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12.押し倒され
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たまにある飲み会ではさほど遅くならないので、今日もそうだと思っていた利央はまた時計を見た。いつもより一時間は遅いだろうか。この間、海と飲んできた時も遅かったが、間にちょこちょこと連絡を入れてくれていたので一階に布団を準備さえしていた。今日はその連絡すらもない。
何かあったのだろうかと利央がはらはらしていると「ただいま」という声が聞こえてホッとした。
「おかえり、今日は遅くまであったんだな」
玄関まで行こうとしたらその前に律が「まだこの後二次会するそうだよ」と笑いながら居間に入ってきた。全然酔っていなさそうな律の様子に、そうかと笑おうとして利央は怪訝な顔をする。
「兄貴、今日何かあった?」
「な、何でもない! 何もないよ」
利央に聞かれた途端、何となく赤いように見えた律の顔がさらに赤くなる。飲酒をしたからかもしれないが酔っている様子はなく、何となく違和感を覚えたので聞いてみただけだったが、その様子に利央はますます怪訝な顔をする。ジッと律を見ると赤い顔をしたまま目までそらしてきた。
どう見ても不審だ。
怪訝な顔のまま律に近づいた利央の鼻にふと嗅ぎなれない匂いが届いた。
……何これ。甘ったるくはない、ふわりとした花のような香り。
ムカつく位いい匂いが律から本当にほんのりだが漂った。
「……兄貴香水臭い」
「っえ? わ、悪い」
香水よりは居酒屋のあの独特の匂いの方がよっぽどする。だけれども利央にはその優しい香りのほうが鼻についた。
「……風呂入れ」
「う、うん」
律は相変わらず何となく赤い顔のまま洗面所へ向かって行った。利央はむくれた顔を隠しもせずにそんな律を見た後、畳の上に座り込む。
仕事一筋でいつも利央の事を気にかけてくれていた律は、どう見ても女っ気などなかった。中卒で入った職場には年配の女性しかいないことも知っている。男性だって皆律より年上ばかりだ。
利央はため息ついた。律に楽させたいと思っているくせに心の狭い自分に嫌気がさす。
顔が母親似で柔らかい表情をしているし整っている。そして実際優しいし頭もいい。だからきっと律は普通に高校や大学に行っていたらとてもモテていただろう。だが律は有望な未来を捨てて頭など関係のないような工場でずっと勤務している。
そんな律に申し訳なさを感じると共に絶対に将来楽をさせたいと思っているというのに、どこかで恋愛する暇もない状態にホッとしていた自分がいる。周囲に女っ気がないからと安心していた。
そして今、その律に女性の影を感じてとてつもなく戸惑っているし落ち着かないし、何より腹立たしい。
ほんと心が狭い。でも嫌なものは嫌だ。
利央はイライラと思った。とはいえ律に幸せになってもらいたいなら女性と出会うのはむしろ弟なら喜ばしいと思うところなのではないのかと唇を噛んだ。
一方律は洗面所で服を脱ぎ、匂いを嗅いでみた。
フライものや煙草の匂いはするが、香水の匂いはわからない。
ふと帰り際にされたキスを思い出し、律はまた赤くなった。キスされたせいで香りがわからないのだろうかと首を傾げる。
あの後律が真っ赤になって唖然としていると「新鮮な反応」とニッコリされた上にぎゅっと抱きつかれた。
「あ、あの……」
「そっか、帰るもんね。またね」
望奈は再度言ってきた後ようやく手を振って離れて行った。
どう考えてもからかわれたような気、しかしない。いや、からかうためにでもわざわざキスなんてとも思ったが、やはりからかわれているようにしか思えなかった。
どのみち混乱していた。呆然として、ようやく我に返って自転車に乗り、家まで帰ってきた状況だった。
湯船に浸かり律はそっと唇に触れてみた。
もしかして先ほどのキスがファーストキスでは?
