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2:かつてない光景
恋する乙女の現実的な問題2
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女性に連れて来られたのは森側にある店だった。女性の言うとおり小さな店で隠れた店といった様相だ
丁度昼食の時間のため店の中を覗けば人で賑わっていた。テーブルの上のケースやカゴの上にはパンが並べられているが、少女の位置からは客で見えなかった。レジでは忙しなさそうに女性が会計に追われている
女性に肩を叩かれ路地裏を指さされる
人が一人少し通っても余る程度の横幅があった。女性が路地裏を通っていく。少女はそれを追いかけていく
店の裏側に回り、一つの扉の前に女性は立った
ドアノブに手をかければ鍵はかかっておらず、簡単に開いた。女性はドアノブを押して中へと入り、少女を呼ぶ。少女は続いて入った
裏口から入ると五、六〇代程の男性が立っていた。黒いエプロンに、ボタンが複数ついた制服と思われる服を着ている。色を抑えた赤と黒のチェックのコックタイが目を引いた
男性は女性を目にすると目尻の皺を深めて目を細めた
「おお、ミランダ。今日はどうしたんだい?」
「この間言っていた従業員、この子はどうかしら? この子仕事を探しているらしいの」
「ふむ? 随分と……」
男性の目がミランダと呼ばれた女性から少女に向いた
ミランダを見てから視点を下げて少女を見てはもう一度ミランダを見て少女を見る。交互に見る男性に、少女は両手を膝の前で組んで視線を受けたままにしていた
「小さい、ね……うちのカウンター高めなんだが……大丈夫かい?」
「そんなに高いようには見えませんでしたけど、そんなに高いんですか?」
ミランダは背が高いため相対的に余計に小さく見えるのか少し心配そうにしている。少女は女性の平均より低く、少女自身それは自覚していた。カウンターは遠目にしか見ていないため正確には少女にはわからないため尋ねる
「まあ……それは後で見てみよう。私はグレン・メンデス。妻のシェリーとここでパン屋を営んでいる。実は有難いことに最近どんどん忙しくなっていてね。一人雇いたいと思っていたところなんだ」
「夫婦で……」
「ああ。うちは朝早いけど平気かい?」
「はい」
「それでは……そうだな。もう少ししたら休憩を入れるから待っていてくれるかな」
「わかりました」
大きく首を振って少女は承諾する。グレンに食卓に案内され着席を促された。少女は座ろうとしてミランダのことがあり振り返る
ミランダの姿はない。部屋を見回してみてもいなかった
――礼を言いそびれてしまったと少女は先に言わなかった事を後悔しつつ腰掛けた。グレンは髪を整えながら思い出したように言った
「ああそうだ。ちなみに昼食はとったかい?」
「お昼は……」
言われて少女はお腹を押さえる。今日一日を思い返してみれば、昼食どころか昨日夕食をとった記憶もなかった
「お昼は、まだ……」
「そうかそうか」
少女の言葉に数回頷いて、グレンはドアに近付いた。二人がいる空間には扉が複数あった。部屋の中央なのだろう。そのうち店の部分の方角に近い横の壁についている扉に入った
少女が待っているとグレンが戻ってきた。グレンはニコニコと人の好い笑顔を浮かべている。グレンの手には小さめの編みカゴがあった。カゴには数種類のパンが一種類ずつ乗っている
それを少女の前へと置いた
少女はパンを見てから依然顔が綻びているグレンを見上げた。目を丸くして
「うちの店の味を知るという意味も兼ねて食べてもらえないかな」
「わたしお金はあんまり持っていないの。……いないん、です」
咄嗟に出た言葉を敬語に訂正してから少女は首を横に振った
この街で暮らしていくために賃金を稼ぎに来ている少女には今目の前に盛られているパンを買う余裕はない。パンから目を逸らして視線を落とした。意識してしまえば空腹感が訪れる。お腹に力を入れて少女は意識を逸らす。もう少し辛抱をすればありつけるのだから
しかし少女の想いとは裏腹にグレンはゆっくりと首を左右に振った
「お金はいらないよ。言っただろう。店の味を知ってほしいんだ。ここで働くにしろ働かないにしろ、知った上でが望ましいからね」
「でも」
「じゃあ感想をもらえないかな。新作で、店に出す前なんだ。私としてはとても助かる」
「それなら……」
助かると言われては少女も腑に落ちなさそうながらも了承する
グレンは前屈みになっていくつかあるパンの内一つを指さした。新作で作ったものは赤い粒がいくつも入った丸いパンのようだ
少女はそれを手に取った。まだ出来立てであたたかい。やや躊躇してから口に運ぶ
