13 / 16
心配よりも信頼
しおりを挟む
「結衣ー、そろそろ行かないと入学式に遅れるわよ」
「はーい!」
お母さんに返事をしてから階段を下り、玄関に向かう。
4月になり、私はいよいよ大学の入学式の日を迎えていた。
「あら、いいじゃない。似合ってるわよ、そのスーツ」
「えへへー、そう?」
私は思わずニンマリしながら、スカートをつまむ。
春休みに工藤くんと一緒に選びに行った時、可愛いと褒めてくれたスーツなのだ。
今日も、入学式のあとに会う約束をしている。
「やだわー、ヘラヘラしちゃって。結衣、のぼせ過ぎじゃない?まあ、あの工藤くんがお相手なら浮かれるのも分かるけどね」
お母さんは卒業式の工藤くんの答辞にいたく感激し、あの子が結衣の彼氏よ!と、思わずお父さんに爆弾を投げてしまったらしい。
その日の夕食の席で、お父さんはなんとも複雑な表情で、寂しそうに肩を落としながら食べていた。
「あんな完璧な彼氏なら、反対しようがない。けどなあ、相手が誰でもやっぱり嫌だ…」と、ブツブツ呟いていたっけ。
「じゃあ気をつけて行ってらっしゃい。浮かれて階段踏み外さないようにね」
苦笑いしながら見送ってくれるお母さんに、はーい!行ってきますと返事をして、私は玄関を出た。
電車に揺られてキャンパスに向かうと、同じようにスーツ姿の学生が増えてきた。
(去年、工藤くんにつき添ってもらって、一緒にオープンキャンパスに来たなぁ。なんだか遠い昔のことのような気がする)
私の大学に、工藤くんも来たことがある。
それが妙に嬉しかった。
大きな講堂に集まって入学式を終えると、校門前の芝生広場では、早速部活やサークルの勧誘が始まっていた。
「かーのじょ!軽音に興味ない?楽しいよー」
「ラクロス部でーす!一緒に青春しませんかー?」
「可愛いお姉さん!チアリーディングはどう?」
私はもみくちゃにされながら、たくさんのチラシを手に握らされる。
なんとか校門から出ると、チラシをカバンにしまい、乱れた髪を手ぐしで整えた。
(やだー、これから工藤くんに会うのに。スーツもしわしわ)
しょんぼりするけれど、工藤くんに会える嬉しさの方が勝る。
スマートフォンを取り出して、
『入学式終わったよ。これから向かうね』
とメッセージを送ると、
『待ってるから。気をつけておいで』
と、すぐに返信が来た。
私はふふっと笑みをこぼしてから、駅への道を急いだ。
◇◇
「工藤くん!」
「結衣」
待ち合わせた駅で、私は工藤くんに駆け寄る。
「お待たせ」
「いや、そんなに待ってないよ。結衣、入学おめでとう!そのスーツ、やっぱりよく似合ってる。可愛いな」
「ふふ、ありがとう。工藤くんもおめでとう!スーツも似合ってて、とってもかっこいいよ」
「はは!まだ着慣れないけどね。ありがとう」
そう、工藤くんも今日が入学式。
時間は工藤くんの方が早く、私が終わるのを待ってくれていた。
今夜は二人でお祝いのディナーを食べる予定だった。
「まだ早いし、取り敢えずカフェで休憩する?」
「うん!」
駅前のコーヒーショップで、私は興味津々で入学式の様子を聞かせてもらう。
「どんな感じなの?医学部の入学式って」
「ええ?別に、結衣の入学式と変わらないと思うよ?」
「そうなの?みんなスーツ?白衣とか着てないの?」
「当たり前だろ?そんなやついたらびっくりするわ。ハロウィンじゃあるまいし」
「そっか。あはは!なんだか未知の世界なんだもん。工藤くん、私の知らない世界に行っちゃうのかなーって、寂しくて」
「なに言ってんの。俺の方こそ心配だぞ?結衣、可愛いからナンパされまくるだろ」
「またー。そんなこと思ってるのは工藤くんだけだってば。私なんかより遥かにきれいなお姉さん、いーっぱいいるよ」
「結衣、頼むからもっと自覚持ってくれ。危なかしくて仕方ない…って、なにそれ?」
ん?と、私は工藤くんの視線の先を追う。
「あ、これ?部活勧誘のチラシ」
カバンから覗いているたくさんのチラシの束を取り出して、工藤くんに渡す。
「へえー、こんなに色々あるんだ。あ、結衣はテニスやりたいんだっけ。はっ?!なにこのサークル!」
どれ?と私は工藤くんの手元を覗き込んだ。