律は思わず鼻まで湯船に顔をつける。
いやでも、と思いなおす。利央が生まれてしばらくした頃、小学生だった律は利央があまりにかわいくて、よくその小さな顔に自分の顔を近づけて見ていた。自分の弟がそこにいるのだとしみじみ実感した律は、何を思ったかそのまま利央にキスをしたことがあった。それを見た親が微笑ましげに笑っていたのも覚えている。
「……懐かしいな……」
とても温かな思い出にほっこりした後で、律は少し微妙な気持ちになった。この歳になって初めてキスをしたのではないと思い出そうとして出てきたのが弟との、しかも遥か昔の小さな頃の何もわかっていなかった時のキスだけとは。
「でもまあ、仕方ないよね」
とりあえず先ほどのことはきっとからかわれたのだと律は再度思う。そして体を洗うべく湯船から出た。
風呂から出ると利央はまだ居間にいた。
「もう休んでると思った」
「うん……寝るけど。……なあ、兄貴」
「ん?」
利央の横に一旦座った律を利央はジッと見てきた。
「……彼女、できた、とか? どんなヤツなの」
ボソリと聞かれた言葉をちゃんと聞いてはいたが、脳内に浸透してこなくて律はポカンと利央を見たままだった。
「彼女、なんだろ……?」
聞こえていないと思ったのか利央はまた呟いてくる。
「え? あ、あっ、いや違う。違うよ」
ハッとなり頬が熱くなるのを感じながら律は首を振る。だが利央は何となく疑わしげに律を見てきた。
そういえば「兄貴こそ楽しめ」的なことを言われたりするし、もしかして期待されているのだろうかと律は思った。だとしたら申し訳ないがはっきり否定しなくてはと、少し恥ずかしいと思いつつも先ほどからかわれてキスをされたことを何とか説明した。
利央は黙ったまま俯いている。彼女でなかったとがっかりされたのだろうか。律が少し申し訳なく思っているとようやく頭を上げ「何してんの、油断しすぎ」とばっさり言われた。
「だって」
「だってじゃないし。兄貴ぼーっとしすぎ。そんなだと気づけば押し倒されてんじゃね」
利央は呆れたようにとんでもないことを言ってきた。
「ちょ、いくら何でもそれはないよ! 俺そんなぼーってしてる?」
「してる。つか隙多そう」
何故か利央はむくれている。彼女ができたのだと思って違ったからだろうか。にしてはなぜキスをされたことに対して油断しすぎだと、とても叱られているような気分になるのだろうかと律は首を傾げた。
「そんなことないって。ていうか、いくら俺に隙があっても俺男だし女性に押し倒されるわけないだろ」
苦笑しながら言い返してみるも、利央にジロリと睨まれた後にまたため息つかれた。
「げんにキスされてるくせに。だいたいキスされただけであんなに香水臭くなるわけないだろ」
「匂ってみたけど居酒屋の匂いだけだったよ?」
「俺はぷんぷん臭ったし。キス以外何されたんだよ」
キスをされたとしか言っていなかった律は「う」と答えに詰まる。だが別に押し倒されたわけではないと口を開いた。
「えっと、キスされた後に何か抱きつかれた、の、かな?」
「は、」
何だかとても利央が怖いけど。
律は自分が兄であることを忘れそうな勢いで、小馬鹿にしたような笑いを見せてきた利央をさらにおずおずと見る。
「ほんっと兄貴、隙しかない」
「そんなこと……」
また否定しようとして気づけば自分の背中が畳についていた。ぽかんと前を見ると覆いかぶさっている弟が見える。
「ほら。油断どうこうとか言っているさなかにこれだし。弟にまで簡単に押し倒されてるだろ」
「……って! だってどこの世界に弟に対して警戒する兄がいる?」
押し倒されたまま律がそう突っ込むと、またため息つかれた後に利央は起こしてくれた。そして馬鹿にしたようにか首を振られた。
何かあったのだろうかと利央がはらはらしていると「ただいま」という声が聞こえてホッとした。
「おかえり、今日は遅くまであったんだな」
玄関まで行こうとしたらその前に律が「まだこの後二次会するそうだよ」と笑いながら居間に入ってきた。全然酔っていなさそうな律の様子に、そうかと笑おうとして利央は怪訝な顔をする。
「兄貴、今日何かあった?」
「な、何でもない! 何もないよ」
利央に聞かれた途端、何となく赤いように見えた律の顔がさらに赤くなる。飲酒をしたからかもしれないが酔っている様子はなく、何となく違和感を覚えたので聞いてみただけだったが、その様子に利央はますます怪訝な顔をする。ジッと律を見ると赤い顔をしたまま目までそらしてきた。
どう見ても不審だ。
怪訝な顔のまま律に近づいた利央の鼻にふと嗅ぎなれない匂いが届いた。
……何これ。甘ったるくはない、ふわりとした花のような香り。
ムカつく位いい匂いが律から本当にほんのりだが漂った。
「……兄貴香水臭い」
「っえ? わ、悪い」
香水よりは居酒屋のあの独特の匂いの方がよっぽどする。だけれども利央にはその優しい香りのほうが鼻についた。
「……風呂入れ」
「う、うん」
律は相変わらず何となく赤い顔のまま洗面所へ向かって行った。利央はむくれた顔を隠しもせずにそんな律を見た後、畳の上に座り込む。
仕事一筋でいつも利央の事を気にかけてくれていた律は、どう見ても女っ気などなかった。中卒で入った職場には年配の女性しかいないことも知っている。男性だって皆律より年上ばかりだ。
利央はため息ついた。律に楽させたいと思っているくせに心の狭い自分に嫌気がさす。
顔が母親似で柔らかい表情をしているし整っている。そして実際優しいし頭もいい。だからきっと律は普通に高校や大学に行っていたらとてもモテていただろう。だが律は有望な未来を捨てて頭など関係のないような工場でずっと勤務している。
そんな律に申し訳なさを感じると共に絶対に将来楽をさせたいと思っているというのに、どこかで恋愛する暇もない状態にホッとしていた自分がいる。周囲に女っ気がないからと安心していた。
そして今、その律に女性の影を感じてとてつもなく戸惑っているし落ち着かないし、何より腹立たしい。
ほんと心が狭い。でも嫌なものは嫌だ。
利央はイライラと思った。とはいえ律に幸せになってもらいたいなら女性と出会うのはむしろ弟なら喜ばしいと思うところなのではないのかと唇を噛んだ。
一方律は洗面所で服を脱ぎ、匂いを嗅いでみた。
フライものや煙草の匂いはするが、香水の匂いはわからない。
ふと帰り際にされたキスを思い出し、律はまた赤くなった。キスされたせいで香りがわからないのだろうかと首を傾げる。
あの後律が真っ赤になって唖然としていると「新鮮な反応」とニッコリされた上にぎゅっと抱きつかれた。
「あ、あの……」
「そっか、帰るもんね。またね」
望奈は再度言ってきた後ようやく手を振って離れて行った。
どう考えてもからかわれたような気、しかしない。いや、からかうためにでもわざわざキスなんてとも思ったが、やはりからかわれているようにしか思えなかった。
どのみち混乱していた。呆然として、ようやく我に返って自転車に乗り、家まで帰ってきた状況だった。
湯船に浸かり律はそっと唇に触れてみた。
もしかして先ほどのキスがファーストキスでは?