赤い粒を噛めば酸味が滲み出てきた。酸味の中に甘味があり、顔を顰めることはなかった。かじっていき食べ進めれば真ん中辺りからクリーミーで、ほのかに塩気のあるものが口の中へと入っていく。それに少女は思わず顔を綻ばせた
「……おいしい……」
「それは良かった」
少女の呟きを聞いたグレンは嬉しそうに笑った
パンを食べる手が止まらないのを見てからグレンは再び同じ扉を開けて入っていく。今度は戻って来なかった
「本当においしい」
――こんなにおいしいなら、黒竜様にあげたら喜んでくれるかも……
バターの芳しい香りと塩気が食欲をそそるパンや乾燥された果物が入った固めで歯ごたえの良いパン、牛乳の風味を感じるパンなど色んなものがあったが少女は美味しく平らげてしまった
最後の一口を飲み下した少女は満腹になって苦しいお腹をさする。黒竜の姿が浮かんで布袋を出す。中身は変わらない。宿屋で数えた数と同じだ
コインは残り数枚。一日一食にして宿に泊まらなければ数日は生きられるだろう。しかしその数日を過ぎればどうなるかわからない
――ここがダメでも他でお金を稼いで、黒竜様に持っていこう。受け取ってくれるかはわからないけど……喜んでくれたらうれしいな
少女は黒竜がパンを食べる様を想像して頬を緩ませる
美味しいと感じた物を共有する喜び
想いを寄せる相手が喜んでくれるという喜び
少女はその二つが叶ったらとついつい想いを馳せたが自分の頬を軽く叩いて現実に戻る
すると、少女が頬を叩いている時にタイミング良く店側の扉が開いた。先程レジに追われていた女性シェリーだ。少女を見て目を丸くする
「北の方で降るとかいう雪みたいに真っ白だねぇ……」
「は、はじめまして」
「はいはい、はじめまして」
開口一番に白色の有名どころを上げられたが、少女はそれには大した反応は出来なかった
音を立てて椅子から降りて礼をする。シェリーは闊達な人物らしく、あっけらかんとして返した
少女は背筋を伸ばして両手を膝の前で置いてシェリーからの言葉を待つ。シェリーはそんな彼女を上から下まで見つめた
言葉も発さずに見つめられ、少女は緊張で心音が高まっていくのを感じる。シェリーは一頻り少女を見たあと笑顔を見せた
「旦那から話は聞いているよ。明日から働いてもらえるかい?」
「え……」
あっさりと出された採用通知に少女はポカンとしてすぐに返事を返せなかった。不採用続きというのもあって尚更だろう
じわじわと言葉が少女の頭へと入っていくと少女はシェリーに深く礼をした
「ありがとうございます……!」
「私らも助かるよ。とりあえずピークを過ぎて客がいないから、今のうちに説明するよ」
「は、はい!」
シェリーが扉を開け、少女はシェリーと共に店に出た
押し寄せていた客が今はいなかった。パンも残り少なくなっている。光沢のあるパンたちは少ないながらも輝いているようだった
少女はグレンの言っていたカウンターに向かう。高めのカウンターと背比べをしてみれば少女の肩の少し下ほどだった。やりづらそうではあるが、カウンターに関しては危惧する程のものではなかった
シェリーから説明を受けながら店の中を回っていく。少女の仕事は主にパンの補充と接客、商品の包装
パンはレジ横に一列に陳列されているものは期間限定の物と開き戸のついた木製のパンケースに入った新作。壁に沿うようにして設置されているカゴに入れられているものは一定人気のある定番商品。入り口付近にあるのは人気商品という並びになっていた
商品名と場所の説明を受けながら少女は頭の中に入れていく。種類があって名前を覚えきれず、何度も繰り返していた。一杯一杯な少女にシェリーは呵呵と笑う
「慣れていない間は開店準備の札付けは私がするし、指示するから気楽に構えていなさい」
「はい……」
「人気商品は一回の補充量が多いし、なくなるスピードも早いから気をつけて見ておくんだよ」
「はい!」
「最悪人気商品と定番商品を補充してもらえるだけでも全然違うからさ」
忙しい時間帯に一人でレジや接客をしているならば補充に回る余裕はない。そこにもう一人加わって補充が出来るとなれば大きく変わるだろう
一通りの説明を受けて一度奥の居住スペースへと戻る。左右に扉があり、店側から見て右側にグレンが入っていった扉とは違う場所にある扉には小さめの部屋が二部屋あった
店側から見て左側には扉が二つあり、一つはトイレやお風呂など生活に必要な水回りだ
もうひとつの扉を開けると廊下に出る。廊下を歩いてすぐ扉があり、そこにもう一部屋あった。ベッドとタンスだけが置いてあり、タンスの中は空だった
「ここを使ってくれたらいいからね」
「ありがとうございます。今日は宿を借りているので明日から来ます。何時に来ればいいですか?」