『テニスサークル、という名の合コンサークル!彼氏彼女、すぐできます!色んな出会いが待ってます!さあ、あなたもバラ色のキャンパスライフを!』
その下には、大きなハートで囲まれたカップルのイラストまで描かれていた。
「ゆ、結衣!まさか、こんなサークルに?!」
工藤くんは、信じられないとばかりに絶句している。
「違うって。こんなサークル、入る訳ないでしょ?」
「大学のサークルって、目的はやっぱり合コンなんだな」
「違うったら!ね、工藤くん。私がそんなところ入ると思うの?」
「でも、結衣がそのつもりなくても、入ってみたら実態は違うってことも…」
「工藤くん!」
私は身を乗り出して工藤くんに顔を寄せる。
「ねえ、聞いて。工藤くんが私のことを心配してくれるのは嬉しいよ。可愛いってお世辞言ってくれるのも、ヤキモチ焼いてくれるのも嬉しい。だけどね、もっと私のこと信じて欲しいの。心配するより、信頼して欲しい」
「心配より、信頼…?」
「そう。私も工藤くんのこと、これから私の知らないところで素敵な女の人と知り合ったりするんだろうなって心配になる。だけど私、信じてるから。工藤くんは私のことを大切に想ってくれているって」
「もちろんだよ。その気持ちは何があっても変わらない」
「うん、その言葉を信じてる。私にとっても工藤くんは、誰よりも大切な人だよ。何があってもね」
「結衣…」
工藤くんは目を潤ませたあと、ふっと柔らかく微笑んだ。
「ごめん。結衣の言う通りだ。俺、何があっても結衣を信じる。結衣が俺を信じてくれる限り、俺も結衣を信頼する」
「うん!」
私は満面の笑みで頷く。
「可愛いな、結衣。俺やっぱり、結衣の笑顔が大好きだ」
「ふふっ、ありがとう。私も工藤くんの優しい笑顔が大好きよ」
私達は照れたように微笑み合う。
「ヤバイ、今すぐキスしたい」
「またそれー?!」
「仕方ないだろ?結衣が可愛いんだもん」
「はあ、やれやれ。工藤くん、いつも真面目な顔で変なこと言うんだから」
「どこが変なんだよ?」
「はいはい」
「ちょっと、結衣?」
いつものやり取りに調子を取り戻した私達は、ま、いいか!と顔を見合わせて笑った。
「はーい!」
お母さんに返事をしてから階段を下り、玄関に向かう。
4月になり、私はいよいよ大学の入学式の日を迎えていた。
「あら、いいじゃない。似合ってるわよ、そのスーツ」
「えへへー、そう?」
私は思わずニンマリしながら、スカートをつまむ。
春休みに工藤くんと一緒に選びに行った時、可愛いと褒めてくれたスーツなのだ。
今日も、入学式のあとに会う約束をしている。
「やだわー、ヘラヘラしちゃって。結衣、のぼせ過ぎじゃない?まあ、あの工藤くんがお相手なら浮かれるのも分かるけどね」
お母さんは卒業式の工藤くんの答辞にいたく感激し、あの子が結衣の彼氏よ!と、思わずお父さんに爆弾を投げてしまったらしい。
その日の夕食の席で、お父さんはなんとも複雑な表情で、寂しそうに肩を落としながら食べていた。
「あんな完璧な彼氏なら、反対しようがない。けどなあ、相手が誰でもやっぱり嫌だ…」と、ブツブツ呟いていたっけ。
「じゃあ気をつけて行ってらっしゃい。浮かれて階段踏み外さないようにね」
苦笑いしながら見送ってくれるお母さんに、はーい!行ってきますと返事をして、私は玄関を出た。
電車に揺られてキャンパスに向かうと、同じようにスーツ姿の学生が増えてきた。
(去年、工藤くんにつき添ってもらって、一緒にオープンキャンパスに来たなぁ。なんだか遠い昔のことのような気がする)
私の大学に、工藤くんも来たことがある。
それが妙に嬉しかった。
大きな講堂に集まって入学式を終えると、校門前の芝生広場では、早速部活やサークルの勧誘が始まっていた。
「かーのじょ!軽音に興味ない?楽しいよー」
「ラクロス部でーす!一緒に青春しませんかー?」
「可愛いお姉さん!チアリーディングはどう?」
私はもみくちゃにされながら、たくさんのチラシを手に握らされる。
なんとか校門から出ると、チラシをカバンにしまい、乱れた髪を手ぐしで整えた。
(やだー、これから工藤くんに会うのに。スーツもしわしわ)
しょんぼりするけれど、工藤くんに会える嬉しさの方が勝る。
スマートフォンを取り出して、
『入学式終わったよ。これから向かうね』
