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心境の変化
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次の活動日は工藤くんのオープンキャンパスにつき添うことになっていた。
「樋口、何をそんなにソワソワ落ち着かないんだ?」
キャンパスを歩きながら、キョロキョロと周りの様子を気にする私に工藤くんが声をかける。
「だって、未来のお医者様の卵がいっぱいな訳でしょ?私、なんだか場違いで気おくれしちゃって…」
「何言ってんの。卵ならビビる必要ないでしょ」
「いや、卵って言っても1パック250円とかじゃないよ?金の卵だもん」
「高級な赤玉とか?それでも1パック400円くらいじゃない?」
「いや、もうちょっと高いのもあるよ…って、だから違うの!その卵じゃないから」
あはは!と工藤くんはおかしそうに笑う。
もう…、と呆れ気味になった私は、ハタと思い出した。
「あの、工藤くん」
「ん?なに」
「あのね、志望校のことなんだけど」
「うん」
「私、もっとしっかり考える。指定校推薦は一旦頭の中から外して、自分が本当に学びたいこと、将来の仕事も含めてじっくり考えてみる。そして本当に行きたい大学を探して、そこを受験する。指定校推薦がないなら、一般受験で挑戦する」
工藤くんは驚いたように目を見開いてから、嬉しそうな笑顔になる。
「ああ。樋口なら絶対に自分の決めた道を進める。一緒にがんばろう」
「うん!」
私も嬉しくなって笑顔で頷いた。
医学部の模擬講義は、白衣を着た教授がなんだか難しい講義をしていて、私は居心地の悪さにモジモジするばかりだった。
工藤くんは真剣に講義を聴きながら、時折私を見ては、ふっと笑みを漏らしていた。
医学実習の見学では、白衣の医学生達や薬品の匂い、そして独特の雰囲気に圧倒されて、私は工藤くんのシャツの袖を握りながら背中に隠れ、恐る恐る顔を覗かせていた。
そんな私に、またもや工藤くんはクスッと笑う。
「樋口、注射に怯える子どもみたいだな。ほーら、怖くないよー」
「もう、工藤くん!」
ジロリと睨むと、工藤くんは更に面白そうに笑っていた。
昼食は今回も学食で食べることにした。
美味しいパスタを食べながら、またしても私は周囲を気にしてしまう。
男子学生が多いけれど、女子も思ったより多い。
しかも白衣姿で、きれいな大人の女性といった雰囲気の人ばかりに見える。
(来年の今頃は、工藤くんもこんな人達の中に混じってるんだ。きれいなお姉さんと、白衣姿の工藤くん…。わ、なんか想像するだけでもう)
思わずフォークを置いて、両手で頬を押さえる。
「樋口、どうかしたか?」
「あ、うん。なんだか胸がいっぱいで」
「へ?腹がいっぱいじゃなくて胸が?お前、パスタ胸に入れたのか?」
「はあ?工藤くんてば。お医者様になろうって人が何言ってんのよ」
「だって樋口が変なこと言うからさ。パスタ食べて、なんで胸がいっぱいになるんだ?」
「食べたから胸がいっぱいになったんじゃないってば!もう、工藤くん。お医者様目指すなら、ちゃんと女心も学んでよね」
「えー?医学部の講義にあるのか?女心って」
「それは独学で学んでください!」
「テキストは?」
「ありません!」
私は憤慨すると、パスタを大きな口で頬張った。
◇◇
7月に入ると学期末テストがあり、いつものごとく工藤くんが学年トップ、私は2位になった。
夏休み前の個人面談で、先生は私の成績表を見ながら話し出す。
「樋口は成績も安定してるし、指定校推薦も優先して選べるぞ。どこにするか決めたか?」
「それなんですが、先生。私、指定校推薦はやめようと思います。一般受験するつもりです」
「そうなの?」
先生は拍子抜けしたような声を出す。
「それは、志望校が変わったってこと?指定校推薦のない大学にしたのか?」
「志望校はまだ決めていませんが、ひとまず指定校推薦の中から選ぶという考えはやめました。自分が本当に学びたいこと、本当に行きたい大学をじっくり選んで決めたいと思います」
そう言うと先生は、ほう…としばらく間を置いてから、手にした書類をめくり始めた。
「なるほど。工藤の影響か…」
「え?」
「いや、お前達の活動報告レポート読んでてさ、色々俺も感じることがあったんだ。書かれた内容は真面目だけど、文章の合間に心の機微が見え隠れする。いやー、俺いい年のおっさんなのに、なんか胸がキュンキュンしてさ。いいよな、この活動。うちの学校の生徒って真面目だから、政府のハチャメチャなこの政策にもきちんと真面目に取り組んでくれてる。それがもう、なんかおっさんのハートを鷲掴みするほど純粋で可愛くてさ。これぞ青春!って感じ。いい時間を過ごしてるんだろうなって」
「は、はあ…」
としか言いようがない。
結局私の志望校についてではなく、先生はいかにこの活動が良いかを熱弁して面談は終わった。
◇◇
課外活動のお試しデートは、夏休み期間中はしなくても良いとなっていた。
また、活動期間も10月末で一旦終了し、その先続けるかどうかは任意。
つまりあとは、9月と10月に計4回活動すれば、それで終了しても構わないとのことだった。
戸惑いながら始まったこの活動だけど、もうすぐ終わるとなると、なんだか寂しい。
夏休み中は塾の夏期講習に通いつつ、分からない問題があると工藤くんに電話で教えてもらったりしていた。
そして志望校の相談にも乗ってもらう。
私は、海外の提携大学との交換留学が盛んで、語学だけでなくビジネスに役立つコミュニケーション英会話の講座や、外資系企業のインターンシップも多く取り入れている大学を第一志望校に決めた。
「私の学力だと、受かる確率は五分五分くらいだと思うんだけど…」
「それは今の話だろ?これからその大学に絞って勉強の仕方を変えるんだ。まずは過去問を10年分やってみて。そうすると大体の傾向が見えてくるから」
「うん、分かった」
電話口の工藤くんの言葉は何よりも心強い。
会えなくても工藤くんを身近に感じ、勉強漬けの夏休みを共にがんばって過ごしていた。
「樋口、何をそんなにソワソワ落ち着かないんだ?」
キャンパスを歩きながら、キョロキョロと周りの様子を気にする私に工藤くんが声をかける。
「だって、未来のお医者様の卵がいっぱいな訳でしょ?私、なんだか場違いで気おくれしちゃって…」
「何言ってんの。卵ならビビる必要ないでしょ」
「いや、卵って言っても1パック250円とかじゃないよ?金の卵だもん」
「高級な赤玉とか?それでも1パック400円くらいじゃない?」
「いや、もうちょっと高いのもあるよ…って、だから違うの!その卵じゃないから」
あはは!と工藤くんはおかしそうに笑う。
もう…、と呆れ気味になった私は、ハタと思い出した。
「あの、工藤くん」
「ん?なに」
「あのね、志望校のことなんだけど」
「うん」
「私、もっとしっかり考える。指定校推薦は一旦頭の中から外して、自分が本当に学びたいこと、将来の仕事も含めてじっくり考えてみる。そして本当に行きたい大学を探して、そこを受験する。指定校推薦がないなら、一般受験で挑戦する」
工藤くんは驚いたように目を見開いてから、嬉しそうな笑顔になる。
「ああ。樋口なら絶対に自分の決めた道を進める。一緒にがんばろう」
「うん!」
私も嬉しくなって笑顔で頷いた。
医学部の模擬講義は、白衣を着た教授がなんだか難しい講義をしていて、私は居心地の悪さにモジモジするばかりだった。
工藤くんは真剣に講義を聴きながら、時折私を見ては、ふっと笑みを漏らしていた。
医学実習の見学では、白衣の医学生達や薬品の匂い、そして独特の雰囲気に圧倒されて、私は工藤くんのシャツの袖を握りながら背中に隠れ、恐る恐る顔を覗かせていた。
そんな私に、またもや工藤くんはクスッと笑う。
「樋口、注射に怯える子どもみたいだな。ほーら、怖くないよー」
「もう、工藤くん!」
ジロリと睨むと、工藤くんは更に面白そうに笑っていた。
昼食は今回も学食で食べることにした。
美味しいパスタを食べながら、またしても私は周囲を気にしてしまう。
男子学生が多いけれど、女子も思ったより多い。
しかも白衣姿で、きれいな大人の女性といった雰囲気の人ばかりに見える。
(来年の今頃は、工藤くんもこんな人達の中に混じってるんだ。きれいなお姉さんと、白衣姿の工藤くん…。わ、なんか想像するだけでもう)
思わずフォークを置いて、両手で頬を押さえる。
「樋口、どうかしたか?」
「あ、うん。なんだか胸がいっぱいで」
「へ?腹がいっぱいじゃなくて胸が?お前、パスタ胸に入れたのか?」
「はあ?工藤くんてば。お医者様になろうって人が何言ってんのよ」
「だって樋口が変なこと言うからさ。パスタ食べて、なんで胸がいっぱいになるんだ?」
「食べたから胸がいっぱいになったんじゃないってば!もう、工藤くん。お医者様目指すなら、ちゃんと女心も学んでよね」
「えー?医学部の講義にあるのか?女心って」
「それは独学で学んでください!」
「テキストは?」
「ありません!」
私は憤慨すると、パスタを大きな口で頬張った。
◇◇
7月に入ると学期末テストがあり、いつものごとく工藤くんが学年トップ、私は2位になった。
夏休み前の個人面談で、先生は私の成績表を見ながら話し出す。
「樋口は成績も安定してるし、指定校推薦も優先して選べるぞ。どこにするか決めたか?」
「それなんですが、先生。私、指定校推薦はやめようと思います。一般受験するつもりです」
「そうなの?」
先生は拍子抜けしたような声を出す。
「それは、志望校が変わったってこと?指定校推薦のない大学にしたのか?」
「志望校はまだ決めていませんが、ひとまず指定校推薦の中から選ぶという考えはやめました。自分が本当に学びたいこと、本当に行きたい大学をじっくり選んで決めたいと思います」
そう言うと先生は、ほう…としばらく間を置いてから、手にした書類をめくり始めた。
「なるほど。工藤の影響か…」
「え?」
「いや、お前達の活動報告レポート読んでてさ、色々俺も感じることがあったんだ。書かれた内容は真面目だけど、文章の合間に心の機微が見え隠れする。いやー、俺いい年のおっさんなのに、なんか胸がキュンキュンしてさ。いいよな、この活動。うちの学校の生徒って真面目だから、政府のハチャメチャなこの政策にもきちんと真面目に取り組んでくれてる。それがもう、なんかおっさんのハートを鷲掴みするほど純粋で可愛くてさ。これぞ青春!って感じ。いい時間を過ごしてるんだろうなって」
「は、はあ…」
としか言いようがない。
結局私の志望校についてではなく、先生はいかにこの活動が良いかを熱弁して面談は終わった。
◇◇
課外活動のお試しデートは、夏休み期間中はしなくても良いとなっていた。
また、活動期間も10月末で一旦終了し、その先続けるかどうかは任意。
つまりあとは、9月と10月に計4回活動すれば、それで終了しても構わないとのことだった。
戸惑いながら始まったこの活動だけど、もうすぐ終わるとなると、なんだか寂しい。
夏休み中は塾の夏期講習に通いつつ、分からない問題があると工藤くんに電話で教えてもらったりしていた。
そして志望校の相談にも乗ってもらう。
私は、海外の提携大学との交換留学が盛んで、語学だけでなくビジネスに役立つコミュニケーション英会話の講座や、外資系企業のインターンシップも多く取り入れている大学を第一志望校に決めた。
「私の学力だと、受かる確率は五分五分くらいだと思うんだけど…」
「それは今の話だろ?これからその大学に絞って勉強の仕方を変えるんだ。まずは過去問を10年分やってみて。そうすると大体の傾向が見えてくるから」
「うん、分かった」
電話口の工藤くんの言葉は何よりも心強い。
会えなくても工藤くんを身近に感じ、勉強漬けの夏休みを共にがんばって過ごしていた。
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