「そうだねぇ……とりあえず朝五時くらいに来てもらえるかい?」
パン屋の朝は早い。少女は思っていたより早かったのか一瞬間が空いたが深く頷いた
丁度昼食の時間のため店の中を覗けば人で賑わっていた。テーブルの上のケースやカゴの上にはパンが並べられているが、少女の位置からは客で見えなかった。レジでは忙しなさそうに女性が会計に追われている
女性に肩を叩かれ路地裏を指さされる
人が一人少し通っても余る程度の横幅があった。女性が路地裏を通っていく。少女はそれを追いかけていく
店の裏側に回り、一つの扉の前に女性は立った
ドアノブに手をかければ鍵はかかっておらず、簡単に開いた。女性はドアノブを押して中へと入り、少女を呼ぶ。少女は続いて入った
裏口から入ると五、六〇代程の男性が立っていた。黒いエプロンに、ボタンが複数ついた制服と思われる服を着ている。色を抑えた赤と黒のチェックのコックタイが目を引いた
男性は女性を目にすると目尻の皺を深めて目を細めた
「おお、ミランダ。今日はどうしたんだい?」
「この間言っていた従業員、この子はどうかしら? この子仕事を探しているらしいの」
「ふむ? 随分と……」
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ミランダを見てから視点を下げて少女を見てはもう一度ミランダを見て少女を見る。交互に見る男性に、少女は両手を膝の前で組んで視線を受けたままにしていた
「小さい、ね……うちのカウンター高めなんだが……大丈夫かい?」
「そんなに高いようには見えませんでしたけど、そんなに高いんですか?」
ミランダは背が高いため相対的に余計に小さく見えるのか少し心配そうにしている。少女は女性の平均より低く、少女自身それは自覚していた。カウンターは遠目にしか見ていないため正確には少女にはわからないため尋ねる
「まあ……それは後で見てみよう。私はグレン・メンデス。妻のシェリーとここでパン屋を営んでいる。実は有難いことに最近どんどん忙しくなっていてね。一人雇いたいと思っていたところなんだ」
「夫婦で……」
「ああ。うちは朝早いけど平気かい?」
「はい」
「それでは……そうだな。もう少ししたら休憩を入れるから待っていてくれるかな」
「わかりました」
大きく首を振って少女は承諾する。グレンに食卓に案内され着席を促された。少女は座ろうとしてミランダのことがあり振り返る
ミランダの姿はない。部屋を見回してみてもいなかった
――礼を言いそびれてしまったと少女は先に言わなかった事を後悔しつつ腰掛けた。グレンは髪を整えながら思い出したように言った
「ああそうだ。ちなみに昼食はとったかい?」
「お昼は……」
言われて少女はお腹を押さえる。今日一日を思い返してみれば、昼食どころか昨日夕食をとった記憶もなかった
「お昼は、まだ……」
「そうかそうか」
少女の言葉に数回頷いて、グレンはドアに近付いた。二人がいる空間には扉が複数あった。部屋の中央なのだろう。そのうち店の部分の方角に近い横の壁についている扉に入った
少女が待っているとグレンが戻ってきた。グレンはニコニコと人の好い笑顔を浮かべている。グレンの手には小さめの編みカゴがあった。カゴには数種類のパンが一種類ずつ乗っている
それを少女の前へと置いた
少女はパンを見てから依然顔が綻びているグレンを見上げた。目を丸くして
「うちの店の味を知るという意味も兼ねて食べてもらえないかな」
「わたしお金はあんまり持っていないの。……いないん、です」
咄嗟に出た言葉を敬語に訂正してから少女は首を横に振った
この街で暮らしていくために賃金を稼ぎに来ている少女には今目の前に盛られているパンを買う余裕はない。パンから目を逸らして視線を落とした。意識してしまえば空腹感が訪れる。お腹に力を入れて少女は意識を逸らす。もう少し辛抱をすればありつけるのだから
しかし少女の想いとは裏腹にグレンはゆっくりと首を左右に振った
「お金はいらないよ。言っただろう。店の味を知ってほしいんだ。ここで働くにしろ働かないにしろ、知った上でが望ましいからね」
「でも」
「じゃあ感想をもらえないかな。新作で、店に出す前なんだ。私としてはとても助かる」
「それなら……」
助かると言われては少女も腑に落ちなさそうながらも了承する
グレンは前屈みになっていくつかあるパンの内一つを指さした。新作で作ったものは赤い粒がいくつも入った丸いパンのようだ
少女はそれを手に取った。まだ出来立てであたたかい。やや躊躇してから口に運ぶ
赤い粒を噛めば酸味が滲み出てきた。酸味の中に甘味があり、顔を顰めることはなかった。かじっていき食べ進めれば真ん中辺りからクリーミーで、ほのかに塩気のあるものが口の中へと入っていく。それに少女は思わず顔を綻ばせた