とメッセージを送ると、
『待ってるから。気をつけておいで』
と、すぐに返信が来た。
私はふふっと笑みをこぼしてから、駅への道を急いだ。
◇◇
「工藤くん!」
「結衣」
待ち合わせた駅で、私は工藤くんに駆け寄る。
「お待たせ」
「いや、そんなに待ってないよ。結衣、入学おめでとう!そのスーツ、やっぱりよく似合ってる。可愛いな」
「ふふ、ありがとう。工藤くんもおめでとう!スーツも似合ってて、とってもかっこいいよ」
「はは!まだ着慣れないけどね。ありがとう」
そう、工藤くんも今日が入学式。
時間は工藤くんの方が早く、私が終わるのを待ってくれていた。
今夜は二人でお祝いのディナーを食べる予定だった。
「まだ早いし、取り敢えずカフェで休憩する?」
「うん!」
駅前のコーヒーショップで、私は興味津々で入学式の様子を聞かせてもらう。
「どんな感じなの?医学部の入学式って」
「ええ?別に、結衣の入学式と変わらないと思うよ?」
「そうなの?みんなスーツ?白衣とか着てないの?」
「当たり前だろ?そんなやついたらびっくりするわ。ハロウィンじゃあるまいし」
「そっか。あはは!なんだか未知の世界なんだもん。工藤くん、私の知らない世界に行っちゃうのかなーって、寂しくて」
「なに言ってんの。俺の方こそ心配だぞ?結衣、可愛いからナンパされまくるだろ」
「またー。そんなこと思ってるのは工藤くんだけだってば。私なんかより遥かにきれいなお姉さん、いーっぱいいるよ」
「結衣、頼むからもっと自覚持ってくれ。危なかしくて仕方ない…って、なにそれ?」
ん?と、私は工藤くんの視線の先を追う。
「あ、これ?部活勧誘のチラシ」
カバンから覗いているたくさんのチラシの束を取り出して、工藤くんに渡す。
「へえー、こんなに色々あるんだ。あ、結衣はテニスやりたいんだっけ。はっ?!なにこのサークル!」
どれ?と私は工藤くんの手元を覗き込んだ。
『テニスサークル、という名の合コンサークル!彼氏彼女、すぐできます!色んな出会いが待ってます!さあ、あなたもバラ色のキャンパスライフを!』
その下には、大きなハートで囲まれたカップルのイラストまで描かれていた。
「ゆ、結衣!まさか、こんなサークルに?!」
工藤くんは、信じられないとばかりに絶句している。
「違うって。こんなサークル、入る訳ないでしょ?」
「大学のサークルって、目的はやっぱり合コンなんだな」
「違うったら!ね、工藤くん。私がそんなところ入ると思うの?」
「でも、結衣がそのつもりなくても、入ってみたら実態は違うってことも…」
「工藤くん!」
私は身を乗り出して工藤くんに顔を寄せる。
「ねえ、聞いて。工藤くんが私のことを心配してくれるのは嬉しいよ。可愛いってお世辞言ってくれるのも、ヤキモチ焼いてくれるのも嬉しい。だけどね、もっと私のこと信じて欲しいの。心配するより、信頼して欲しい」
「心配より、信頼…?」
「そう。私も工藤くんのこと、これから私の知らないところで素敵な女の人と知り合ったりするんだろうなって心配になる。だけど私、信じてるから。工藤くんは私のことを大切に想ってくれているって」
「もちろんだよ。その気持ちは何があっても変わらない」
「うん、その言葉を信じてる。私にとっても工藤くんは、誰よりも大切な人だよ。何があってもね」
「結衣…」
工藤くんは目を潤ませたあと、ふっと柔らかく微笑んだ。
「ごめん。結衣の言う通りだ。俺、何があっても結衣を信じる。結衣が俺を信じてくれる限り、俺も結衣を信頼する」
「うん!」
私は満面の笑みで頷く。
「可愛いな、結衣。俺やっぱり、結衣の笑顔が大好きだ」
「ふふっ、ありがとう。私も工藤くんの優しい笑顔が大好きよ」
私達は照れたように微笑み合う。
「ヤバイ、今すぐキスしたい」
「またそれー?!」
「仕方ないだろ?結衣が可愛いんだもん」
「はあ、やれやれ。工藤くん、いつも真面目な顔で変なこと言うんだから」
「どこが変なんだよ?」
「はいはい」
「ちょっと、結衣?」
いつものやり取りに調子を取り戻した私達は、ま、いいか!と顔を見合わせて笑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる