は別の事を考え始める。解け切れない問題を抱えて、僕は一体どうすればいいんだろう。そんな事を思い始めた。必死に終わらない宿題にあがいている僕。そして、その山積みになったドリルが机を覆い尽くし、限界を超え、崩れ始める。やっぱり、そうなるよなと心のどっかで思いながら、その衝撃で僕は目を覚ました。
僕は難しく考えず、黙々とこなしていくことにした。ひとつ漢字ドリルが終わって、ちょっとだけホッとしたけど、まだまだあるドリルを見て明日までに終わるのか不安に思ってしまう。どれだけの数があるんだろう。とりあえず、やるしかないと今度は算数のドリルに手を付ける。問題は簡単なのでひとつのドリルはあっという間に終わる。次の漢字ドリルに手を掛けた時にふと思う。このドリル数が増えていないかと。
でも、じっと見ていてもその数は変わらない。もしかしたら、自分が見ていない時に誰か増やしている奴がいるのではと気になった。今度は机の上をチラチラと伺いながら、漢字ドリルをやる。ペースが落ちたがそれは仕方ない。これ以上、増えてはたまらないと思った。でも、一冊終えても何も起きなかった。
気のせいだったのかなと思い、次の算数のドリルの時には、ドリルに集中した。集中すれば、一気に終わる。良し、次だ、と思って机の上を見たら、明らかにドリルの数が増えていた。一冊、二冊と言うレベルでは無く、一気に倍以上に増えていて、これで気が付かない訳が無いだろうと思った。
誰がこんなことをしているんだと周囲を伺ってみたが、その気配は感じられなかった。机の下にも誰もいない。よく見れば、周囲はだだっ広い空間で、僕と机とそして大量のドリルが山積みになっているだけだった。これはもう自然に増える仕組みなんだなと妙な納得の仕方をする。
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