律は思わず鼻まで湯船に顔をつける。
いやでも、と思いなおす。利央が生まれてしばらくした頃、小学生だった律は利央があまりにかわいくて、よくその小さな顔に自分の顔を近づけて見ていた。自分の弟がそこにいるのだとしみじみ実感した律は、何を思ったかそのまま利央にキスをしたことがあった。それを見た親が微笑ましげに笑っていたのも覚えている。
「……懐かしいな……」
とても温かな思い出にほっこりした後で、律は少し微妙な気持ちになった。この歳になって初めてキスをしたのではないと思い出そうとして出てきたのが弟との、しかも遥か昔の小さな頃の何もわかっていなかった時のキスだけとは。
「でもまあ、仕方ないよね」
とりあえず先ほどのことはきっとからかわれたのだと律は再度思う。そして体を洗うべく湯船から出た。
風呂から出ると利央はまだ居間にいた。
「もう休んでると思った」
「うん……寝るけど。……なあ、兄貴」
「ん?」
利央の横に一旦座った律を利央はジッと見てきた。
「……彼女、できた、とか? どんなヤツなの」
ボソリと聞かれた言葉をちゃんと聞いてはいたが、脳内に浸透してこなくて律はポカンと利央を見たままだった。
「彼女、なんだろ……?」
聞こえていないと思ったのか利央はまた呟いてくる。
「え? あ、あっ、いや違う。違うよ」
ハッとなり頬が熱くなるのを感じながら律は首を振る。だが利央は何となく疑わしげに律を見てきた。
そういえば「兄貴こそ楽しめ」的なことを言われたりするし、もしかして期待されているのだろうかと律は思った。だとしたら申し訳ないがはっきり否定しなくてはと、少し恥ずかしいと思いつつも先ほどからかわれてキスをされたことを何とか説明した。
利央は黙ったまま俯いている。彼女でなかったとがっかりされたのだろうか。律が少し申し訳なく思っているとようやく頭を上げ「何してんの、油断しすぎ」とばっさり言われた。
「だって」
「だってじゃないし。兄貴ぼーっとしすぎ。そんなだと気づけば押し倒されてんじゃね」
利央は呆れたようにとんでもないことを言ってきた。
「ちょ、いくら何でもそれはないよ! 俺そんなぼーってしてる?」
「してる。つか隙多そう」
何故か利央はむくれている。彼女ができたのだと思って違ったからだろうか。にしてはなぜキスをされたことに対して油断しすぎだと、とても叱られているような気分になるのだろうかと律は首を傾げた。
「そんなことないって。ていうか、いくら俺に隙があっても俺男だし女性に押し倒されるわけないだろ」
苦笑しながら言い返してみるも、利央にジロリと睨まれた後にまたため息つかれた。
「げんにキスされてるくせに。だいたいキスされただけであんなに香水臭くなるわけないだろ」
「匂ってみたけど居酒屋の匂いだけだったよ?」
「俺はぷんぷん臭ったし。キス以外何されたんだよ」
キスをされたとしか言っていなかった律は「う」と答えに詰まる。だが別に押し倒されたわけではないと口を開いた。
「えっと、キスされた後に何か抱きつかれた、の、かな?」
「は、」
何だかとても利央が怖いけど。
律は自分が兄であることを忘れそうな勢いで、小馬鹿にしたような笑いを見せてきた利央をさらにおずおずと見る。
「ほんっと兄貴、隙しかない」
「そんなこと……」
また否定しようとして気づけば自分の背中が畳についていた。ぽかんと前を見ると覆いかぶさっている弟が見える。
「ほら。油断どうこうとか言っているさなかにこれだし。弟にまで簡単に押し倒されてるだろ」
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