「……おいしい……」
「それは良かった」
少女の呟きを聞いたグレンは嬉しそうに笑った
パンを食べる手が止まらないのを見てからグレンは再び同じ扉を開けて入っていく。今度は戻って来なかった
「本当においしい」
――こんなにおいしいなら、黒竜様にあげたら喜んでくれるかも……
バターの芳しい香りと塩気が食欲をそそるパンや乾燥された果物が入った固めで歯ごたえの良いパン、牛乳の風味を感じるパンなど色んなものがあったが少女は美味しく平らげてしまった
最後の一口を飲み下した少女は満腹になって苦しいお腹をさする。黒竜の姿が浮かんで布袋を出す。中身は変わらない。宿屋で数えた数と同じだ
コインは残り数枚。一日一食にして宿に泊まらなければ数日は生きられるだろう。しかしその数日を過ぎればどうなるかわからない
――ここがダメでも他でお金を稼いで、黒竜様に持っていこう。受け取ってくれるかはわからないけど……喜んでくれたらうれしいな
少女は黒竜がパンを食べる様を想像して頬を緩ませる
美味しいと感じた物を共有する喜び
想いを寄せる相手が喜んでくれるという喜び
少女はその二つが叶ったらとついつい想いを馳せたが自分の頬を軽く叩いて現実に戻る
すると、少女が頬を叩いている時にタイミング良く店側の扉が開いた。先程レジに追われていた女性シェリーだ。少女を見て目を丸くする
「北の方で降るとかいう雪みたいに真っ白だねぇ……」
「は、はじめまして」
「はいはい、はじめまして」
開口一番に白色の有名どころを上げられたが、少女はそれには大した反応は出来なかった
音を立てて椅子から降りて礼をする。シェリーは闊達な人物らしく、あっけらかんとして返した
少女は背筋を伸ばして両手を膝の前で置いてシェリーからの言葉を待つ。シェリーはそんな彼女を上から下まで見つめた
言葉も発さずに見つめられ、少女は緊張で心音が高まっていくのを感じる。シェリーは一頻り少女を見たあと笑顔を見せた
「旦那から話は聞いているよ。明日から働いてもらえるかい?」
「え……」
あっさりと出された採用通知に少女はポカンとしてすぐに返事を返せなかった。不採用続きというのもあって尚更だろう
じわじわと言葉が少女の頭へと入っていくと少女はシェリーに深く礼をした
「ありがとうございます……!」
「私らも助かるよ。とりあえずピークを過ぎて客がいないから、今のうちに説明するよ」
「は、はい!」
シェリーが扉を開け、少女はシェリーと共に店に出た
押し寄せていた客が今はいなかった。パンも残り少なくなっている。光沢のあるパンたちは少ないながらも輝いているようだった
少女はグレンの言っていたカウンターに向かう。高めのカウンターと背比べをしてみれば少女の肩の少し下ほどだった。やりづらそうではあるが、カウンターに関しては危惧する程のものではなかった
シェリーから説明を受けながら店の中を回っていく。少女の仕事は主にパンの補充と接客、商品の包装
パンはレジ横に一列に陳列されているものは期間限定の物と開き戸のついた木製のパンケースに入った新作。壁に沿うようにして設置されているカゴに入れられているものは一定人気のある定番商品。入り口付近にあるのは人気商品という並びになっていた
商品名と場所の説明を受けながら少女は頭の中に入れていく。種類があって名前を覚えきれず、何度も繰り返していた。一杯一杯な少女にシェリーは呵呵と笑う
「慣れていない間は開店準備の札付けは私がするし、指示するから気楽に構えていなさい」
「はい……」
「人気商品は一回の補充量が多いし、なくなるスピードも早いから気をつけて見ておくんだよ」
「はい!」
「最悪人気商品と定番商品を補充してもらえるだけでも全然違うからさ」
忙しい時間帯に一人でレジや接客をしているならば補充に回る余裕はない。そこにもう一人加わって補充が出来るとなれば大きく変わるだろう
一通りの説明を受けて一度奥の居住スペースへと戻る。左右に扉があり、店側から見て右側にグレンが入っていった扉とは違う場所にある扉には小さめの部屋が二部屋あった
店側から見て左側には扉が二つあり、一つはトイレやお風呂など生活に必要な水回りだ
もうひとつの扉を開けると廊下に出る。廊下を歩いてすぐ扉があり、そこにもう一部屋あった。ベッドとタンスだけが置いてあり、タンスの中は空だった
「ここを使ってくれたらいいからね」
「ありがとうございます。今日は宿を借りているので明日から来ます。何時に来ればいいですか?」
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